臨床眼科 61巻7号 (2007年7月)

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(5)

原著

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要約 目的:トーショナル水晶体乳化吸引(PEA)による首振りの回転動作を用いた極小切開白内障手術の検討。対象と方法:OZil®を用いてトーショナルPEAを行った極小切開白内障43眼を対象とした。PEAの設定を変え,累積使用エネルギーの変化を検討した。結果:核をはじくことなく,硬い核も効率的に破砕できた。手術侵襲が小さいとされる従来よりボトル高,吸引圧,吸引流量を下げた設定でも,問題なく手術が行えたが,累積使用エネルギーが増加した。結論:トーショナルPEAでは,核をはじくことなく効率よく核の処理が行え,より手術侵襲が小さい安全な極小切開白内障手術が行える可能性がある。

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要約 目的:インターフェロン投与を受けた慢性C型肝炎患者での網膜症の発症頻度と背景因子の報告。対象:過去5年間にインターフェロン投与を受けた慢性C型肝炎患者106名を検索した。男性58例,女性48例であり,年齢は21~73歳(平均54歳)であった。結果:52名(49%)に網膜症があった。29名では両眼,23名では片眼に発症した。33名(63%)では投与開始から8週以内に発症し,28名(54%)では発症から8週以内に消失した。55歳以上では59%に発症し,55歳未満と有意差があった(p=0.017)。網膜症の発症は,C型肝炎ウイルスの遺伝子型,RNA量,インターフェロンの種類,リバビリン併用の有無,血液所見,高血圧,糖尿病の既往には有意差がなかった。結論:55歳以上の高齢者は,インターフェロン網膜症を発症する危険度が高い。

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要約 目的:術前の結膜囊培養と薬剤感受性検査から術後の抗菌薬を選択する報告。対象と方法:過去8年間に内眼手術を行った4,066眼について,術前に結膜囊培養検査を行い,その結果から術後の抗菌薬を選択した。結果:2,830眼(69.6%)に3,517株の菌が検出された。内訳は,Staph. epidermidis 59.4%,Staph. aureus 5.7%,Enterococcus faecalis 3.3%,methicillin-resistant Staph. aureus(MRSA)0.9%であった。Staph. epidermidisStaph. aureusにはセファゾリンナトリウムがそれぞれ98.6%と100%の感受性を示した。Enterococcus faecalisにはレボフロキサシンが58.8%,MRSAにはクロラムフェニコールが88.9%の感受性があった。全症例で術後の眼内炎は皆無であった。結論:術後の抗菌薬を選択する指標として,術前の結膜囊の常在菌培養は有用である。

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要約 目的:増殖糖尿病網膜症に関連した血管新生緑内障の手術後の長期成績の報告。対象と方法:糖尿病網膜症に続発した血管新生緑内障26眼と,増殖糖尿病網膜症に硝子体手術を行った後に発症した血管新生緑内障13眼の計32例39眼を対象とした。年齢は25~72歳(平均53歳)である。汎網膜光凝固のみでルベオーシスが消退し,眼圧が正常化した例は除外した。治療は硝子体手術と毛様体扁平部濾過手術または線維柱帯切除術を併用した。結果:最終手術から9か月ないし10年6か月(平均4年4か月)の経過観察で,34眼(87%)は視機能を維持し,5眼(13%)は視力零になった。最終眼圧は21mmHg未満が30眼(77%),21mmHg以上が9眼(23%)であった。結論:血管新生緑内障でも手術を含む適切な治療により,長期にわたって視機能を維持できることがある。

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要約 目的:同名半盲と半側空間無視を鑑別する際での対座法の有用性の報告。症例:同名半盲として紹介された55歳と79歳の男性。1例には脳出血,他の1例には脳梗塞の既往があった。結果:1例にはGoldmann視野検査,他の1例にはHumphrey自動視野検査で左同名半盲があった。2例とも正面視での対座法による視野検査では左同名半盲があったが,身体を正面位にして右方視した状態では半盲はなかった。精神神経学的な異常と合わせ,半側空間無視と診断した。結論:動的静的視野検査では同名半盲と半側空間無視の鑑別が困難であり,対座法が有用である。

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要約 目的:VISX STAR S4®によるwavefront LASIK(以下,W群)とLASIK(以下,L群)の臨床比較と,虹彩紋理認証システムによる回旋補正を報告する。対象と方法:W群426眼とL群210眼,術前等価球面値が-6D以上のW群163眼とL群212眼。術前乱視-2D以上のW群で回旋補正あり36眼となし32眼。unpaired t検定 で検定。結果:W群は有意に裸眼視力,矯正視力,安全性,有効性が高く,高次収差の増加量が少なかった。-6D以上では術後6か月の裸眼視力,矯正視力,高次収差に術式間で有意差はなかった。回旋補正の有無で術後乱視,裸眼視力,有効性に有意差がみられた。結論:VISX STAR S4®による屈折矯正手術は回旋補正ありwavefront照射が好ましいが,矯正量には限界がある。

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要約 目的:ぶどう膜炎で発症し,メトトレキサートの大量療法が奏効した眼・中枢神経系原発の悪性リンパ腫の症例報告。症例と経過:56歳女性が右眼の視力低下で受診した。矯正視力は右0.03で,眼底の後極部と鼻側に網膜下黄白色滲出斑があった。プレドニゾロンの内服でいったんは改善したが,網膜周辺部に出血と血管炎を伴う滲出斑が1か月後に出現した。画像診断で頭蓋内に結節性病変が多発していた。硝子体生検では陰性,脳病変の生検で悪性リンパ腫と診断された。メトトレキサートの大量全身療法と髄腔内注入を行い,眼と頭蓋内病変は改善し,最終視力0.04を得た。残存する頭蓋内病変には放射線療法を追加した。結論:本症例では眼・中枢神経系の悪性リンパ腫にメトトレキサートの大量全身療法と髄腔内注入が奏効した。

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要約 目的:生後1か月以内に遺伝性網膜芽細胞腫が発見され,両眼に多発化した2症例の報告。症例:生後5日の女児には片眼の1か所,生後1か月の男児には両眼の5か所に網膜芽細胞腫が発見された。両者とも父親が網膜芽細胞腫であった。すぐに光凝固を行い,腫瘍が瘢痕化したが,両症例とも腫瘍が両眼に多発した。光凝固と冷凍凝固を繰り返したが,腫瘍が多発する傾向が続き,化学療法を行った。両症例とも生後1年以降は腫瘍の発生または再発はない。結論:遺伝性網膜芽細胞腫が早期に発症した症例では,腫瘍の発生と再発に十分な注意が必要である。

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要約 目的:20歳前後での上方視神経低形成(superior segmental optic hypoplasia)の有病率の推定。対象と方法:大学生140名280眼を対象とした。年齢は19~25歳(平均20.6歳)であった。ゴールドマン視野検査で下方に楔状の視野欠損があり,これに対応する部位の乳頭のリム幅が狭小化し,網膜神経線維層が菲薄化しているものを上方視神経低形成と判定した。結果:上方視神経低形成は6名(4.3%)の7眼にあった。結論:本研究において20歳前後での上方視神経低形成の推定有病率は4.3%であった。この事実は上方視神経低形成と正常眼圧緑内障との鑑別の重要性を示している。

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要約 目的:両眼の急性前部ぶどう膜炎と眼窩炎性偽腫瘍が発症した全身性エリテマトーデスの症例報告。症例:39歳女性に肺炎が発症し,その2週後に眼痛と視力障害が両眼に生じた。矯正視力は右0.07,左0.08で,眼圧は左右とも42mmHgであった。両眼に強い結膜浮腫と眼球突出があり,前房は消失していた。前房形成後も強い前部ぶどう膜炎があった。磁気共鳴画像検査(MRI)で球後に強い炎症を伴った陰影があり,眼窩炎性偽腫瘍と推定された。副腎皮質ステロイド薬の内服で,約3か月で全身と眼所見は軽快した。経過中に行った諸検査で,全身性エリテマトーデスの診断が確定した。結論:原因不明の前部ぶどう膜炎や眼窩炎性偽腫瘍には,その原因として全身性エリテマトーデスが関係することがある。

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要約 目的:網膜色素変性の診療での心理的援助の現状と課題についての医師側と患者側からの検討。対象と方法:順天堂大学眼科同窓会の医師298名と,網膜色素変性の患者5名を対象とした。医師には郵送によるアンケート,患者には面接を行った。結果:医師122名(41%)から回答が得られ,その7割が医学的知識が不十分であること,3割が心理的福祉的援助が不十分であると感じていた。患者には共通した心理過程があり,特に継続的な医師との関係を望んでいた。結論:医師側の認識とはやや異なり,網膜色素変性の患者は医師とのコミュニケーションを心理的援助として求めている。

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要約 目的:クリニカルパスを紙カルテ版から電子カルテ版に移行する前後で,入院手術患者の在院日数と医療費に起こった変化の報告。対象と方法:大学病院眼科で1年間にクリニカルパスを使って入院し,手術を受けた215例を対象とした。前半の6か月間は紙カルテ版,後半の6か月間は電子カルテ版を使用した。クリニカルパスは7種類を用い,片眼と両眼の白内障手術,線維柱帯切除術,網膜剝離手術,網膜剝離硝子体手術,糖尿病網膜症への硝子体手術,その他の硝子体手術である。再手術,全身疾患などでクリニカルパスの使用を中断した症例は対象から除外した。結果:在院日数は,緑内障手術と網膜剝離バックル手術で電子パスのほうが有意に長かったが,他の手術では有意差がなかった。医療費については,全手術について紙パスと電子パスとの間に有意差がなかった。結論:クリニカルパスを紙カルテ版から電子カルテ版に移行しても,眼科医療の経済に変化がなかった。

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要約 目的:加齢黄斑変性に合併した多量の網膜下出血に対し,角膜切開創からの出血除去を併用した二段階硝子体手術の報告。症例:73歳男性に左眼の視野欠損が突発した。左眼は9年前に加齢黄斑変性と診断され,光凝固を受けている。所見と経過:矯正視力は右1.2,左0.01であり,左眼には硝子体出血があり,眼底は透見不能であった。超音波検査で黄斑から下方に出血性網膜剝離があった。超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術,硝子体手術を行い,硝子体出血を除去した。網膜下に組織プラスミノーゲンアクチベータを注入し,周辺部網膜切開を行い,硝子体腔にシリコーンオイルを注入,角膜切開創を下耳側に作製した。術後はうつむき姿勢とし,前房に移動した出血を角膜切開創から繰り返し除去した。3か月と4か月後に網膜の復位手術を行った。結果:初回手術から1年後の現在,黄斑部の萎縮はあるが,網膜下出血はなく,周辺視野は維持され,視力は指数弁である。結論:多量の網膜下出血に対する今回の手技は,視力回復には限界があるが,手術侵襲が小さい有効な方法である。

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要約 目的:調節麻痺薬点眼後の水晶体と前房深度の変化の報告。対象と方法:正常者5名9眼を対象とした。年齢は23~34歳(平均28歳)である。塩酸シクロペントラートまたは塩酸フェニレフリン・トロピカミド合剤を点眼し,前者では点眼45分後,後者では30分後に調節負荷を行い,これによる前房深度と水晶体厚の変化を測定した。測定には光干渉式前眼部測定装置であるAC Master®を用いた。結果:調節負荷直前の平均前房深度と水晶体厚には両群で差がなかった。調節負荷により水晶体厚と水晶体前面の位置が変化したが,変化量はトロピカミドでより大きかった。結論:調節麻痺薬の効果の違いを,調節負荷時の水晶体厚と水晶体前面の位置の変化として定量化できる。

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要約 目的:調節訓練の比較対照試験のための経過観察中に調節力が大きく変動した症例の報告。症例:調節訓練の比較対照試験に参加している77例中の4例。いずれも女性で,年齢は40,42,45,48歳である。結果:いずれも初回検査から1年以内に調節力が1D以上増加したようにみえたが,自覚症状には変化がなかった。これら4例では本来の調節力測定ができていないと判断した。結論:経過観察中に調節力が大きく変動する症例があり,比較対照試験から除外した。

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要約 目的:素材とデザインが異なる眼内レンズ(IOL)を挿入した眼球の高次収差の比較。対象と方法:IOL挿入を受けた165眼を対象とした。内訳は,アクリルを素材としたSA60AT 49眼とMA30BA 29眼,シリコーンを素材としたクラリフレックス26眼,およびシリコーンを素材とした非球面のKS-3Ai 51眼である。いずれも術後6か月の時点で波面センサーを使い,眼球収差と角膜収差の差から眼球内部の高次収差を算出した。結果:非球面IOLは球面IOLと異なり,高次収差は負の値をとった。シリコーンIOLはアクリルIOLよりも球面収差が有意に小さかったが,コマ収差と高次収差の総和に有意差はなかった。結論:眼球と角膜の高次収差を測定することで,挿入されたIOLの光学的特性を詳細に評価できる可能性がある。

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要約 目的:Avellino角膜ジストロフィに対する治療的レーザー角膜切除術(PTK)の術後再発の報告。対象と方法:過去9年8か月間に本症と診断し,PTKを行った症例のうち,1年以上の経過が観察できた75例108眼を対象とし,再発率,再発時期,再発の病状を検索した。結果:再発は44眼(41%)にあり,平均46か月後に発症した。その病状は,照射縁付近のびまん性混濁29眼(66%),照射領域内のびまん性混濁12眼(27%),照射領域内の顆粒状混濁3眼(7%)の3型に大別できた。結論:Avellino角膜ジストロフィに対する治療的レーザー角膜切除術は有効な治療手段であるが,混濁の再発が起こることがある。混濁には3型があり,必ずしも視力低下にはならない。

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要約 目的:重篤な角膜真菌症に対して抗真菌薬ボリコナゾールを使用した症例の報告。症例:63歳女性の右眼に角膜潰瘍が生じた。17日間の治療が奏効せず,当科を紹介された。所見と経過:視力は右手動弁,左1.2で,右眼角膜のほぼ全面が混濁し,前房蓄膿と大きな角膜潰瘍があった。病巣からフサリウム属が検出された。ボリコナゾール点滴,ピマリシン眼軟膏,0.2%ボリコナゾールの1時間毎の点眼を開始した。第11病日からボリコナゾール点眼の濃度を1%に変更してから角膜潰瘍が軽快しはじめた。第17病日に打撲により眼球破裂が生じ,全層角膜移植を行った。得られた角膜に真菌は一部のみにあった。結論:フサリウムによる角膜真菌症に1%ボリコナゾールの点眼が奏効することがある。

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要約 目的:Stickler症候群の親子例の報告。症例:12歳男児が高身長,くも状指,高位口蓋などからMarfan症候群を疑われて受診した。所見:水晶体後方の硝子体にビーズ様の線維性索状物と,網膜円孔を伴う格子状変性が両眼にあった。初診から1年後に右眼,3年後に左眼に裂孔原性網膜剝離が発症し,手術で復位した。眼外症状として,口蓋裂,鼻根部の平坦化,小顎症,膝関節炎,伝音性難聴があった。47歳の母親に,同様のビーズ様の硝子体変性,白内障,網脈絡膜萎縮,網膜格子状変性があり,顔面骨の形成異常,口蓋裂,多発性変形性関節症,感音性難聴があった。眼と全身所見とから,親子ともStickler症候群と診断した。結論:小児の網膜剝離の原因としてStickler症候群があり,その可能性に留意する必要がある。本症は常染色体優性遺伝を示すので,血縁者の所見が診断の参考になる。

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要約 目的:眼内異物除去後に眼瞼外反が速やかに治癒した症例の報告。症例と経過:74歳の左眼に切れた鉄ワイヤが当たった。眼内炎が生じたが治療により軽快した。受傷の2か月後から左下眼瞼に外反が生じた。受傷から4か月後に紹介され受診した。矯正視力は右1.0,左0.4であった。CTで左眼下方に異物様の高信号があった。手術中の所見として,眼内異物の二重穿孔はなく,下直筋が強膜に癒着していた。下眼瞼の外反は手術の5日後に消失した。結論:本症例での下直筋の強膜への癒着は,硝子体内異物で遷延した眼内炎が眼外に波及した結果であり,下眼瞼の外反の原因になったと解釈される。

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要約 目的:大きな眼内異物の症例の報告。症例:9歳男児が自転車で転倒して植栽に落ち,左眼を突いた。所見と経過:左眼に角膜裂傷と前房内に異物があった。CTではCT値の低い細長い像が角膜後方から水晶体の中心を貫いて網膜に達していた。二重穿孔はなかった。摘出した異物は長さ23mmの小枝であった。経過は良好で,受傷から2年後の現在0.6の矯正視力を維持している。異物の眼内の位置関係はヘリカルCTのvolume rendering法で立体的に描出したが,眼球と異物とを同時に表現することは困難であった。結論:大きな眼内異物でも治療により良好な結果が得られた。異物が木片であるときには,画像診断法に限界がある。

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要約 目的:侵襲性アスペルギルス症による眼窩先端部症候群をボリコナゾールで加療した症例の報告。症例:71歳女性が数週前からの右眼窩の深部痛,視力低下,色覚異常で受診した。所見と経過:矯正視力は右0.07,左1.0であり,右眼に外転障害,全身的に糖尿病があった。画像診断で副鼻腔の真菌症が疑われ,病巣は眼窩先端部に及んでいた。篩骨洞と蝶形骨洞の開放術が行われたが,4週後に右眼視力は零に低下した。その後侵襲性アスペルギルス症の診断が確定し,ボリコナゾール1日量500mgの全身投与を開始した。視力は指数弁になり,眼球運動は正常化した。治療開始から1年後の現在まで病像は安定している。結論:侵襲性副鼻腔と眼窩アスペルギルス症には,ボリコナゾールの全身投与が奏効することがある。

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要約 目的:病理組織学的に著しい強膜の肥厚があった後部強膜炎症例の報告。症例:66歳女性が2か月前からの左眼の眼痛と充血で受診した。既往歴として慢性関節リウマチがあった。所見と経過:矯正視力は左右とも1.2で,左眼に結膜と上強膜の充血があった。副腎皮質ステロイド薬の点眼と内服で軽快せず,2か月後に強い漿液性網膜剝離が発症した。CT検査で強膜肥厚があり,後部強膜炎と診断した。副腎皮質ステロイドのパルス療法を2回行ったが,初診から3年後に硝子体出血とルベオーシスが生じ,その18か月後に疼痛のため眼球が摘出された。摘出眼球には眼軸長の3分の1に及ぶ強膜の肥厚があり,病理学的に慢性肉芽腫性炎症と判定された。結論:強膜が著しく肥厚していた原因として,強膜炎が長期に持続し,組織の壊死と再生が繰り返していたことが推定される。

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要約 目的:超音波乳化吸引術と眼内レンズ縫着術の既往がある眼に強膜炎が発症した症例の報告。症例:糖尿病の既往がある71歳女性が右眼に超音波乳化吸引術と眼内レンズ縫着術を受けた。術後経過は良好で0.7の視力を得た。約2年後から右眼の眼痛,充血,結膜下出血が反復し,強膜炎の診断でステロイドの点眼治療を受けた。病状は軽快したが,再発を繰り返した。その10か月後から強膜炎が増悪しぶどう膜炎が併発した。壊死性強膜炎と診断し,プレドニゾロンのパルス療法を行った。以後,徐々に炎症は鎮静化した。結論:眼内レンズ縫着術後に非感染性壊死性強膜炎が発症することがあり,ステロイドのパルス療法は治療法の選択肢となる。

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要約 目的:再発性多発軟骨炎に後部強膜炎が併発した症例の報告。症例:73歳女性が急激な右眼視力低下と眼球運動痛で受診した。5年前に両側の耳介軟骨炎で再発性多発軟骨炎と診断され,プレドニゾロンと免疫抑制剤ミゾリビンで寛解し,維持療法中であった。3年前に右眼の上強膜炎が反復した。矯正視力は右0.3,左1.2であり,右眼に虹彩毛様体炎,漿液性網膜剝離,脈絡膜皺襞があり,画像検査で眼球後壁の肥厚と視神経周囲炎があった。後部強膜炎と診断し,プレドニゾロンを増量してミゾリビンは継続した。発症から5日後に眼内所見は軽快し,以後10か月後の現在まで再発はない。結論:再発性多発軟骨炎では加療中であっても,晩期合併症として後部強膜炎が生じることがあるので注意が必要である。

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要約 目的:ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)の感染者に発症したサイトメガロウイルス(CMV)網膜炎と肝炎の報告。症例:30歳代の男性がカリニ肺炎で内科に入院し,HIV抗体とCMV抗原が陽性であることが判明し,精査の目的で眼科を受診した。所見:初診時には眼科的に異常はなかった。その後HIVに対してhighly active antiretroviral therapy(HAART)が開始され,その16日後に右眼に硝子体混濁と,滲出斑を伴う網膜血管炎が生じた。血清トランスアミナーゼが上昇し,CD4陽性細胞が増加していた。ガンシクロビル点滴をバルガンシクロビル内服に変更してから網膜病変と肝機能は改善した。結論:本症例は免疫再構成症候群としてのCMV網膜炎と肝炎であり,バルガンシクロビル内服が有効であった。

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要約 目的:サルコイドーシスでの生検の成績を向上するために,結膜肉芽腫の組織を検索した結果の報告。対象と方法:過去9年間に全身の臨床所見と結膜生検から組織的にサルコイドーシスと診断した13症例15眼を対象とした。結膜生検から得られた病理標本245切片を光学顕微鏡で観察し,写真撮影した結膜肉芽腫の直径,厚さ,上皮からの距離を測定した。結果:上皮から肉芽腫までの距離は0.05~0.14mm(平均0.10mm),厚さは0.12~0.24mm(平均0.16mm),直径は0.21~0.61mm(平均0.38mm)であった。結論:サルコイドーシスでの結膜肉芽腫は結膜固有層に存在する。生検では上皮から0.38mm以上深く切除すれば肉芽腫が得られやすい。

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要約 目的:コンタクトレンズ装用眼での点状表層角膜症の頻度の報告。対象と方法:2006年4月以降に受診したコンタクトレンズ装用者481名962眼を対象とした。フルオレセインで角膜を染色し,点状表層角膜症の有無を検索した。結果:点状表層角膜症は432眼(44.9%)にあった。ハードコンタクトレンズでは172眼中97眼(56.4%),ソフトコンタクトレンズでは790眼中335眼(42.4%)にあった。結論:最小限の微小な所見まで含めて検索すると,コンタクトレンズ装用眼には点状表層角膜症が高頻度に存在する。

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要約 目的:虹彩囊腫からの粘液分泌により続発緑内障が生じた症例の報告。症例と経過:14歳女児が2か月前からの右眼霧視で受診した。右眼の矯正視力は1.2,眼圧は14mmHgであったが,前房に結晶性物質を含む粘液と,虹彩前の上鼻側に破裂した虹彩囊腫があった。3か月後に眼圧が上昇し,囊腫前壁を切除した。2年後に眼圧が再上昇し,囊腫前壁を追加切除した。さらに3年後に眼圧が上昇し,囊腫を含めた虹彩全幅切除を行った。その14か月後に眼圧上昇があり,硝子体カッターで残存囊腫を切除した。以後17か月後の現在まで眼圧は安定し,視力1.2を維持している。結論:数回にわたる眼圧上昇は,虹彩囊腫からの粘液分泌によるものと解釈され,本症例では,囊腫の全切除が有効であった。

連載 今月の話題

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 これまで瘢痕性の眼表面疾患に対する再建は困難で,全層角膜移植では非常に予後が不良であった。角膜上皮の幹細胞に関する基礎的研究の進歩や羊膜の眼科手術への利用によって術式の改良がなされていったものの,免疫学的な問題は克服できなかった。そこで,拒絶反応のない自己細胞を用いた再生医療が注目されるようになったが,その開発には組織工学的な手法が非常に重要であった。Stevens-Johnson症候群,眼類天疱瘡,熱・化学腐食などによる角膜上皮幹細胞疲弊症に対する角膜上皮の再生医療として,患者自身の角膜上皮幹細胞や口腔粘膜の幹細胞を細胞ソースとした培養角膜上皮シート移植が開発され,すでに臨床応用が開始されている。しかしオキュラーサーフェスの他の要素である涙液や眼瞼の管理についての問題は残っており,移植の長期予後をフォローするとともにさらなる研究が必要である。

連載 日常みる角膜疾患・52

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症例

 患者:83歳,女性

 主訴:流涙,充血

 既往歴:角膜ヘルペス後の角膜穿孔に対して,約2年前に全層角膜移植術+囊外摘出術+眼内レンズ挿入術を施行した。

 現病歴:角膜移植後の定期診察の際に,7時部の移植片からレシピエントにかけて角膜潰瘍を伴う白色病変がみられた。角膜潰瘍中央部の菲薄化は著明で,ザイデル現象がわずかに陽性であった。潰瘍辺縁部の塗抹擦過検査と培養検査への提出を行うと同時に,HRTⅡ-RCM®による生体検査を行った(図1)。

 塗抹検査およびHRTⅡ-RCM®検査よりカンジダによる感染症と診断し,ミカファンギンナトリウムの点滴,ピマリシン眼軟膏,フルコナゾールの点眼により治療を開始した。1週間後に培養によりCandida albicansが同定された。治療開始後,病巣部は縮小傾向を認めた。

連載 公開講座・炎症性眼疾患の診療・4

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はじめに

 点状脈絡膜内層症(punctate inner choroidopathy:以下,PIC)は若年女性の近視眼に好発し,後極部を中心に点状の網脈絡膜レベルの病巣を呈する原因不明の炎症性疾患である1,2)。PICはけっして稀な疾患ではなく,20~40歳台の女性の視力低下の原因となる疾患の1つとして知っておくべき疾患である。

連載 網膜硝子体手術手技・7

眼内レンズ縫着術 浅見 哲 , 寺崎 浩子
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はじめに

 前号で述べた水晶体核落下,眼内レンズ落下の処理をした後に,眼内レンズを縫着する。また,増殖硝子体網膜症,増殖糖尿病網膜症などの症例で経毛様体扁平部水晶体切除術の施行後,後囊の欠損やチン小帯の断裂により眼内レンズを囊外に固定できない場合などは,眼内レンズ縫着の適応となる。

 眼内レンズの毛様溝縫着法は1986年にMalbran1)により囊内白内障摘出術後の眼内レンズ縫着法が報告され,次いで1988年にStarkら2)の眼内から毛様溝に通糸する方法(ab interno sulcus fixation法),Huら3)の眼外から経強膜的に毛様溝に通糸する方法(ab externo sulcus fixation法)が報告された。

 当教室では,手技的にも簡便なab externo sulcus fixation法を用いており,本稿ではその方法を詳述する。

連載 眼科医のための遺伝カウンセリング技術・9

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はじめに―医師と診断告知

 診断告知は医師の専任業務とされている。専門的な知識や技術が必要な「診断の過程」が,医師の専任業務であることは容易に理解できる。では,「告知」すなわち「診断名を告げ」たり,「医療情報を提供」する行為はどうだろう。やはり,医師のみが行うことができる「医療行為」だろうか。

 医療法の解釈だけではなく,医療の本質から考えてみよう。誤った診断や不適切な診断告知は患者の不利益,特に重大な健康被害の原因になる可能性がある。診断から告知にいたる行為が,医師の専任業務であるとされる理由である。これはどちらかというと医療法の立場からの解釈であるが,その他にもいくつかの理由が考えられる。1つは予後の悪い病気の告知は,告知そのものが患者にとっては苦痛を与える行為であり,医学的な知識・技術・経験に裏付けされた告知技術によりその苦痛は最小限に押さえられるであろう。もう1つは,患者にとって医師の告知は自らの状況を「受容」する過程の第一歩であり,患者が自分の病気を正しく受容することが治療を進めていくうえで必須の条件だからである。

 このように診断告知は診断過程だけでなく,告知行為そのものが患者の健康に深くかかわると考えられる。やはり,診断告知における医師の責任は重いといえよう。近年,がんなど予後の悪い診断告知をどう行うべきかの議論が続いているので,このことは改めて強調することは必要ないであろう。

 非医師である専門職遺伝カウンセラーが行う遺伝カウンセリングの現場でも「悪い知らせ」を伝える技術は,カウンセラーの重要な技術とされている。遺伝カウンセラーが診断告知まがいの業務を行うという意味ではない。1人の患者だけではなく家族,親族が診断の対象となったり,治療法が限られている先天異常や遺伝性疾患では,主治医が遺伝カウンセラーと協力して患者やクライエントに対応するほうが効果的だからである。経時的に医師の診断告知と連繋した遺伝カウンセラーによる「告知後の援助」や,クライエントが遭遇する色々な場面で役割を分担しながらの協力作業が必要となる。

 遺伝子診療部などチームで遺伝医療を行っている現場では,主治医が告知や医療情報を提供したうえで退席し,後を遺伝カウンセラーが引き継ぐというスタイルを採用しているところが多い。この場合でも,遺伝カウンセラーは必ず主治医の告知に立ち会うのが普通である。「主治医の役割は診断から告知まで」,「遺伝カウンセラーの業務は告知後の援助から」と機械的に役割分担したのでは,双方の連繋を上手に行うことは難しい。遺伝カウンセラーが医師の告知の後を引き継いだ場合でも,クライエントを相手に「告知の状況を再現」したうえで,クライエントの心理的介入を行うこともある。これもカウンセリング技術である。

 このように,遺伝医療の現場でも,診断告知が主治医の責任下に置かれることは他の疾患と同様であるが,クライエントに馴染みの少ない遺伝学上の説明が必要だったり,受容が難しい内容を多く含むため,遺伝カウンセラーの協力による補助的医療行為が診断告知の質を大きく高める。専門職の遺伝カウンセラーにとっても「診断告知」は重要なテーマなのである。眼科医の皆さんにとって診断告知は日常業務であろう。もし専門職の遺伝カウンセラーが協力させていただく場合,主治医が「告知が患者に及ぼす影響」や「告知後援助の基本技術」を理解したうえで協力要請を行うか,そうでないかで患者の受容過程は大きく変るのである。本稿で遺伝カウンセリングにおける「悪い知らせ」を伝える技術を取り上げた理由はここにある。

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要約 背景:Posterior cortical atrophyは,初期では視覚障害のみがあり,最終的に痴呆に至る予後不良な神経変性疾患である。目的:初期のposterior cortical atrophyの1症例の報告。症例:46歳男性が1年前からの視力障害で受診した。矯正視力は左右とも0.3であり,特記すべき眼科的な異常はなく,視野は左下1/4同名半盲様であった。問診から視覚失認が疑われた。磁気共鳴画像検査(MRI)で頭頂葉から後頭葉にかけて皮質萎縮があり,神経内科での認知機能検査と合わせ,posterior cortical atrophyと診断された。9か月後に矯正視力は左右とも指数弁に低下したが,Teller acuity cardsでの視力測定では左右とも0.4であった。結論:Posterior cortical atrophyの患者は最初に眼科を受診することが多いが,検眼鏡的には異常がないので注意が必要である。Teller acuity cardsによる視力測定が診断に寄与する可能性がある。

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要約 目的:抗カルジオリピン抗体が陽性であった乳頭血管炎の症例の報告。症例と所見:31歳女性が1週前からの左眼霧視で受診した。矯正視力は左右とも1.5であり,左眼に視神経乳頭血管炎と切迫型網膜中心静脈閉塞症があった。プレドニゾロン内服3週後に乳頭浮腫と網膜出血は消退した。血液検査で抗カルジオリピンIgG抗体が陽性で,ループスアンチコアグラントと抗β2-glycoproteinⅠ抗体は陰性であった。結論:本症例の検査所見は抗リン脂質抗体症候群の診断基準は満たさなかったが,眼病変の発症にはこれと関係した何らかの自己免疫機序が関係している可能性がある。

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要約 目的:結膜円蓋部に生じた内反乳頭腫の症例の報告。症例:ソフトコンタクトレンズ装用時の異物感で受診した38歳男性。所見:右眼結膜円蓋部の上鼻側に円形で乳頭状の乳白色の腫瘍が数個あった。副腎皮質ステロイドとマイトマイシンC点眼が奏効せず,9週後に腫瘍を摘出した。病理組織学的に,肥厚した上皮が外方性に樹枝状ないし乳頭状に増殖していた。肥厚した上皮は実質側すなわち内方性にも発育し,内反乳頭腫の特徴を呈していた。以後19か月後の現在まで再発はない。結論:頻度は低いが,結膜腫瘍では内反乳頭腫の可能性がある。

べらどんな

片山病とホタル
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 日本が占領されていたのは終戦の昭和20年~26年(1951)までの6年間だが,当時の進駐軍は公衆衛生に強い関心をもっていたらしい。

 港や駅などでは,片っ端から通行人をつかまえて頭と首筋にDDTの白い粉を振り掛けていたのもその一例である。発疹チフスなどを媒介する虱を除去するのがその目的だ。

今月の表紙

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 患者は11歳,女児。生後まもなくキアリ奇形(typeⅡ)と診断された。脳神経外科で二分脊椎に対して脊椎閉鎖術を施行されている。経過中に水頭症を生じ,左脳室腹腔短絡術(以下,V-P shunt術)を施行,5歳時にshunt閉塞を生じたが,脳室拡大がないため水頭症は治癒したと判断され経過観察となっていた。

 11歳時,頭痛を訴え脳神経外科を受診した。視力低下を認め当院眼科を紹介され受診した。視力は右0.7(0.8),左0.6(n.c.),前眼部・中間透光体に異常は認められなかった。眼位・眼球運動は正常であった。中心フリッカ値は右25Hz,左23Hzであった。両眼視神経乳頭の発赤・腫脹と硝子体側への突出,乳頭上の網膜血管は拡張・蛇行していた。乳頭周囲に砕片状出血,視神経乳頭と黄斑部耳側間の外網状層内には硬性白斑と乳頭周囲網膜に乳頭を取り囲むひだ(Paton線)が認められた(写真a:右眼)。

やさしい目で きびしい目で・91

七転び八起き 合田 千穂
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 大学生時代,免疫学の講義がおもしろかったため,機会があれば基礎の勉強をしたいなと思った。その希望が叶ったのは,医者になって10年目の年だった。システムが大学院大学に変更になり,大学院生になることが奨励されはじめ,だめもとで医局に申請してみたところ許可されたのだった。

 研究テーマは,それまで専門分野だった「ぶどう膜炎」から「アレルギー性結膜疾患」になった。前述の免疫学の先生が北海道大学遺伝子病制御研究所(旧免疫科学研究所,旧医学部癌研究施設)の出身だったため教授にお願いし,遺伝子病制御研究所のなかでアレルギー学をやっている教室を紹介していただいた。

ことば・ことば・ことば

曲がる
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 「隅角検査gonioscopyの語源は,ギリシャの“角度を見る”という意味から始まっている」という記述が,ある眼科関係の新刊書に出ていました。なんだか違和感があるので,すこし調べて見ました。

 ギリシャ語の名詞にgonia「角(カド)」があります。このうしろに別の単語がつくときにはgonio-の形になります。その反対にこれが語尾になると,-gonになります。

文庫の窓から

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道家の編んだ『内経太素』

 岡西為人の『中国醫書本草考』の2番目には『内経太素』が挙げられている。この本は唐の時代,楊上善が編集し註釈をつけたもので,『素問』と『針経(霊枢)』という2つの書物をまとめ,医学の理論を体系的に論じている。楊上善は,林億らが隋の人と誤って伝えていたようだが『道徳経広聖義』(901)という書物に「太子司議郎 楊上善 高宗時人 作 道徳集注真言二十巻」と出ており,道家の説を奉ずる唐時代の文人だったらしい。

 わが国においては『内経太素』は,700年代の中頃には請来されていたようだ。大宝元年(701)に医生,針生の本として,『素問』『黄帝針経』『脈決』『明堂』が指定されていたのが,半世紀後の天平宝字元年(757)には,医生は『太素』『甲乙』『脈経』『本草』を,針生は『素問』『針経』『明堂』『脈決』を学ぶようにと勅が出されている。

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あとがき 根木 昭
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 2014年の国際眼科学会(World Ophthalmology Congress:以下,WOC)が日本で開催されることになりました。従来,WOCは4年毎でしたが近年は2年毎になり,2008年は香港,2010年はベルリン,2012年はシカゴ,そして2014年が東京に決定しました。1978年に京都で開催された第23回WOCには皇太子殿下,妃殿下がご臨席され,世界82か国から約4,400人の参加がありました。若い人には大きな刺激になりますし,世界の眼科に日本の貢献を示すまたとない機会です。今から楽しみです。

 眼底3次元画像解析が先進医療に取り上げられ,検査料を自費で徴収できるようになりました。一種の混合診療ですが,将来の保険導入を前提とした保険外併用療法です。光干渉断層計などは多くの施設に配置され,すでに定着した検査法ですから当然,保険収載されるべきものですが,医療費削減の大方針のもとでは無理なようです。今まで請求していなかった検査料を,新規に自費で請求することには抵抗があります。自費検査料を低く設定すると,今度は保険に収載されるときに低い点数になるとのこと,高価な機器ですから高い費用も当然ですが悩ましいことです。

基本情報

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臨床眼科
61巻7号 (2007年7月)
電子版ISSN:1882-1308 印刷版ISSN:0370-5579 医学書院

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