連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・53
胞状網膜剥離に対する対応法(2)
樋田 哲夫
1
1杏林大学眼科学教室
pp.1170-1171
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908686
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大きな弁状裂孔あるいは多発裂孔による網膜剥離では,冷凍凝固の効果を適切な位置に出すのが難しい。凝固が広範に,また過剰になりやすく,プローブによる圧迫と解除の繰り返しによる色素上皮散布の危険が高くなる。裂孔位置の同定もまた困難である。特に硝子体虚脱による牽引の強い上方胞状剥離は,これらの操作以外にも技術的に難しい点があり,術後増殖性硝子体網膜症の頻度も高い。裂孔が深部にありバックルにより渦静脈圧迫が必至と考える場合には,硝子体手術による内側からのアプローチがよい。これについてはすでに本シリーズの初めに述べられている。中等度以上の大きさの弁状裂孔による上方胞状剥離にバックルで対処する場合,筆者らは以下のような手順を基本とする。
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