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連載 今月の話題
眼表面の再生医療
Regenerative medicine for the ocular surface diseases
久保田 享
1
,
西田 幸二
1
Akira Kubota
1
,
Kohji Nishida
1
1東北大学医学部眼科学教室
pp.1145-1151
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101825
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これまで瘢痕性の眼表面疾患に対する再建は困難で,全層角膜移植では非常に予後が不良であった。角膜上皮の幹細胞に関する基礎的研究の進歩や羊膜の眼科手術への利用によって術式の改良がなされていったものの,免疫学的な問題は克服できなかった。そこで,拒絶反応のない自己細胞を用いた再生医療が注目されるようになったが,その開発には組織工学的な手法が非常に重要であった。Stevens-Johnson症候群,眼類天疱瘡,熱・化学腐食などによる角膜上皮幹細胞疲弊症に対する角膜上皮の再生医療として,患者自身の角膜上皮幹細胞や口腔粘膜の幹細胞を細胞ソースとした培養角膜上皮シート移植が開発され,すでに臨床応用が開始されている。しかしオキュラーサーフェスの他の要素である涙液や眼瞼の管理についての問題は残っており,移植の長期予後をフォローするとともにさらなる研究が必要である。
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