臨床眼科 47巻5号 (1993年5月)

特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(3) 1992年11月東京

学会原著

  • 文献概要を表示

 固定内斜視は眼球が極度に内転位に固定し,眼球運動は他動的にも強く制限される疾患で,これに関する報告はまだ少ない。

 手術方法として,内直筋切腱または後転と外直筋短縮術,さらに結膜後転,traction suture,筋移動術が報告されている。当科での手術例について検討したが,内直筋切腱とJensen法の併用は本症に対して優れた術式と考える。

  • 文献概要を表示

 症例は生後10日の女児。出生時から特徴的な皮斑がありcutis marmorata telangi—ectatica congenita (以下CMTC)と診断され,眼科的精査のため当科を受診した。初診時,顔面を含む全身に血管腫がみられた。眼圧は右29,左32mmHgで,両眼とも角膜は浮腫状であり,角膜径は11mm×12mmと増大していた。隅角には多数の虹彩突起と虹彩の高位付着がみられ,シュレム管の充血も著明であった。両眼に2回のトラベクロトミーを行い,現在は眼圧は良好である。眼圧上昇機序として,隅角の形成異常だけでなく,上強膜血管圧の関与も考えられる。CMTCで顔面に血管腫がみられる場合,先天緑内障を合併することがあり,眼科的な経過観察が必要である。

  • 文献概要を表示

 調節性内斜視ではその原因のひとつとして調節の関与が考えられているが,暗黒視野(dark focus of accommodation)という概念を用いて調節機能の解析を行った研究報告はみられない。今回,調節性内斜視12例24眼のdark focus of accommodationを測定し対照の7例13眼と比較検討することにより,調節性内斜視の調節機能を解析することを試みた。その結果,調節性内斜視群のdark focus of accommodationは幅広く分布し,統計学的有意差はみられないものの対照群より近方に偏位するという傾向が認められた。また,調節性内斜視群でdark focus of accommo—dationが遠点から約9D近方化した例が認められ,このような例では他との病態が異なる可能性があることが示唆された。

  • 文献概要を表示

 単純型黄斑部出血を合併した lacquer crack lesion (以下L.C.)を有する13症例16眼について,出血後の経過を検討した。その結果,16眼中14眼(87.5%)において,L.C.の伸展がみられ,そのうち9眼では出血部位に一致してL.C.が形成されていた。したがって,L.C.における単純型出血はBruch膜複合体の断裂に伴って生じたものであり,L.C.の先行病変として単純型出血が重要であることが示唆された。さらに,L C.の伸展とともに眼軸長の延長が観察されたことから,L.C.の成因として機械的伸展の関与が示唆された。

  • 文献概要を表示

 中心窩を含んだ大きい脈絡膜新生血管をもつ老人性円板状黄斑変性症の治療は困難である。筆者らは,レーザー光凝固治療後に新生血管が拡大した例も含め,中心窩を含んで1乳頭径以上に大きく発育した新生血管をもつ老人性円板状黄斑変性症患者11例11眼を対象とし,主として色素レーザー黄色波長を用いて,中心小窩を除いた脈絡膜新生血管網全体に対して,比較的強いレーザー光凝固治療を行った。11眼中10眼が,光凝固後4か月以内に瘢痕化が得られ,眼底所見は改善した。視力が改善したのは1例のみであるが,視力が改善しなかった例でも,変視症の改善,自覚的中心暗点の縮小が得られ,良好な結果であった。病巣が中心窩を含んで大きく発育しても,中心小窩は残して病巣全体を強く光凝固すれば新生血管の消退,病巣の瘢痕化に有効であることが示された。

  • 文献概要を表示

 白内障手術後にメチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)による眼内炎症を起こした1症例を経験した。症例は89歳の女性で慢性涙嚢炎,糖尿病を合併していた。手術待機中に右眼に膨化白内障を認めたため,緊急に計画的嚢外摘出術と眼内レンズ移植術を行った。術後3日目に術創の角膜浸潤と前房蓄膿,豚脂様角膜裏面沈着物を伴う急性炎症を発症した。ただちに前房洗浄を行い,同時に採取した前房水を培養した結果,多剤耐性のMRSAが検出された。感受性のあるミノサイクリンの全身投与で炎症は改善した。この症例においてMRSAは,涙嚢から結膜を通じ,眼内感染を起こしたものと考えられた。

  • 文献概要を表示

 原田病での眼内病変で最も顕著な変化は後極部の漿液性網膜剥離であり,その診断には現在まで螢光眼底造影検査が有用とされてきた。筆者らは胞状網膜剥離を伴った原田病の2症例に対し超音波検査を施行した。Bモードでは後極部の不規則な漿液性網膜剥離,中間周辺部や最周辺部の胞状網膜剥離さらに脈絡膜の肥厚や剥離が鮮明に描出された。Aモードでは脈絡膜はびまん性に低から中等度の反射を示した。これらの超音波所見は原田病の診断や治療に対する経過観察に有用であると思われた。

  • 文献概要を表示

 85歳男性の下眼瞼に原発したメルケル細胞癌(Merkel cell carcinoma)の1例を経験した。腫瘍は充実性であり,表面は平滑で赤紫色を呈し血管拡張症に類似しており健常部皮膚との境界は比較的明瞭であった。病理組織学的に,腫瘍は真皮上層より皮下組織にかけて存在し表皮への浸潤は認めなかった。腫瘍細胞は比較的小型のほぼ均一な細胞で細胞質に乏しく,円形の核を有していた。また,多くの核分裂像が認められた。電顕的には,細胞質内に有芯顆粒が認められ,メルケル細胞癌と診断された。免疫組織化学的検索で,神経系と上皮系の両者への分化が示唆された。また,本腫瘍の下眼瞼発生の報告は,きわめて少なく稀であると思われた。

  • 文献概要を表示

 心因性視力障害の児童,生徒22名について,注視点の動きおよび図版の想起内容について視野障害の程度別に対照群と比較検討した。

 総移動距離の短縮,平均移動速度の低下,平均停留時間の延長傾向がみられたが,S字と公園との間で明らかな傾向の違いはみられなかった。

 注視点のばらつきは,公園で有意な低下がみられた。これは日常生活場面に近い状況では見落としが多い傾向を示し,外界に対する興味の低下が示唆された。

 想起については,患者群で有意に低く,特にS字よりも公園のようなより複雑な図版においてその傾向が強くみられた。これには積極的な準備状態の低下も関与しているのではないかと思われた。

  • 文献概要を表示

 小児の単独外転神経麻痺47症例の原因と管理について検討した。原因としては,炎症,腫瘍,および外傷が大半を占めていた。腫瘍では橋部膠腫が最も多く,障害側は両側,片側とも認められた。小児の外転神経麻痺症例をみた場合は,常に腫瘍を念頭において診断にあたることが重要である。

  • 文献概要を表示

 眼科の第一次検査,健康診断,人間ドックなどにおける視機能スクリーニングのために「標準色覚検査表第3部検診用」(略称SPP-3)を製作した。本表は第1・第2異常(いわゆる先天赤緑異常)と後天性の赤緑異常・青黄異常を検出し,確定診断への指針を与えるものである。

 822例に対する使用経験によると,第1・第2異常もごく軽いもの以外は本表で検出でき,後天異常との鑑別も可能である。したがって,本表は健康診断で現在行われている色覚検査に代わり得る。

 屈折異常や透光体の疾患では色覚異常が少なく,網膜以降の疾患では色覚異常が起こりやすいので,視力と色覚を併せて検査すれば簡便で効率のよい視機能スクリーニングができる。

  • 文献概要を表示

 角膜辺縁潰瘍にシクロスポリン点眼治療を行い,その有用性を検討した。対象患者の眼科基礎疾患や背景はSjögren症候群1例,Wegener肉芽腫症1例,基礎疾患不明で自己抗体陽性の2例,白内障術後1例,フリクテン性角膜炎4例の計9例であった。シクロスポリン内服液をオリーブ油で1.0〜2.5%に調整し1日4回4週〜6か月間点眼した。その結果8例で症状の改善が認められて有効であり,「しみる感じ」以外の副作用はなかった。シクロスポリン点眼は角膜辺縁潰瘍に有用であると考えられた。

  • 文献概要を表示

 euthyroid Graves' ophthalmopathy 9例および,ophthalmopathyを有するGraves' disease 13例に対してTSH receptor antibody(TRAb),thyroid stimulating antibody(TSAb)の2つのTSHレセプター抗体活性を測定し,euthyroid Graves' ophthalmopathyの診断に対するこれらの抗体活性測定の有用性について検討した。euthyroid Graves' ophthalmopathy 9例中,TRAbは2例のみ陽性でTSAbは全例陽性であった。Graves' disease 13例ではTRAbは11例で,TSAbは全例陽性であった。より高感度な検査であるTSAbの活性測定は,これまで確定診断が困難であったeuthyroid Graves' ophthalmopathyの診断の一助となるものと考えられる。

  • 文献概要を表示

 等尺性収縮記録法を用いてin vitroで老人の毛様体筋の機能を測定した。87歳女性で,両眼IOL移植術後2年の眼球から角膜移植術のため角膜を摘出した後,ただちに眼球をKrebs溶液に保存し,顕微鏡下で毛様体筋条片を作成し,その機械的性質を検討した。この毛様体筋はフィールド刺激によって収縮し,その収縮の大きさは刺激回数に応じて増大した。アトロピンはフィールド刺激による収縮反応を選択的に抑制した。外因性のカルバコールは濃度依存性にこの筋を収縮させたが,ノルアドレナリンはまったく影響がなかった。以上の結果より毛様体筋の機能は老人でも,またIOL挿入眼でも十分保たれていると考えられた。

  • 文献概要を表示

 隅角ルベオーシスを伴う増殖糖尿病網膜症18例24眼の硝子体手術症例を検討した。手術適応となった病態は,牽引性網膜剥離13眼,硝子体出血11眼であり,新生血管緑内障16眼,隅角ルベオーシス8眼を伴っていた。硝子体手術成績は良好で,最終網膜復位率は12眼中11眼(92.3%)であった。硝子体手術後の眼圧コントロールは10眼(41.7%)に対し,緑内障手術を必要とした。術後0.03以上の視力を得,かつ眼圧コントロール良好の症例は24眼中10眼(41.7%)であった。新生血管緑内障および隅角ルベオーシスを合併した増殖糖尿病網膜症に対しても,硝子体手術適応を考慮してもよいと考えられた。

  • 文献概要を表示

 糖尿病における角結膜知覚と涙液動態の関係を評価するために糖尿病群25名50眼および性,年齢の一致した正常群20名40眼を検討した。

 糖尿病群では正常群(角膜知覚;0.97±0.08g/mm2,結膜知覚4.77±1.63g/mm2)に比して角膜知覚(4.34±4.06g/mm2)および結膜知覚(10.13±5.13g/mm2)が有意に低下し(p<0.01),さらにシルマー値(5.29±4.61mm)と涙液クリアランス(8.0+13.6-5.0倍)も有意に低下していた(p<0.01)。涙液クリアランスは63.6%が8倍以下であった。

 角膜知覚値(r=-0.56)(p<0.01)および結膜知覚値(r=-0.65)(p<0.01)と涙液クリアランス値との間にそれぞれ相関が認められた。

 糖尿病患者における涙液動態は,角結膜知覚低下にともない涙液クリアランスが低下し角結膜障害をきたすことが考えられた。

  • 文献概要を表示

 Davisらの分類における前増殖糖尿病網膜症148眼を,3主要所見(軟性白斑,血管閉塞領域,静脈の数珠状拡張)の組み合わせにより3群に細分類し,前房フレア値を検討した.また対照として,単純網膜症59眼,増殖網膜症79眼との比較をあわせて行った。前増殖網膜症における前房フレア値は,軽症,中等症,重症の順に高くなり,それぞれの間に有意差を認めた。

 また,単純網膜症と前増殖網膜症・軽症,増殖網膜症と前増殖網膜症・重症との間には,前房フレア値に有意差はなかった。

 この結果から,前房フレア値の面からも筆者らの細分類の妥当性が示されたと考えた。

  • 文献概要を表示

 眼底疾患患者および眼底に異常を認めない者92例115眼を対象に,走査型レーザー検眼鏡(以下SLO)にて,インドシアニングリーン螢光眼底造影(以下IA)を行った。SLOによるIAでは,脈絡膜血管の造影早期の経過が,動脈相,動静脈相,静脈相として明瞭に把握できた。このことから,動脈と静脈の鑑別が可能で,脈絡膜血管構築にはかなりの個人差のあることがわかった。また,blockによる低螢光と,脈絡膜毛細血管の充盈欠損あるいは遅延による低螢光との鑑別や,脈絡膜血管からの漏出の観察が可能であった。SLOによるIAは,従来のIAでは得られなかった詳細な所見が得られ,脈絡膜血管の異常を検出するうえできわめて有用であると考えた。

  • 文献概要を表示

 過去78か月間に経験した内因性真菌性眼内炎38例66眼について統計的検索を行い,症例中,経静脈高栄養投与IVH装着者が87%であった。肝疾患患者における本症の増加もあり,今後の発症に注意を要すると思われた。硝子体手術時に用いる眼内灌流液にフルコナゾールを添加する場合,200μg/mlまでが安全濃度と思われた。IVH装着者の定期眼科検査を行い良好な効果を得たことから,IVH装着者のみならず,いわゆるimmuno-compromized hostの定期的眼科検査の重要性を痛感した。

  • 文献概要を表示

 網膜動脈閉塞症などの急性虚血性疾患5例5眼,糖尿病網膜症,網膜静脈閉塞症などに伴う黄斑浮腫9例13眼に対し,2絶対気圧,60分間の高気圧酸素療法(HBO)を1日1回,10回を目安として行った。急性虚血性疾患群では全例で視力が改善した。糖尿病性黄斑浮腫のHBO有効率は12.5%と低く,浮腫の持続期間がその一因と考えられた。有効例ではHBO 5回目には全例で改善がみられ,HBOへの反応により施行回数を決定する必要があり,HBO終了後の視力低下への対策が今後の課題である。

  • 文献概要を表示

 若年者の糖尿病網膜症で硝子体手術を行った症例について,その全身的な背景と術後の視力に影響を与える因子について検討した。対象は最近5年間に札幌医大病院で硝子体手術を施行した39歳以下の糖尿病網膜症患者26例34眼である。血糖コントロール不良例は81%,腎症合併例は69%と多く,高血圧の合併は38%であった。IDDMはNIDDMに比べて最終視力が良好であった。腎症が中等度以上ある群,経過中に透析治療を要した群,高血圧を合併していた群の最終視力は,そうでないものと比べてそれぞれ不良であった。神経症,貧血の有無および血糖コントロールの良・不良は,最終視力との相関がなかった。

  • 文献概要を表示

 未熟児網膜症に対するキセノン光凝固治療の視野に及ぼす影響を検討した。天理病院で長期観察した瘢痕期未熟児網膜症患者のうち,視野検査で信頼しうる結果の得られた8歳以上の症例,光凝固例58例104眼,自然治癒例8例11眼を対象とした。ゴールドマン視野計を用い,V/4イソプターについて15°ごとの各経線で全周の24方向について視野の範囲を計測し,瘢痕期と凝固範囲で区分した各群間で比較した。光凝固を受けたすべての群で鼻側の各経線で視野の範囲が低下し,全周凝固や2度瘢痕の群で著しかった。耳側の各経線の視野の範囲には,全周凝固の群においても,ほとんど変化は認められなかった。

  • 文献概要を表示

 格子状網膜光凝固を施行した糖尿病黄斑浮腫18例20眼を対象に,網膜中心部の感度変化について検討した。測定にはHumphrey Field Analyzer 620を使用し,白色および青色視標を用いて光凝固前後における中心窩感度およびプログラム10-2による中心10°視野の変動について検索した。凝固後3か月までの経過観察では,視力に関しては改善4眼(20%),不変13眼(65%),悪化3眼(15%)であった。中心窩感度は凝固後3か月において,白色視標で5.15dB (p<0.01),青色視標で2.05dB (P<0.05)の改善を認めた。また中心2°から10°の平均感度は,凝固後1か月において白色視標で2.41dB (P<0.01),青色視標で1.67dB (p<0.01)の感度低下が認められたが,凝固後3か月では有意な改善がみられた。

  • 文献概要を表示

 東京女子医大母子総合医療センターにおいて最近6年間に管理された低出生体重児のうち,未熟児網膜症がⅢ期以上に進行した症例について検討した。厚生省分類でⅢ初期となった40例とⅢ中期となった40例を2群に分けて検討してみると,ROPの進行中には出生体重,在胎週数,輸血回数,気管支肺異形成,高頻度人工換気装置の使用,ROP進行期の体重増加率が関与していると考えられた。人工換気日数,呼吸窮迫症候群,酸素投与期間とROPの進行の間には関係はみられなかった。

 瘢痕を生じた症例は80例中39例であったが,このうち視力に影響のあるⅡ度以上のものは20例であった。呼吸管理が向上してからは瘢痕Ⅱ度以上の症例は減少している。

  • 文献概要を表示

 涙膜破壊時間(BUT)は涙液減少症の検査法として用いられるが,BUTの測定にはフルオレセイン色素の添加(fluorescein-stained BUT)が必要である。近年フルオレセイン色素を必要としない非侵襲的検査(non-invasive BUT)も用いられるようになった。今回,涙液減少群45例45眼と涙液非減少群15例15限について,それぞれの値を測定し検討した。涙液減少群での平均値は3.6±0.3秒および3.8±0.3秒とほぼ同じ値であったが,涙液非減少群では6.9±1.0秒および14.8±1.0秒で両者の間には有意な差を認めた。以上の結果から,non-invasive BUTは涙液層の安定性を評価するうえで fluorescein-stained BUTよりも鋭敏な検査であると考えられた。

  • 文献概要を表示

 早期緑内障の色覚障害を検査表の照度を変化させることで検出しうるかを検討した。静的視野で中心窩閾値30dB以上,mean deviationの低下が-10dB以下,矯正視力0.7以上の早期緑内障100眼を対象とし,仮性同色表提示装置を用い標準色覚検査表第2部を提示した。装置内の照度は301ux, 1001ux, 1,0001uxと変化させた。静的視野はハンフリー視野計のプログラム30-2を使用した。緑内障眼では正常眼に比べて青黄異常が多く検出された。この傾向は照度が低いほど著明であった。照度1001uxで緑内障眼と正常眼との差が最も大きかった。照度を低下させることで早期から緑内障眼の色覚障害を検出しえた。

  • 文献概要を表示

 1971年から1987年の16年間に,病理組織学的に眼瞼癌と診断され放射線治療を行い,5年以上経過した30症例の予後を検討した。

 30例の病理診断は扁平上皮癌17例,基底細胞癌6例,脂腺癌6例,未分化癌1例であった。重複癌は6例であった。30例中28例に局所治癒がみられた。現在までの生在例は18例で,生存期間は平均9年8か月であった。死亡例は12例,眼瞼癌の全身転移による死亡例は2例で,いずれも放射線により眼瞼癌が治癒しなかった例である。8例は他因死,2例は死因不明である。再発例は4例あり,放射線照射後1年5か月から5年10か月で再発した。その後の手術または放射線追加により,局所治癒した。眼瞼癌の放射線治療は整容的に優れ,治癒が可能であるが,数年経過後の再発例があるため慎重な長期経過観察が必要である。

  • 文献概要を表示

 緑内障疾患は早期に青錐体系の障害をきたすことが知られている。筆者らの開発した色光刺激瞳孔反応測定装置を用いて緑内障疾患を検討し,緑内障7例14眼および緑内障疑い例5例9眼において,縮瞳率の分光感度の短波長側への偏位を緑内障例に7眼(50%),疑い例に4眼(44%)認めた。これらは視野あるいはC/D比の程度とは相関がなく,Panel D−15の変化と相関がみられた。また,縮瞳率の低下をすべての波長域刺激で認めたのは緑内障例4眼(28.6%)疑い例1眼(11.1%)で,そのうち緑内障3眼は進行例であった。460nm刺激のみあるいは580nm刺激のみで縮瞳率低下を認めたのはそれぞれ緑内障例1眼ずつで,これらの結果が緑内障で出現する可能性が得られた。

  • 文献概要を表示

 今回,筆者らは,9例の原因不明のぶどう膜炎患者の前房水を採取し,polymerase cchain reaction (PCR)法により,各ヘルペスウイルスの検出を試みた。9例中5例の前房水より,単純ヘルペスウイルス(HSV)特異的なウイルスゲノムが検出された。これらの5症例では,片眼性再発性の虹彩毛様体炎,中等度の眼圧上昇,角膜後面沈着物の出現が共通の所見として認められた。5例中3例では,経過中に,軽度の虹彩萎縮が出現してきた。また,アシクロビルを使用した症例では,いずれも速やかな反応が認められた。これらの5症例では,原因ウイルスとして,HSVの関与が強く示唆された。

  • 文献概要を表示

 眼合併症のない白内障眼から白内障手術時に採取した前房水についてヒト上皮増殖因子(EGF)を測定した。対象は16眼(平均年齢72.5歳)であった。検出にはエンザイムイムノアッセイ法を用いた。ヒトEGF標準品の回帰分析の結果,78.1〜625Pg/mlの範囲でEGF濃度と測定された吸光度が相関した。その結果,被験試料16眼中12眼(75%)でEGFが検出され,最低165Pg/mlから最高1,078Pg/mlであり,平均391.8pg/mlであった。眼合併症のない白内障眼の前房水よりEGFが検出されたことで,正常眼の房水中にもEGFが存在する可能性が示唆された。

  • 文献概要を表示

 眼・中枢神経系原発眼内悪性リンパ腫7例13眼を経験した。ステロイド抵抗性のぶどう膜炎として発症し,強い硝子体混濁,網膜下の滲出斑が特徴的であった。眼原発は5例で,3例は硝子体手術による生検にて,1例は脈絡膜生検にて診断された。他の1例は診断が遅れ,絶対緑内障で眼球摘出を行い診断が確定した。中枢神経系原発の2例は,脳神経外科で診断が確定した。4例に放射線療法を行い,3例は消炎したが,1例は軽快しなかった。眼原発の5例中3例が初診時から3年以内に頭蓋内あるいは全身性のリンパ腫を生じ,うち2例が死亡した。中枢神経系原発のうち1例も意識障害をきたしており,眼のぶどう膜炎は放射線治療で軽快したが,全身的には予後不良と思われた。

  • 文献概要を表示

 黄斑円孔の前段階病巣は切迫黄斑円孔とよばれ,黄斑円孔に進行するのを阻止するためには硝子体手術が必要である。今回,切迫黄斑円孔の2症例に予防的硝子体手術を行った。症例1は51歳女性で,右眼に黄斑円孔を認め,左眼の切迫黄斑円孔に対して硝子体手術を行った。術中に後部硝子体剥離を作成することができ,視力も術前(0.4)から術後(0.7)に改善した。症例2は54歳女性で,右眼は正常であったが,左眼の切迫黄斑円孔に対し硝子体手術を行った。術中に後部硝子体剥離を作成することはできなかったが,micro—hooked needleを用いて黄斑部の後部硝子体膜を離断することができ,視力は術前(0.3)から術後(1.0)に改善した。

  • 文献概要を表示

 緒言 近年,円錐角膜に対して,large sizeでflatなHCL (以下LHCL)を装用することにより,円錐角膜の進行を抑えることが可能となり,また,角膜形状が扁平化することがわかってきた1)

 今回,円錐角膜患者に,LHCLを装用させ,その前後で,photokeratoscope (以下PKS),カラーコードマップ,立体的角膜形状表示による解析を行い,これら3方法を比較,検討した。

  • 文献概要を表示

 緒言 理論疫学とは疾病の流行を構成変数の関数として数学的モデルで表し理論的に研究する疫学の方法である。急性出血性結膜炎(AHC)は,エンテロウイルス70やコクサッキーA24ウイルスなどによる発症が近年報告されている。本論文では筆者らが最近経験したAHCの眼科外来での院内感染とそれに連鎖した家族内感染の臨床経過から,AHCの伝播モデルを理論疫学的に解析した。

  • 文献概要を表示

 緒言 人種の違いによる疾患の違いはHLAの分布の違いや遺伝子の違いによるものが主なものと考えられるが,日本人にきわめて稀な疾患の場合,はたしてそれが外国でみられ報告されている疾患と同一のものであるかどうかを判定することは必ずしも容易ではない。Fuchs'dystrophyも白人の間ではしばしばみられる疾患であるが1),本邦での報告はきわめて稀で,今までに10例ほどの報告があるに過ぎない2)。筆者らは臨床的にも組織学的にもFuchs'dystrophyが最も近いと考えられる原発性の内皮変性の症例を経験したので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 全身的に早期老化現象を示すWerner症候群は,老人様顔貌・低身長・嗄声・若年性白内障・強皮症様皮膚変化・性腺機能低下を主症状とし,他に涙液減少症・調節障害・糖尿病網膜症・網膜色素変性症などの眼合併症を伴う。白内障術後には創部癒合不全・虹彩脱出・水庖性角膜症・緑内障などが報告されている。特に本症候群の角膜内皮には異常がみられ白内障術後平均4年で無水晶体性水庖性角膜症(以下ABK)に陥ると報告1)されている。本症候群にみられたABKに対して施行された全層角膜移植術の報告は,本邦では石ら2)の1例1眼,坪井ら3)の1例1眼,生野ら4)の1例1眼の計3例3眼,海外ではKremerら5)の2例2眼のみである。今回筆者らは水晶体嚢内摘出術(以下ICCE)後に生じたABKに対し全層角膜移植術(以下PKP)を施行した2例2眼を経験したので報告する。

Kearns-Sayre症候群の1例 岸 茂 , 和田 秀文
  • 文献概要を表示

 緒言 Kearns-Sayre症候群は1958年にKearnsとSayreによって初めて報告され1),1)外眼筋麻痺,2)網膜色素変性,3)心ブロック,を3主徴とする。その後,Shyらによって骨格筋ミトコンドリアの異常が明らかにされ2),現在,ミトコンドリア細胞症のひとつとして分類されている。今回筆者らは本症候群の1例を経験したので,若干の電気生理学的所見を加え報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 近年,本邦において医学的にも社会的にも近視に対する屈折矯正術が注目を集めている。今回は筆者らの施設において施行したエキシマレーザーによる近視矯正術(photorefractive keratectomy,以下PRK)の術後経過について報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 後房レンズ挿入術後の残存水晶体上皮細胞を起因とする合併症にフィブリン反応,眼内炎,嚢混濁などがある。特に嚢混濁は高頻度に出現し,視力低下の原因となる。また,近年術後の嚢混濁と残存水晶体上皮細胞との関係が報告されており1),これには,房水中にその存在が確認されているb-FGF (basic fibro—blast growth factor:塩基性線維芽細胞成長因子)やEGF (epidermal growth factor:上皮細胞成長因子)などの細胞成長因子の関与が示唆されている2)今回,細胞成長因子のひとつであるb-FGFに注目し,眼内レンズ挿入術後の前嚢下混濁部位におけるb-FGFリセプターの局在を免疫組織学的方法により検索した。

  • 文献概要を表示

 緒言 表層角膜移植は全層角膜移植と比較した場合に,光学的にやや劣り,術後の視力回復に時間を要することが欠点とされている1)。これは移植片と母角膜との接合部の不均一によると考えられており,より平滑なgraft bedを作製することができれば,表層角膜移植の適応の拡大を図ることができる。今回,粘弾性物質を用いて角膜実質を深層で分層する方法(vis—codelamination of the cornea)を考案し,本方法を用いたgraft bedの作製を実験的に試みたので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 未熟児の小児科的全身管理の進歩で,より未熟な新生児の生存率が高まり,重症の未熱児網膜症は再び増加の傾向にあるものと思われる。弱視や斜視の早期発見および早期治療の重要性は未熟児においても成熟児と同様,もしくはそれ以上である。今回筆者らは未熟児網膜症を含む未熟児について3歳児検診を行いretrospectiveに検討を加え,若干の知見を得たので,考察を加えて報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 Wegener肉芽腫症の診断に,抗好中球細胞質抗体(classic anti-neutrophil cytoplasmic antibody:以下c-ANCA)が有用といわれている1〜6)。今回,強膜炎で発症し,c-ANCAが高値で,Wegener肉芽腫症と思われた1例を経験したので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 視神経乳頭の形態学的変化の立体計測に関して,緑内障性陥凹については多くの報告があるが1,2),突出性の変化については直像鏡での観察によるジオプターでの表示が主体であり臨床経過を記載するうえで客観性に欠ける面があった。そこで今回,視神経乳頭の突出性病変についてデジタル画像処理システム(IMAGEnet®,Topcon)を用い,立体写真での立体計測を試みた。

  • 文献概要を表示

 緒言 アトピー性皮膚炎に合併する眼疾患として角結膜炎,円錐角膜,虹彩炎,白内障,網膜剥離などがあり,白内障は比較的よく知られているが,網膜剥離の合併は1937年Balyeat1)の報告以来,今までに調べたかぎりでは70数眼が報告されている程度である。今回,筆者らはアトピー性皮膚炎に白内障と網膜剥離を伴った1例を経験したので,報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 Waardenburg症候群は,neural crestの発生異常によるものと考えられており,内眼角側方偏位,色素異常,聾を3主徴とする疾患である。合併症として口蓋裂1),Hirschsprung病2),心房中隔欠損3)などが報告されているが,腫瘍の合併としては過去にosteosarcoma, histiocytosis4)が報告されてからその後報告はない。今回,筆者らは下垂体腫瘍を伴った症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 General fibrosis syndrome (以下GFS)は,外眼筋の先天性異常のうち,3筋あるいはそれ以上の外眼筋線維性変化があるものについてBrown1)が命名した疾患である。今回筆者らは母子3人のGFSの1家系を検査し,1例に過去に報告のないMRI検査上での所見と歯牙と口蓋部の奇形を認めたので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 筋緊張性ディストロフィーの主な特徴は,hatchet faceと形容される,特に顔面の筋萎縮と随意筋の萎縮,自律神経失調,知能低下,白内障および網膜機能低下を代表とする特異な眼症状がみられる。遺伝形式は,常染色体優性とされる。

 筋緊張性ディストロフィーの眼科的所見についてはわが国でも従来数編報告があるが,具体的な眼病変の経過については十分でないようである。今回,筆者らは筋緊張性ディストロフィー患者5症例を2年から7年にかけて,経過観察できたので,その結果について報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 Kearns-Sayre症候群は,外眼筋麻痺・網膜色素変性・心筋の異常を呈するミトコンドリア・ミオパチーである。筆者らは,角膜上皮浮腫と染色体異常を呈したKearns-Sayre症侯群の1例を経験したので報告する。

  • 文献概要を表示

緒言 Goldmann-Favre病は,(1)硝子体変性および網膜分離症を伴う網膜色素変性症様眼底

 (2)夜盲と消失型あるいは著しく障害されたERG

 (3)進行性の視機能障害

 (4)併発白内障

 (5)常染色体劣性遺伝

 などを特徴とする遺伝性網膜硝子体ジストロフィーである。

 今回筆者らは.両眼ともfoveal retinoschigisに無色素性網膜色素変性症の所見を呈した1例を経験したので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 ノリエ病は1927年Norrie1)により報告され,先天盲,両眼性の硝子体腔内白色塊,虹彩外反,浅前房,緑内障,網膜異形成像などがみられ,初期には小眼球はなく後に高度の両眼眼球萎縮に陥る疾患で,経過中時に難聴や精神症状の出現もある。X染色体劣性遺伝形式をとる稀なる疾患ではあるが,Warburg2)の詳細な研究以来約300例の報告がある。今回,緑内障および他眼の白色瞳孔,先天盲の生後8週男児とその母方伯父にノリエ病を経験したので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 Rieger症候群は,角膜,虹彩,隅角に異常がみられ,しばしば緑内障を合併する両眼性の常染色体優性遺伝疾患である1)。全身的には,顔面骨異常,歯牙欠損,感音性難聴,知能低下などがみられる。今回,典型的なRieger症候群の1例を経験し,その臨床像とともに手術より得られた組織所見について報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 Turner症候群は(1)低身長,(2)特異な体型,(3)奇形の合併,(4)二次性徴の欠如と原発性無月経を臨床像とする性染色体異常による症候群で,眼科的には眼瞼下垂,白内障,弱視,色覚異常などが報告されているが,緑内障を合併した報告は1例にすぎず1),筆者らが渉猟したかぎり組織学的検討は行われていない。

 今回筆者らはTurner症候群に合併した緑内障に手術を行う機会を得,その隅角組織を電子顕微鏡的に観察したので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 血管新生緑内障は糖尿病の眼合併症のうちでもきわめて重篤なもので,その対応に難渋することが多く,その臨床像,発症の背景を十分に検討しておく必要がある。今回,糖尿病患者での血管新生緑内障の発症状況治療,経過について特に増殖糖尿病網膜症(PDR)の有無について分類し,retrospectiveに検討を加えたので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 筆者は第7回日本眼内レンズ学会において後嚢を欠いた症例における毛様体扁平部よりの眼内レンズ(以下IOL)挿入および毛様溝縫着術についてその術式および経過を報告した。今回さらに硝子体手術時に前嚢を残した毛様体扁平部水晶体切除術(以下PPL)施行眼においても,IOL同時挿入術を毛様体扁平部より施行する機会を得たので,それらの症例をあわせ術式に検討を加え報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 超音波乳化吸引術により従来の嚢外摘出術(ECCE)に比べ,切開創は小さくてすみ眼内レンズ移植眼の術後視力は向上した。

 眼内レンズ移植の現在のトピックのひとつに,遠方と近方の両方を視ることができる多焦点眼内レンズの適応の問題がある1〜4)。概して多焦点眼内レンズは患者の満足感が得られている3,4)。Gimbel4)らは視力や患者の満足度について考察しているが,しかし遠方および近方の裸眼視力が角膜乱視や全乱視によっていかなる影響を受けるかを詳細に調べた報告は国の内外を問わず,まだあまりないようである。

  • 文献概要を表示

 緒言 uveitis-glaucoma-hyphema (以下UGH)症候群は開発期の隅角支持型前房レンズ移植にみられる合併症である1,2)。ハプテックによる隅角への刺激により,ぶどう膜炎,再発性前房出血および緑内障を引き起こすものであるが,近年はレンズの材質やデザインの改良により,ほとんどみられなくなった3)。好運にも,わが国では開発期の前房レンズ移植は普及しなかったので,これまでにUGH症候群の報告はないようである。

 最近,筆者らは前房レンズ移植によるUGH症候群で,しかも重篤な経過をたどった1例を経験したので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 白内障手術終了時のステロイド剤の結膜下注射は広く受け入れられているが,これが術後の血液房水柵破綻の抑制にどのくらいの効果を有するかはよく知られていない。また最近,drug delivery systemとしてコラーゲンシールドが注目を集めており,薬剤によっては結膜下注射以上の眼内移行が期待されている1〜3)。今回筆者らは,白内障手術終了時に結膜下注射またはコラーゲンシールドによるステロイド剤の局所投与を行い,その術後早期の血液房水柵の破綻抑制効果を,レーザーフレアセルメーターを用いて定量的に検討した。

  • 文献概要を表示

 緒言 近年,超音波水晶体乳化吸引術の発展,安全性の確立から自己閉鎖創無縫合白内障手術が行われるようになり,良好な臨床成績が報告されている1)。しかし術後早期における切開創の強度についてはいまだ不安が残ると考える者もいる。また,創口からの眼内感染の報告もある2)。今回筆者らは,眼内毒性試験ならびに病理組織学的検索,および創口の引っ張り強さ試験での基礎実験3,4)において,その安全性,有効性が認められた生理的組織接着剤(ベリプラスト®P,ベーリングベルケ社製)を自己閉鎖創無縫合白内障手術の切開創に使用し,その術後臨床経過を未使用群と比較検討し若干の知見を得たのでここに報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 筆者らは,後部硝子体膜症候群1,2)において2段階以上の視力低下があり,その自覚のあるもの,あるいは変視症を自覚するものを手術適応とし3,4),硝子体手術を行ってきた。

 また術前の視力の良好なほど術後の視力がよい5)ことから,積極的に硝子体手術を行ってきた。

  • 文献概要を表示

 緒言 飛入した鉄片が眼内に長期間放置されると眼球鉄錆症により様々な合併症をきたし,予後不良の経過をみる1,2)

 今回筆者らは,自覚症状に乏しく2年間放置されていた症例に対し異物摘出術時に硝子体液を摂取し,眼球鉄錆症による硝子体の生化学的変化3)をイオンクロマトグラフにて濃度分析を行った。また網膜の病理学的変化4)を光顕(HE・ベルリン青染色)および電顕的組織検索を試みたので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 網膜動脈閉塞症は動脈硬化,心疾患に伴う栓塞や血栓により発症することがほとんどで,若年者にみられることは稀である。若年者に発症する場合は,SLEその他の基礎疾患をもち視力予後不良例が大多数である。今回筆者らは,若年者にみられ,基礎疾患が不明ながらも視力予後がきわめて良好であった2症例を経験したので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 筆者らは1),これまで正常者とともに中心性漿液性脈絡網膜症,糖尿病網膜症などの代表的な網膜視神経疾患に対し,点滅青色背景光上の同色の閾値—刺激強度曲線の測定を行い,本法が青錐体機能の評価に有用であることを報告した。今回は,さらに糖尿病者で得られる閾値曲線のパターンが網膜症の進行程度とどのような関係があるか知るために,単純性,前増殖性の糖尿病網膜症例について同様の閾値測定を行い,正常者の結果もふまえ比較検討を行ったので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 糖尿病網膜症において,中心窩領域に網膜新生血管を認めることはきわめて稀とされており,1982年にFinkelsteinら1)が3例6眼を報告して以来14例18眼が報告されているにすぎない2〜5)。今回筆者らは本症の3例4眼を経験したので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 網膜色素上皮裂孔は,1981年にHoskinら1)に報告されて以来,数々の症例報告や病因の検討がされてきている。そのなかで,網膜色素上皮裂孔部の経時的な変化についての報告は少ない。今回筆者らは,胞状網膜剥離に合併した網膜色素上皮裂孔を経験し,10か月以上にわたって色素上皮裂孔部を含めた視機能の改善を観察することができた。裂孔が中心窩を含まない症例のため中心視力が比較的保たれ,固視が良好で,自動視野計による信頼性の高い閾値測定が可能であり,他の諸検査でも,興味深い知見を得ることができた。

  • 文献概要を表示

 緒言 網膜色素変性症に併発した白内障の手術時期に関しては,視力回復の可能性,術後の差明増大,術後視野の悪化などの問題があり,一定した見解は得られていない。今回,本症に併発した白内障に手術を行った症例について,術前後の視機能の変化をretrospec—tiveに調査し,自覚症状の変化についてはアンケート調査を行った結果をもとに検討したので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 未熟児網膜症(retinopathy of prematurity,ROP)の発症には,児の未熟性に加え,さらに多くの因子が複雑に関与していると考えられる1)。多胎児は単胎児と比較して子宮内発育不全や早産などの周産期の危険因子が多く2),これらがROPの発症,進行に及ぼす影響を調べることは意義があると考える。今回,低出生体重児として出生した単胎児と多胎児とでROPの発症率と進行の差を検討し,さらに,双胎児相互間でも同様の検討を行った。

  • 文献概要を表示

 緒言 近年,高齢化社会を迎え,医療の進歩にもかかわらず,中途失明者の増加が問題になってきている1,2)。今回,その実態を把握する目的で,大阪医科大学眼科における1991年度の実態調査を行ったので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 近年AIDS患者の増加に伴い,その眼合併症としてサイトメガロウイルス(CMV)網膜炎の存在が注目されてきている1,2)。また,免疫抑制剤や抗癌剤などの使用により,医原性に免疫不全状態が作られる結果として,日和見感染が増加しており,そのひとつとして本症は今後増加していくと思われる。しかしその治療は,全身管理を含め容易ではない。今回,悪性リンパ腫に合併した49歳の症例を経験し,硝子体手術の時期を含め今後の治療方針につき若干の考察を加えたので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 1983年Haimannら1)は増殖性糖尿病網膜症の硝子体手術時に,眼内灌流液オキシグルタチオン(BSS plus®)を用いたグループ10例とオキシグルタチオン(BSS plus®)に400mg/dlのぶどう糖を添加したグループ10例を比較し,ぶどう糖を添加することによって水晶体混濁を予防できると報告している。今回筆者らはこれらを追試する目的で,本症の硝子体手術時にオキシグルタチオン(BSS plus®)を使用し術中術後の水晶体を観察した結果を,若干の考察を交え報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 内因性真菌性眼内炎は,中心静脈高カロリー輸液(IVH)や抗生物質,抗癌剤の大量投与などを基盤に生じることが多く,近年増加傾向にある。本症に対する治療は,薬物治療すなわち抗真菌剤の全身投与が中心となるが,最近は,多数の有効例の報告1〜3)から,積極的に硝子体手術が行われるようになってきた。今回筆者らは,慶大眼科における内因性真菌性眼内炎に対する硝子体手術成績と視力予後を検討したので報告する。

  • 文献概要を表示

 緒言 老人性白内障はその進行の程度により,おのおのに分類されているが,今回筆者らはその最終形態であるモルガニー白内障がさらに放置された結果,皮質がほとんど融解・消失し,いわゆる後天性膜白内障を呈したと思われる症例を経験したので報告する。

連載 眼の組織・病理アトラス・79

クリプトコックス症 猪俣 孟
  • 文献概要を表示

 クリプトコックス症 cryptococcosis はcryptococcus neoformans によって起こる真菌症である。crytococcus neoformans は世界中に広く分布している一種の土壌真菌で,鳥類とくに鳩の糞や滅菌されていない牛乳にも存在する。菌は球形で,ムコ多糖の厚い莢膜をもつ。発芽して増殖し,培地では粘稠なクリーム状の集落を形成する。

 生体への侵入門戸は主に肺で,まれに皮膚や粘膜にも原発巣が発生する。皮膚に小さな隆起性病巣torulus (L)を形成するので,古くはクリプトコックス症は torulosis と呼ばれていた。cryptococcus neoformans の旧名をtorula cap—sulatus あるいはtorula histolyticaともいう。近年,クリプトコックス症がエイズ患者の日和見感染の1つとして高頻度にみられるようになり,注目されている。

  • 文献概要を表示

緒言

 レーベル病は主に若年者に急性視神経炎の病像で発症し,高度の視力障害をきたし,視神経萎縮となる重篤な遺伝性視神経疾患である1)。遺伝形式は,Lossen法則,北島の法則を満たすことから細胞質遺伝の関与が示唆されていた2)。近年レーベル病患者のミトコンドリアDNA (mtDNA)の塩基配列に点変異があることが見いだされた3)。今回筆者らは,家族歴が明瞭でなく,診断が困難であった症例にmtDNAの解析を行い,確定診断に至った症例を経験した。

連載 今月の話題

  • 文献概要を表示

はじめに

 空気灌流下硝子体手術1)により術中に剥離網膜を復位させることが可能となり,眼内光凝固装置の普及と相まって,近年の硝子体手術の手術成績は飛躍的に向上している。しかし,空気は眼内液よりも軽いため,この方法では網膜の復位は周辺部からはじまり,順次後極部に向かっていく。したがって,周辺部裂孔のみを有する症例では,網膜下液を吸引するために後極部に意図的裂孔を作成する必要がある。また巨大裂孔網膜剥離では仰臥位での眼内液空気同時置換術で翻転した網膜を十分に伸展させることは困難である。

 1987年,Changは巨大裂孔網膜剥離と増殖性硝子体網膜症(以下PVR)に対する硝子体手術時に液体パーフルオロカーボン(liquid perfluorocar—bon,以下 LPFC)の一種である perfluorotri—butylamineとperfluorodecalinを使用し,硝子体手術の補助手段としての有用性を報告した2)。LPFCの比重は水よりも大きいため,硝子体切除後の眼内に注入すると剥離網膜は後極部から周辺部に向かって復位していく。また水晶体や眼内レンズの比重よりも大きいので,LPFCを硝子体腔内に注入することにより硝子体腔内に脱臼した水晶体や眼内レンズを浮上させることもできる。これらの性質を利用して LPFC は種々の網膜剥離3〜10)や脱臼眼内レンズ11〜14),脱臼水晶体15〜18)の治療などに応用され,本邦でも新しい手術材料として注目されてきている。本稿ではLPFCの特性と現時点での手術適応およびその問題点につき触れてみたい。

連載 目でみるCT・MRI眼科学・10

  • 文献概要を表示

 頭蓋底・後頭蓋窩には脳幹,小脳,海綿静脈洞が存在し,これらの陣害は眼球運動・眼位・瞳孔をはじめ眼科に関係した重要な症候を呈す。また眼窩周囲には副鼻腔が存在し,副鼻腔疾患ではしばしば眼症状が合併する。CTでは骨ウインドウにより骨折や骨自体の変化は把握できるが,一般に骨のアーチファクトが強いため病変はとらえ難い。この点,MRIでは骨のアーチファクトはなく,コントラスト分解能に優れ,任意の断面が得られるので頭蓋底・後頭蓋窩・副鼻腔疾患の診断には最適である。

連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・53

  • 文献概要を表示

 大きな弁状裂孔あるいは多発裂孔による網膜剥離では,冷凍凝固の効果を適切な位置に出すのが難しい。凝固が広範に,また過剰になりやすく,プローブによる圧迫と解除の繰り返しによる色素上皮散布の危険が高くなる。裂孔位置の同定もまた困難である。特に硝子体虚脱による牽引の強い上方胞状剥離は,これらの操作以外にも技術的に難しい点があり,術後増殖性硝子体網膜症の頻度も高い。裂孔が深部にありバックルにより渦静脈圧迫が必至と考える場合には,硝子体手術による内側からのアプローチがよい。これについてはすでに本シリーズの初めに述べられている。中等度以上の大きさの弁状裂孔による上方胞状剥離にバックルで対処する場合,筆者らは以下のような手順を基本とする。

眼科の控室

隅角検査/青
  • 文献概要を表示

 隅角検査は緑内障の場合だけとは限りません。ぶどう膜炎や外傷め既往がある際には不可欠な検査ですし,糖尿病網膜症や網膜中心静脈閉塞症でもこれを実施していただきたいのです。ぶどう膜炎ならば,どのような型の炎症なのかがこれで判定できることがよくあるし,糖尿病網膜症などでは隅角のルベオーシスが現在ある場合にはもちろん,過去にこれがあったかどうかも判断できるからです。

 隅角検査には隅角鏡が必要です。できれば,ゴールドマンの一面鏡よりも三面鏡の方を使うようにして欲しいのです。一面鏡は,隅角がいちじるしく狭いときだけに限ることとし,線維柱帯などの詳細な所見は三面鏡で見てください。一面鏡は,虹彩面に対して62°の角度がついています。三面鏡の方は,中央のゼロミラーを1としますと,2が73°,3が66°,そして4が59°になっています。この第4面の59°のを隅角用に使いますと,光軸が一面鏡の場合よりも虹彩面に平行に近くなり,線維柱帯を真正面から見る感じになるからです。

  • 文献概要を表示

 14歳男性の左眼角膜輪部デルモイドに対して施行した表層角膜移植術後の角膜形状変化を形状解析装置(PKA)を用いて検討した。術式は,強角膜の一部を含むデルモイドを切除し,移植片を10-0ナイロン糸で12針端々縫合した。術後6か月までの視力と角膜乱視,角膜の形状変化をケラトメーターとPKAを用いて測定した。術直後の角膜形状は移植片を含む経線の方向に強くsteep化し,+15Dの乱視を生じ,裸眼視力は低下した。その後強主経線方向の角膜は急激にflat化し,術後1か月目には角膜曲率は平均化し,角膜乱視はほぼ消失した。表層角膜移植術直後に生じた角膜乱視は,術後早期に回復し,その後の角膜乱視に影響しなかった。

  • 文献概要を表示

 エアバッグにより強打されて引き起こされたと考えられた眼外傷を報告した。症例は24歳男性で,シートベルト無着用の状態でエアバッグに右側顔面,眼部を強打し,網膜振盪症,前房出血などの眼所見を呈した。眼傷害を予防するため,エアバッグ自体の危険性,安全基準の検討が肝要かと思われる。また交通事故でエアバッグが開いた症例には,眼科医は眼傷害の存在を考えて,眼科的検査を行うことが重要であると考える。

  • 文献概要を表示

 ぶどう膜炎とともに発症し色素性傍静脈網脈絡膜萎縮が進行し,inflammatory pigmented paravenous retinochoroidal atrophy (IPPRA)として報告した症例を,3年間経過観察し長期経過を検討した。眼底検査では,網膜静脈に沿う特微的な約1乳頭径の網膜色素上皮の変性萎縮が連続し進展していた。両眼とも変性部の色素沈着が増強,後極部の網膜色素上皮が粗糲化し,左黄斑部には色素上皮の増殖と考えられる所見があった。螢光眼底撮影では,ほぼすべての静脈に沿い約1乳頭径の幅で,網膜色素上皮の萎縮に起因すると考えられる過螢光像が示された。左眼では乳頭周囲および黄斑部を中心とした後極部に過螢光と低螢光がモザイク状に交錯する像が示された。3年の経過で視力,視野およびERGの検査所見はすべて悪化した。

  • 文献概要を表示

 低眼圧緑内障の治療に指針を得る目的で,原発開放隅角緑内障における線維柱帯切除術で術後どの程度の低眼圧になるかをretrospectiveに検討した。開放隅角緑内障眼に対する第1回目の線維柱帯切除術では,5-fluorouracil (5-FU)を術後使用した場合,眼圧が12mmHg以下にコントロールされる率は,5年で49.5±7.8%(SE)であった。しかし同10mmHg以下にコントロールされる率は1年でOであり,長期眼圧調整の実際上の下眼は11mmHgと考えられた。低眼圧緑内障眼では眼圧下降薬点眼歴がより短く,結膜の変化がより軽度であると推測されるので,開放隅角緑内障眼に比べて,少なくとも同等かそれ以上の眼圧コントロール率が得られると考えられた。

  • 文献概要を表示

 裂孔原性網膜剥離に対し手術を施行した213眼について,網膜下液吸収に要した期間と吸収遅延の原因について検討した。213眼中23眼(10.8%)において,手術後網膜下液がすべて吸収されるのに4週間以上を要した。網膜下液吸収遅延には,術前の網膜下沈着物と色素の有無,手術時網膜下液排出が完全に行えたか否かが関係しており,裂孔の種類,デマルケーションラインの有無,手術回数に関係はなかった。また,年齢,屈折度,水晶体の有無,網膜剥離の範囲にも関係はなかった。網膜下沈着物の有無は網膜下液吸収に大きな関係があり,術式の選択や再手術施行の決定のさいに参考とする要因の1つであると考えた。

  • 文献概要を表示

 11番染色体長腕部分欠失症候群に家族性滲出性硝子体網膜症に類似した網膜血管の発育異常がみられた1例を報告した。

 症例は6か月の女児。精神運動発達遅滞,両眼開離症,内眼角贅皮,逆蒙古様瞼裂,眼瞼下垂,鞍鼻,鯉様の口,耳介変形,外斜視,外反扁平足があった。染色体は46,XX,del (11)(q23.3),すなわち11番染色体長腕部分欠失症候群であった。

  • 文献概要を表示

 不安定な視力の低下を主訴に眼科を受診し,うっ血乳頭を発見後,脳神経外科および脳神経内科などにての検査にもかかわらず原因病変の発見に2年以上を要した脳動静脈奇形による仮性脳腫瘍の59歳女性の視神経は萎縮し,視力は光覚のみと低下した。本症例は頭痛などの訴えは軽く,視力不良の訴えで眼科を受診した。画像診断の発達に伴い,現在,脳圧測定は日常的には施行されない傾向にある。うっ血乳頭を呈した症例が,画像診断にて原因が不明な場合,脳圧測定が重要であることを示唆する1例であった。

  • 文献概要を表示

 後部硝子体膜による網膜接線方向の牽引力が原因と考えられる両眼性の糖尿病性黄斑症に対して,片眼のみに硝子体手術を行い,術後の黄斑症改善の過程を非手術眼と比較した。1例は片眼に裂孔原性網膜剥離,他の例は片眼に硝子体出血をきたしたために硝子体手術を行った。術中所見では,黄斑部網膜に肥厚した後部硝子体膜が癒着しており,後極部から周辺部に向かって人工的後部硝子体剥離を作成した。手術眼では,術後黄斑浮腫および網膜下滲出物は徐々に減少し矯正視力は改善したが,非手術眼では黄斑症の改善がみられなかった。螢光眼底検査では,手術眼は非手術眼に比較して明らかな螢光漏出の減少をみた。後部硝子体膜による網膜接線方向の牽引が黄斑浮腫の原因と考えられる症例では,硝子体手術により黄斑直上の硝子体を除去することで黄斑症の改善する可能性が示唆された。

Group discussion

  • 文献概要を表示

 冒頭,“光凝固の表と裏”と題して,清水弘一教授(群馬大)の基調講演が行われた。要旨は,光凝固の適応について,建前論のみでなくその本音の部分について言及した。

 従来,光凝固の適応としてあげられている疾患のうち,網膜剥離については,その前段階とも考えられる網膜周辺部および赤道部変性について考えると,格子状変性は予防的光凝固の対象となる。赤道部変性では,裂孔があって著明な剥離のない場合は光凝固の対象となる。しかし,赤道部変性を認めるもののすべてに光凝固を行うべきか否かは問題がある。網膜剥離の発生頻度は1/15,000人で,その1/3くらいの症例に赤道部変性がみられる。眼底検査で硝子体の状態をよく観察して適応を決定すべきである。また,他眼に網膜剥離を生じ,健眼に変性を認める場合などがその適応であろう。

画像診断 菅田 安男
  • 文献概要を表示

 例年になく演題,参加者が多く,討論も活発で,大幅な時間延長も足りないくらいであった。先の第14回国際眼科超音波診断学会でもCT, MR,超音波の診断学上の分担や評価を言い当てた講演,radio-frequency signalの利用,高周波断層法,Dopplerによる甲状腺眼症の評価などの発表があり画像診断の新しい潮流が感じられた。世話人会では長年懸案となっていたGDの性格をはっきりさせるため,より一般的な「研究会」(英訳は仮にstudy group)という呼称を用いることに決まった。

基本情報

03705579.47.5.jpg
臨床眼科
47巻5号 (1993年5月)
電子版ISSN:1882-1308 印刷版ISSN:0370-5579 医学書院

文献閲覧数ランキング(
4月12日~4月18日
)