今月の表紙
うっ血乳頭(水頭症)
福井 勝彦
1
,
根木 昭
2
1旭川医科大学眼科
2神戸大学眼科
pp.1166
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101830
- 有料閲覧
- 文献概要
患者は11歳,女児。生後まもなくキアリ奇形(typeⅡ)と診断された。脳神経外科で二分脊椎に対して脊椎閉鎖術を施行されている。経過中に水頭症を生じ,左脳室腹腔短絡術(以下,V-P shunt術)を施行,5歳時にshunt閉塞を生じたが,脳室拡大がないため水頭症は治癒したと判断され経過観察となっていた。
11歳時,頭痛を訴え脳神経外科を受診した。視力低下を認め当院眼科を紹介され受診した。視力は右0.7(0.8),左0.6(n.c.),前眼部・中間透光体に異常は認められなかった。眼位・眼球運動は正常であった。中心フリッカ値は右25Hz,左23Hzであった。両眼視神経乳頭の発赤・腫脹と硝子体側への突出,乳頭上の網膜血管は拡張・蛇行していた。乳頭周囲に砕片状出血,視神経乳頭と黄斑部耳側間の外網状層内には硬性白斑と乳頭周囲網膜に乳頭を取り囲むひだ(Paton線)が認められた(写真a:右眼)。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.