糖尿病における角結膜知覚と涙液動態の関係を評価するために糖尿病群25名50眼および性,年齢の一致した正常群20名40眼を検討した。
糖尿病群では正常群(角膜知覚;0.97±0.08g/mm2,結膜知覚4.77±1.63g/mm2)に比して角膜知覚(4.34±4.06g/mm2)および結膜知覚(10.13±5.13g/mm2)が有意に低下し(p<0.01),さらにシルマー値(5.29±4.61mm)と涙液クリアランス(8.0+13.6-5.0倍)も有意に低下していた(p<0.01)。涙液クリアランスは63.6%が8倍以下であった。
角膜知覚値(r=-0.56)(p<0.01)および結膜知覚値(r=-0.65)(p<0.01)と涙液クリアランス値との間にそれぞれ相関が認められた。
糖尿病患者における涙液動態は,角結膜知覚低下にともない涙液クリアランスが低下し角結膜障害をきたすことが考えられた。