臨床眼科 49巻3号 (1995年3月)

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(1)

学会原著

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 3期と4期特発性全層黄斑円孔16眼に対する上皮成長因子(epidermal growth factor:EGF)を用いた硝子体手術の有効性を検討した。硝子体皮質を充分に剥離除去し,高濃度(10μg/200μl)のEGFを使用し,術後厳密な伏臥位を取らせた場合に,14眼(88%)の円孔閉鎖が得られた。術後0.5以上の矯正視力は6眼(38%)に得られた。円孔閉鎖には2種類観察され,これは2種類の黄斑円孔形成過程と関連があるものと推測した。

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 マイトマイシンC (MMC)は,線維芽細胞増殖抑制作用を有しており,翼状片再発防止に有用である。筆者らは,術中にMMCを浸したMedical Quick Absorder (MQA)の切片を強膜に接触させるという新しい手術方法を考案した。有色家兎を用いた基礎実験では,0.02mgMMC含有MQAを用いた場合に,強膜に侵襲を及ぼすことなく,線維芽細胞の増殖が抑制されているのが確認された。さらに同量のMMCを用いた臨床成績では,翼状片手術施行後6か月以上経過観察できた86例99眼を対象とした。1眼(1.0%)に再発を認めたが,術中・術後に合併症を認めず,ほぼ良好な結果を得た。以上より,本法によるMMCの至適量は0.02mgであると考える。

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 円錐角膜19例27眼を対象に不正乱視の定量的検討を行った。解析には角膜形状解析装置(TMS—1TM)により測定されるマイヤーリング上の屈折力の分布曲線を正弦曲線に近似し,その回帰残差より不正乱視を定量化する方法を用いた。TMS−1TMにより測定される25本のマイヤーリングのうち,5,10,15本めの測定値の平均値を解析に用いた。正乱視量,不正乱視量のそれぞれと眼鏡矯正視力(対数値)の間の相関係数Rは0.48(p=0.011),0.59(p=0.001)で両者とも有意な負相関があった。しかし,正乱視量と不正乱視量を独立変数,眼鏡矯正視力(対数値)を従属変数とする重回帰分析では,偏相関係数は正乱視量が0.22(p=0.281),不正乱視量が0.43(p=0.027)となったことから,眼鏡矯正視力は主に不正乱視量によって規定されているものと考えられた。

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 生後6か月の女児に両眼の強角膜症と小角膜がみられ,先天白内障を合併していた。染色体は46XX,正常核型であった。生後1か月に白内障に対し両眼経扁平部水晶体切除術を施行し,同時に虹彩切除を行った。切除虹彩の光学顕微鏡所見として血管周囲に硝子様物質の沈着,色素の減少がみられ,電子顕微鏡的にも色素細胞中の色素顆粒が少なく,細胞質の電子密度が低い結果が得られた。強角膜症,虹彩異常は神経堤細胞の遊走異常と考えられた。水晶体は外胚葉由来であり,神経堤細胞はその形成に直接は関与しないが,強角膜症に先天白内障が合併した例は欧米ではまれではない。わが国ではわれわれの知る限り本症例が第1例目である。

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 角膜形状解析装置を用いて診断した早期円錐角膜7例13眼について報告した。診断には形状測定によって得られたマップ表示のほか,I-S valueという定量的評価のパラメータも用いた。マップ表示により下方スティープを示した12眼は,I-S valueにても有意な下方スティープを示し,定性的および定量的な両面から初期円錐角膜であると診断された。また,マップ表示にて直乱視のパターンを示した2眼のうち1眼は,I-S valueから初期円錐角膜と考えたほうがよいと思われた。角膜形状解析装置を用い,定性的および定量的な評価に基づいて検査,診断していくことが円錐角膜の早期発見につながり,その進行予防を含め積極的な対処を可能にするものと考えた。

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 9歳,男児の特発性埋没型視神経乳頭ドルーゼンの臨床像を記載した。右眼視力低下を主訴に受診し,初診時,右眼矯正視力0.8,右眼眼底に約1mmの高さの乳頭浮腫を認めた。通常の視神経乳頭ドルーゼンと異なり,著明な乳頭径の拡大と,乳頭中央部に明瞭な陥凹があり,その辺縁から乳頭上の血管は出現していた。初診より3週間後には無治療にて右眼矯正視力1.2となり,その後視力低下はない.

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 角膜形状解析装置で測定した円周上の角膜屈折力を正弦曲線に近似し,回帰残差を計算する方法で,白内障手術後の角膜不正乱視を定量的に検討した。対象は白内障手術症例48例48眼で,6.5mm強膜切開創縫合閉鎖法(19眼),3.2mm強膜切開創自己閉鎖創法(18眼),3.4mm角膜切開創縫合閉鎖法(11眼)の3法で手術を行い,術前,術後1週,2週,2か月の4点で解析した。3群の不正乱視係数は,術後すべての測定点で有意な差を示し(p<0.01,一元配置分散分析),6.5mm強膜切開創群の値は全期間を通じて3.2mm強膜切開創群より高く(p<(0.05,Bonferroni多重比較),角膜切開創群は術後1週で3.2mm強膜切開創群より高い値を示した(p<0.05)。Cravy法,Jaffe法,Holladay法で解析した正乱視の平均値は,いずれも群間で有意差のないものであった。以上の結果から,正弦曲線近似法により角膜不正乱視を正乱視から分離して解析することが可能であり,創口幅の小さい強膜切開創ほど角膜不正乱視に与える影響が小さいものと結論された。

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 ウサギの外眼筋の筋線維の形態に対するボツリヌス毒素注入の影響を検討した。4匹には10単位,5匹には5単位のA型ボツリヌス毒素(BOTOX®)を右眼の上直筋に注入し,左眼の上直筋には対照として生理食塩水を注入した。注入3日,1,3,および5週後に眼窩および中間層の筋線維の径を組織標本上で光学顕微鏡を用いて計測した。10単位のボツリヌス毒素の注入1週後では,眼窩層筋線維の径は対照に比べて小さくなったが,5週後では筋線維の肥大が認められた。しかし,中間層の筋線維については明らかな変化は認められなかった。一方,5単位注入では眼窩層,および中間層ともに筋線維の大きさに明らかな変化は認められなかった。

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 不同視弱視27例,斜視弱視22例に,アトロピン遮閉を行い,その治療効果について検討した。不同視弱視の24例(89%),斜視弱視の17例(77%)に有効であり,完全遮閉が困難であった患児にもcomplianceがよく,良好な結果が得られた。治療途中で不同視弱視の2例に眼位異常(外斜位)が出現した。斜視弱視の2例に健眼の弱視化が起こったが,不同視弱視には起こらなかった。斜視弱視では不同視弱視ほど有効率が高くないにもかかわらず,なかには健眼の弱視化が起こる症例があることを理解しておけば,どちらに対しても有力な治療法と考えられる。

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 エキシマレーザー近視矯正角膜切除術(PRK)後の角膜の光学的機能を,光線追跡法を用いて評価した。対象はPRK 1年後で裸眼視力が1.0以上の40眼である。裸眼視力1.0以上の正常眼40眼を対照とした。角膜頂点の法線と平行な光線が角膜上の各点で屈折された後に角膜頂点の法線と交わる点を計算した。これらの交点の分布の標準偏差(SD)を光線の収束の程度を表す指標として計算した。PRK後眼は正常眼よりも有意に大きなSDを示した。照射ずれおよび矯正パワーが大きくなるほどSDも大きくなり,これらの2つの因子が,PRK後の角膜の光学的機能に影響を与えることが示唆された。

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 C型慢性肝炎患者の,乾性角結膜炎,球結膜下出血,上強膜炎,原因不明の網膜症,網膜中心静脈(分枝)閉塞症,および裂孔原性網膜剥離の罹患率について検討した。有意に高率であった疾患は,原因不明の網膜症つまりC型肝炎ウイルス関連網膜症(p<0.001)と上強膜炎(p<0.01)であった。C型慢性肝炎患者に発症した上強膜炎は,臨床的には他原因の上強膜炎とは鑑別不可能であった。C型肝炎ウイルスは網膜症のみならず,上強膜炎発症にも何らかの関与をしていることが推測された。

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 β遮断薬長期点眼の角膜上皮への影響を,無点眼群11眼,防腐剤の影響を考慮したピレノキシン点眼群14眼,マレイン酸チモロール点眼群21眼につきフルオロフォトメトリーにより角膜上皮バリアー機能の観点から検討した。角膜へのフルオレセインナトリウム取り込み濃度は,無点眼群で27.6±5.4ng/ml (平均値±標準誤差),ピレノキシン群で22.1±2.7ng/ml,チモロール群で62.9±15.4ng/mlであり,ピレノキシン群に対してチモロール群で有意に亢進していたが,無点眼群とピレノキシン群に有意差はなかった.結論として,マレイン酸チモロール長期点眼が角膜上皮バリアー機能を障害する可能性が示された.

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 1986年1月から1993年12月まで防衛医科大学校病院眼科を受診し加齢性黄斑変性と診断された患者282例,314眼に対し,連続波Nd:YAGレーザー光凝固を行い,この治療成績を検討した。光凝固適応100眼のうち光凝固施行は58眼であった。観察期間は3か月から120か月で,加齢性黄斑変性の病型は宇山分類に準拠した。光凝固施行群の視力悪化例は,漿液性網膜剥離期23.50%,網膜下結合織増殖型37.0%,網膜下血腫型50.0%網膜下嚢胞型50.0%であった。漿液性網膜剥離期が最もよく光凝固に反応したが,1/3〜3乳頭径大の網膜下新生血管板が中心窩にかかるか,中心窩より1/2乳頭径以内の距離の症例は光凝固無効であった.

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 赤色発光ダイオードによる視覚刺激に誘発された脳の磁気現象の再現性のある反応を,64チャンネル生体磁気計測装置を用いて記録した。測定された視覚誘発脳磁図より等磁界線図を求め,さらにコンピュータにより電流双極子の局在推定を行った。視覚誘発脳磁図は,視覚誘発電位(VEP)と同様に重要な視機能検査法になりうると考えられる。さらに,VEPよりもはるかに精密に局在推定が行える可能性があると考えられる。

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 インスリン依存型糖尿病と診断された患者で発症時から経過観察し得た43例につき,糖尿病発症時年齢を思春期で分け,各群につき罹病期間およびコントロール状態が網膜症発症に及ぼす影響につき検討した。思春期後発症群では,網膜症発生率は高く,コントロール不良なものに早期に重症となるものが多かった。何らかのpuberty factorに,コントロール不良という因子が加わると網膜症が発生,重症化しやすいものと考えられた。思春期前発症群では,HbA1c値と網膜症の程度には関係はみられず,罹病期間が長くかつ高いHbA1c値にもかかわらず未発症の症例も多く,何らかの抑制因子の存在が示唆された。

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 埼玉県狭山市の重度視覚障害者122名に対する電話による聞き取り調査で90名より回答を得て,以下の結果を得た。

 (1)1級では約3/4のものが,2級では半数近くが,1人では外出できなかった。(2)1級で白杖の使用方法を教わったことのある12名のうち7名は1人で外出可能であったが,1級で白杖を用いた歩行訓練を受けていない42名のうち8名しか1人で外出できないので,白杖の使用訓練が重要である。(3)拡大読書器を所持する4名のうち新聞が読めるものは1名しかおらず,使用方法を視能訓練士などが教える必要がある。

 視覚障害者更生施設においてだけでなく,医療機関や地方自治体での訓練も必要である。

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 走査レーザー検眼鏡(scanning laser ophthalmoscope:SLO) microperimetryを用いて,黄斑円孔患者32名36眼の視野と固視点の特徴について検討した。すべての症例で,黄斑円孔の円孔底に絶対暗点を認めた。また,cuffを形成していたものでは,その領域に一致して比較暗点を認めた。円孔の中心を通る水平面を基準として上方と下方とに分類して検討すると,固視点は右眼では20眼中14眼(70%)が上方に位置し,左眼では16眼中13眼(81%)が上方に位置していた.視力障害を持つ黄斑円孔患者では,手元が見えやすい円孔上方に新たに固視点が生じることが示唆された。SLO microperimetryは,黄斑円孔患者の中心視野および固視点の観察に有用な検査であると考えられた。

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 裂孔原性網膜剥離19眼に対して硝子体手術と同時に水晶体除去と眼内レンズ挿入術を施行した。経過観察期間は6〜72か月,平均15.5±9.6か月であった。眼内レンズ手術術式は,水晶体超音波乳化吸引術を施行し後房レンズを嚢内固定した症例13眼,前嚢保存経毛様体扁平部水晶体切除術を施行し後房レンズを毛様溝固定した症例5眼,水晶体嚢外摘出術を施行し後房レンズを嚢内固定した症例1眼であった。

 術後併発症は一過性眼圧上昇8眼,一過性低眼圧1眼,前房出血1眼,フィブリン反応11眼,虹彩後癒着3眼であった。再手術を必要とした併発症は裂孔新生網膜剥離3眼,増殖性硝子体網膜症再発1眼,術後黄斑雛襞を生じた症例2眼,眼内レンズ偏位2眼,後発白内障を認めた症例3眼であった。最終的には18眼9596に復位を得た。

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 未治療もしくは非治癒の網膜剥離眼に長期間を経て発症した合併症につき検討を加えた。最近3年間に6例の症例がみられ,網膜剥離の持続期間は8年から60年にわたっていた。3例は未治療であり,3例は手術を受けたが非治癒もしくは再剥離をきたした症例であった。5例は緑内障を起こしており,白内障,虹彩後癒着,周辺虹彩前癒着が共通してみられ,また4例にはiris bombéがみられた。眼圧上昇の機序としては周辺虹彩前癒着もしくはiris bombéが関与していると思われた。未治療もしくは非治癒の網膜剥離眼は,たとえ失明しているといえども定期的な経過観察が必要であると考えられた。

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 65歳女性の片眼性桐沢型ぶどう膜炎の病因検索のためにpolymerase chain reaction法で患者の眼組織から水痘帯状ヘルペスウイルス(VZV)ゲノムの検出を試みた。プライマーはVZVに特異的な5’-TTCAGCCAACGTGCCAATAAA-3'と5'-GACGCGCTTAACGGAAGTAAC-3’を使用した。前房水からVZVゲノムを検出できたが,硝子体からはVZVゲノムは検出されなかった。

 日本で分離されたVZVゲノムの25%はPstⅠ制限酵素で切断されない点変異株(Pst I-site-less mutation)であるという報告があり,また日本人桐沢型ぶどう膜炎からPst I-site-less mutationが検出されたとの報告があるため,株の同定を行った。陽性コントロールのVZVゲノムはPst I-site-less mutationであるためPstⅠ制限酵素で切断されなかった。しかし,筆者らが検出したVZVゲノムはPst I制限酵素で2断片に切断された。以上の結果から,筆者らが桐沢型ぶどう膜炎患者から検出したVZVゲノムはPst I制限酵素で切断される通常のVZV株であることが判明した。

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 症例は66歳,女性。主訴は右眼眼瞼結膜の腫瘤および色素沈着。幼少時より右眼球結膜にあった褐色の色素沈着の範囲が広がって,長崎大学眼科を受診した。結膜悪性黒色腫の疑いで経過観察中に脳梗塞を起こし,以後受診しなかった。5年後の再診時には,右眼上眼瞼結膜耳側の眼瞼縁近傍に黒褐色で有茎の腫瘤があり,上下眼瞼結膜と球結膜に広範な色素斑があった。腫瘤とその周囲の眼瞼のみを切除し,眼瞼機能と視機能を温存した。病理組織学的には,色素顆粒を伴った紡錘型ならびに類上皮型細胞による悪性黒色腫であった。術後6か月,再発転移はない。長期間にわたる眼瞼・球結膜メラノーシスが悪性化した場合,その進行が緩徐であり,病巣が広汎であることから,眼窩内容除去術ではなく局所的眼瞼切除術でもよいと考えた。

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 1986年10月から1992年12月までに,沖縄の眼科診療所3定点から報告された厚生省感染症サーベイランス情報をもとに,流行性角結膜炎(EKC)の流行曲線を時系列分析法(12か月移動平均法)で,季節変動を除いて解析した。長期的な傾向曲線の関数に対するあてはめにはF検定が用いられた。実測された流行曲線は1990年半ばをピークとしており,夏期に大きな季節変動があった。求められた傾向曲線は二次指数関数曲線に最もよく適合し,沖縄では今後EKCの発症は減少することが予測された。時系列分析によるEKCの流行曲線の解析が疫学的のみならず,地域公衆衛生学的にも有用であることが結論された。

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 Human papilloma virus (HPV)と上皮の分化増殖異常を伴う眼表面疾患との関連性について検討した。対象は,特発性の瘢痕性角結膜上皮疾患3例3眼,結膜腫瘍2例2眼,正常人9例9眼である。Polymerase chain reaction (PCR)法を用いて結膜組織におけるHPV 16型,18型のDNAの有無を検索した。その結果,病理組織学的に扁平上皮癌と診断された結膜腫瘍1例1眼の結膜腫瘍組織よりHPV 16型が検出された。他の症例および正常人結膜ではHPV 16型は検出されなかった。また,HPV 18型はいずれの標本からも検出されなかった。この結果から,結膜腫瘍の1症例の病態にHPV 16型が関与していることが推定された。

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 成人型封入体結膜炎患者26例における眼外合併症について上咽頭クラミジア感染を中心に検討した。泌尿器科,婦人科,耳鼻科受診者のうちクラミジア陽性例はそれぞれ2/9例(22%),6/10例(60%),9/17例(53%)であった。自覚症状のみられたものは泌尿器科3例,婦人科3例,耳鼻科16例で,上気道炎症状を訴えた者が多かった。成人型封入体結膜炎患者は,泌尿生殖器のほか,上咽頭にもしばしばクラミジア感染を起こしていることがわかった。

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 膠様滴状角膜ジストロフィに対し施行された表層角膜移植術16眼,表層角膜移植術+角膜上皮移植術併用術8眼について比較,検討した。平均経過観察期間はそれぞれ,3年9か月,2年8か月であった.術後合併症では,原疾患再発が最も多く,眼圧上昇,拒絶反応,遷延性上皮欠損がこれに続いた。併用術後にも8眼中3眼に再発があったが,再発率,再発期間,および視力改善例の割合などで,表層角膜移植術単独よりも良好な結果が得られた。本併用術はこの疾患の再発抑制に有用と思われた。

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 角膜移植後の抜糸が,角膜上皮細胞の形態,機能にどのような影響を及ぼすかを検討した。対象は,全層角膜移植後に抜糸を行った34眼(平均年齢57.1歳)である。抜糸前後に角結膜染色スコアー,角膜知覚,涙液層破壊時間,涙液機能,上皮スペキュラーマイクロスコピー,前眼部螢光測定装置による上皮透過性の測定および自覚症状変化の聴取を行った。

 抜糸による角結膜染色スコアー,角膜知覚,涙液層破壊時間,涙液機能の変化はなかった。紡錘形上皮細胞出現率は,抜糸前の15眼(47%)から4眼(25%)と有意に減少した(p=0.04)。平均上皮細胞面積は,抜糸により有意の変化がみられなかったが,抜糸前に1,000μm2以上と著しく増大していた症例では全例で減少した。上皮透過性は,抜糸により若干改善していたが有意差はなかった。しかし抜糸前に100ng/ml以上であった13眼中10眼は抜糸により改善をみた。自覚的には,異物感,眼の開けやすさに改善を認めたものが多かった。全体としては,抜糸による上皮細胞の変化は症例による差が大きかったものの,上皮細胞面積の増大,透過性の亢進がみられた例の多くは,抜糸により改善した。

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 36歳男性の左眼の網膜中心静脈閉塞症に続発した血管新生緑内障に対して毛様体冷凍凝固術施行後,中毒性表皮壊死症が発症した。発症初期よりドライアイ,輪部結膜壊死,角膜上皮欠損がみられ後に角膜帯状変性を併発,左眼は角膜穿孔をきたし,右眼は遷延性角膜上皮欠損となり,最終的には角膜は結膜で被覆された。本疾患の角結膜障害は,全身の表皮壊死融解とともに眼表面上皮が壊死し,それに伴い幹細胞が疲弊するためと推定された。本症例での発症の原因は不明であった。

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 1991年1月から1994年7月までの期間に九州大学医学部眼科を受診した129例のアトピー性皮膚炎患者のうち,白内障のみられた48例87眼の臨床的特徴について検討した。男性33例,女性15例,平均年齢23.3±6.5歳,眼科的自覚症状のない症例は9例15眼であった。水晶体混濁の性状は後嚢下混濁41眼,前嚢下混濁22眼,前後嚢下混濁10眼,成熟白内障8眼であった。網膜剥離は27眼に,前房混濁は15眼に合併していた。視力は,成熟白内障,前嚢下混濁,後嚢下混濁の順に悪い傾向にあった。顔面皮膚症状が重篤な症例に白内障が多くみられた。

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 網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)における血液房水柵機能障害が水晶体に及ぼす影響について水晶体自発螢光と前房フレアー値を指標に検討した。

 対象は臨床的に白内障がないBRVO患者50眼(平均59.9歳)である。水晶体自発螢光の測定は前眼部撮影装置を用いて,水晶体を撮影した。撮影の条件は光源のキセノンランプ,水晶体およびカメラの角度を90°に設定し,光路上に励起フィルターと螢光フィルターを装着して計測した。BRVO眼の水晶体螢光強度は僚眼や対照に比べ有意に高かった(p<0.05)。前房フレアー値も高値を示した。また網膜毛細血管床閉塞の範囲や罹病期間と正の相関を示した。BRVO眼では血液房水柵の障害によって水晶体蛋白の代謝障害を生じ,水晶体螢光が増加したものと推察される。

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 調節の異常緊張を除去して屈折検査を行い,眼鏡を処方する目的で,4%ホマトロピン加1%サイクロジル液を小児近視例に点眼した。1%サイクロジル液単独よりも有意にプラス側の自覚的屈折値を得たが,その差は平均値で0.001Dと小さく,雲霧下と同等の自覚的屈折値を得た。調節麻痺作用が最長5.9日も持続し,点眼痛が強かったことを総合すると,4%ホマトロピン加1%サイクロジル液を今後小児近視例の第一次選択薬剤として使用することは妥当ではなく,小児近視例の屈折検査においては,雲霧法が第一次選択として用いられるべきものと考えた。

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 88例の間歇性外斜視患者を対象に,術前のプリズムアダプテーションテストの有効性を検討した。初回のプリズムアダプテーションテストによって生じた斜視角の変化量により,患者を2つのグループに分類した。術前のプリズムアダプテーションテストで測定された斜視角をもとに手術を全例に施行した。88例中71例(81%)が術後1年目に正位から10△以内におさまった。初回のプリズムアダプテーションテストで生じた斜視角の変化量と手術成績には有意な関係はみられなかった。

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 地図状脈絡膜炎の症例8例13眼の長期経過を検討した。年齢は26歳から55歳,平均42歳で,性差はなく,経過観察期間は6か月から11年,平均6.4年であった。初発病巣が乳頭周囲から始まったものは8眼,黄斑部が3眼,赤道部が1眼であった。治療は活動期には副腎皮質ステロイド薬,抗生物質,非ステロイド性消炎薬などの内服を行い,活動性病巣は2週から4週,平均3週で,比較的速やかに消炎し始めた。しかし,固定状態となる時期は2か月から2年6か月,平均5か月を要し,治療に抵抗して慢性進行型の経過をとるものがあった。経過観察中,半数以上は再発ないし拡大,進行するため,いったん完治したようにみえても長期間の経過観察が必要であった。

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 ベーチェット病に対するコルヒチンとアロプリノールの併用療法の効果について報告した。対象はコルヒチンの単独投与では眼炎症発作が十分に抑制されないベーチェット病患者11例,20眼である。全例コルヒチンにアロプリノールの追加投与を行い,観察期間は平均10.6か月である。その結果,全体の85%に視力の維持または改善がみられ,炎症発作頻度は平均3.1回/6か月から1.6回/6か月に減少した。また多くの症例で口腔内アフタなどの眼外症状の改善がみられた。副作用は全くみられなかった。

 眼炎症発作のコントロールが不十分なベーチェット病患者に,コルヒチンとアロプリノールの併用療法は有効と考えられた。

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 ベーチェット病患者の併発白内障14症例21眼に対して最近4年間に行った超音波乳化吸引術および眼内レンズ挿入術を含む手術成績を検討した。5例7眼には水晶体嚢内摘出,3例5眼には水晶体嚢外摘出,7例9眼には超音波乳化吸引術と眼内レンズ挿入を行った。手術時の年齢は38歳から57歳,術後経過観察期間は6か月から52か月であった。手術前後の6か月間で眼発作の頻度の変化には,各術式間で差はなかった。術後2段階以上視力の改善したのは14眼で,術式間で差はみられなかった。ベーチェット病患者には超音波乳化吸引術および眼内レンズ挿入が可能である。

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 間質性腎障害を伴うIgA腎症にぶどう膜炎を合併した1例について検討した。両眼に微細な角膜後面沈着物,前房内にフレアおよび細胞,前部硝子体に炎症性細胞,両視神経乳頭の軽度発赤を認め,網膜静脈は一部拡張し,螢光眼底造影にては両視神経乳頭の過螢光を認めるなど,尿細管・間質性腎炎とぶどう膜炎症候群と同様の臨床症状であったが,新たな所見として片眼にDalen-Fuchs結節様の沈着物を認めた。IgA腎症は腎糸球体の炎症であるが,本症例のように間質性腎障害を伴うことも多い。本症例の発症機序として,腎糸球体と尿細管とぶどう膜に共通な抗原の存在の関与が推測された。

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 Fisher症候群患者の急性期血清中にガングリオシドGQ1bに対するIgG抗体が特異的に認められ,同症候群の有用な診断法として応用できる。抗体価は眼球運動障害と相関している。本研究ではFisher症候群以外の外眼筋麻痺患者41例(原因確定例26例,不明15例)を対象として血清中の同抗体をELISA法で検索した。原因不明の外眼筋麻痺2例のみに同抗体が検出され,他の39例はすべて陰性であった。抗体陽性の2例はFisher症候群と同様の機序で眼筋麻痺が出現した非典型的Fisher症候群と考えられた。血清抗GQlb IgG抗体の検査は眼球運動障害を呈する患者の病態診断の上で有用と考えられる。

連載 今月の話題

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 螢光眼底造影を用いた網膜血管血流の定性的評価と半定量的評価が日常臨床の場に登場して久しく,この検査なくしては網膜疾患の病態を語れない現在である。しかしながら,医用機械の進歩には目ざましいものがあり,今後網膜血流量の絶対値(ml/min)が日常の臨床の場で計測できる日が近い。この稿では,網膜循環測定法の歴史的背景と,われわれが注目しているレーザードップラー血流測定法の現況を紹介したい。

連載 眼の組織・病理アトラス・101

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 成人T細胞白血病(ATL)はHTLV−I感染者に発症する予後不良な白血病である。日本,特に九州,沖縄はHTLV−Iの濃厚感染地帯で,年間約500人のATL患者が発生する。ATLの眼症状としては,ATL細胞の浸潤による眼窩眼瞼の腫瘤形成,眼内浸潤,眼日和見感染が報告されている。他方,HTLV−I感染者にぶどう膜炎がみられることがある(HTLV−I関連ぶどう膜炎)。このぶどう膜炎とATL細胞の浸潤によるぶどう膜炎症状は全く異なる疾患概念である。

 ATLの眼内浸潤は,通常ATLの経過中に生じるが,全身症状が明らかでない時期に眼症状が先行した例がある。ここに示す症例は38歳の南九州在住の男性で,右眼の急激な視力低下があり,初診時に前房混濁,硝子体混濁,眼底全体にびまん性の網膜混濁がみられた(図1)。2週後には左眼にも前房硝子体混濁と乳頭鼻側網膜の限局性の白色滲出性病変が出現し,網膜血管炎を伴っていた。この病変は急速に拡大して乳頭を含み,乳頭浮腫を呈した(図2)。さらに1か月後,行動異常が出現し,急速に意識レベルが低下し,眼症状発現から約3か月の経過で死亡した。死亡の10日前から末梢血にATL細胞が出現し,ATLと診断された。

連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・75

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 Continuous curvilinear capsulorhexis(CCC)の基本テクニックには,シストトームと鑷子を使う方法があり,筆者は25G針の先を曲げたシストトームを使っている。これにBalanced Salt Solu—tion (BSS)灌流液をつないで1mmサイドポートから挿入し,CCCを施行している(図1〜4)。なお,成熟,過熟白内障と角膜切開無縫合手術では鑷子でのCCCを施行している。

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緒言 サルコイドーシスによるぶどう膜炎で強度の眼底病変が持続すると増殖性変化をきたすことがあり,このような状態を Duker ら1)はproliferative sarcoid retinopathyと呼称し,特徴をまとめている。筆者らは典型的な両眼性の1例を経験したので報告する。`

眼科の控室

カルテの訂正
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 診療の現場では,カルテの記載事項の訂正が必要になることがあるものです。

 実例は山ほどあります。子供の診察で,最初の視力測定ではあまり見えなかったのが,もう一度あとから測ってみると,実際は見えていたという場合などがそれです。あまり頻繁にあっては困りますが,右眼と左眼の記述が逆であった場合もそれです。また,担当医が交代したときにも,その名前を書き替える必要が出てきます。

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 症例は37歳女性で,真性小眼球症に伴うuveal effusionに対し渦静脈減圧術が行われ,治癒した既往がある。4年後,白内障手術を行ったところ,術後uveal effusionが再発したが,比較的短期間に自然消退した。真性小眼球症に対する内眼手術後のuveal effusionは難治性のことが多いとされるが,以前行った渦静脈減圧術が今回のuveal effusionの消退に有効であったと考えられる。uveal effusionの既往のある真性小眼球症であっても渦静脈減圧術を行ってあれば白内障手術は可能であると思われる。

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 Valsalva手技に伴って網膜出血をきたすValsalva出血性網膜症と考えられた症例を報告した。症例は18歳,男性で,剣道の練習中に竹刀で喉を突かれ,その直後から左眼の視力低下をきたした。初診時,視力は左矯正で0.15であり,検眼鏡的には黄斑部に円形の0.2乳頭径の網膜出血を認めた。出血は受傷後3週でほぼ消退したが,視力は徐々に向上し,受傷後5か月で左矯正視力1.2となった。

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 68歳女性の嗅神経芽細胞腫に施行された放射線療法による合併症と考えられる視神経障害に,高気圧酸素療法およびステロイド治療を行った。本症例では両者の併用により,視機能ならびに眼底所見の改善が認められた。他の報告によれば放射線視神経症に対する高気圧酸素療法の効果については疑問視する向きもあるが,本症例の結果から,高気圧酸素療法は放射線視神経症に試みてみる価値があると思われた。

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 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の眼感染症の1症例に対して,バンコマイシン点眼液を作成して加療した。症例は81歳女性,右眼の慢性涙嚢炎と表層角膜炎を認め,涙嚢洗浄で逆流した膿からMRSAが単独に検出された。患者本人の訴えが軽微で,高齢であることから,手術的治療は行わず,感染に対するコントロールのみを目標とした。薬剤感受性検査で,当院に採用されている点眼薬にはすべて耐性を示したため,バンコマイシンの点眼液を作成して治療した。点眼開始後2週間めにはなお微量のMRSAが検出されたが,その後は点眼を中止した後にも検出されず,当初の目標は達成された。

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 糖尿病網膜症の病態のうち黄斑浮腫は視力低下の原因として頻度が高い。最近,糖尿病黄斑浮腫の病態に後部硝子体膜の牽引の関与が指摘されている。筆者らは後部硝子体膜の牽引が考えられる糖尿病黄斑浮腫5症例5眼に対し硝子体手術を行い,黄斑部にかかる牽引の解除を試みた。手術後5症例全眼で解剖学的な浮腫の減少,視力の改善が得られ,黄斑部への牽引が考えられる糖尿病黄斑浮腫に対する硝子体手術の有効性が示唆された。

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 Pro-urokinaseは一本鎖型の不活性ウロキナーゼ前駆体で,ウロキナーゼに比べ,著明な血栓特異性を示す。筆者らは網膜中心静脈閉塞症に対して,新しい血栓溶解剤であるpro-urokinaseを投与する機会を得たので報告する。症例は,43歳男性であり,右眼眼底にびまん性の網膜出血と軟性白斑を生じており,当科初診時には,すでに一般の線溶療法の適応をすぎた後期滲出期の網膜静脈閉塞症であったが,同患者の強い要請もあってpro-urokinaseを投与した結果,視力の改善,出血,軟性白斑の吸収が得られ,長期にわたり経過良好であった。

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 眼瞼に悪性黒色腫を生じた71歳女性を経験した。組織学的にレベル4の悪性黒子型黒色腫であった。黒色腫を含む左眼瞼と左眼窩内容の除去術,前額皮弁を用いた形成外科手術,および,術前と術後のDAV〔D=DTIC (ダカルバジン®),A=ACNU (ニドラン®),V=VCR (オンコビン®)〕—Feron (β—インターフェロン®)療法により1年経過した現在に至るまで経過良好である。

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 片眼に多発性の巨大虹彩結節を形成したサルコイドーシス虹彩毛様体炎の1例を経験した。症例は23歳男性で,左眼視力低下を主訴に受診した。矯正視力は右 1.0,左眼前手動弁,眼圧は右 14mmHg,左30 mmHg,右前眼部に異常を認めず,左眼には毛様充血,豚脂様角膜後面沈着物,前房を埋て尽くす程の血管侵入を伴う黄白色の多数の巨大な虹彩結節を認めた。アンギオテンシン変換酵素や血清リゾチームの高値,肺門リンパ節腫脹,結膜および鎖骨下リンパ節生検でのリンパ球に囲まれた肉芽腫組織所見などが認められ,サルコイドーシスと診断した。ベタメタゾン6mgからの漸減療法と0.1%ベタメタゾン点眼で治癒し,左矯正視力0.8に回復し,眼圧も正常化した。この症例には,他眼に虹彩毛様体炎がみられなかったこと,ステロイドによく反応し予後が良好であったこと,後眼部に強い炎症所見がみられなかったなどの特徴があった。

第48回日本臨床眼科学会専門別研究会1994.11.4幕張メッセ

眼先天異常 馬嶋 昭生
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1.急性緑内障発作を繰り返した虹彩角膜内皮症候群の1例 川村洋行・他(浜松医大)

 24歳,女性の虹彩角膜内皮症候群の1例を報告した。1987年,左眼急性緑内障発作のため受診。左眼前房は深く,高度なほぼ全周の周辺虹彩前癒着,虹彩萎縮を認め,眼圧65mmHgであった。右眼隅角には異常なかった。眼圧下降剤全身投与で眼圧は数日間で正常化した。1988年,1991年に各1回同様の緑内障発作を同眼に生じたが,保存的治療で眼圧は速やかに正常化した。発作間歇期には1%ピロカルピン点眼で 10mmHg台であった。1993年7月,8月に発作を繰り返し,左眼圧は72mmHgに上昇した。角膜内皮細胞平均面積は右眼362.7μm2,左眼587.6μm2であった。隅角所見は初診時と変化なかったが,保存的治療が無効だったため,マイトマイシンCを併用した線維柱帯切除術を施行した。術後左視力1.0,視野には異常なく,この1年間は急性緑内障発作は起こしていない。右眼には経過中異常を認めなかった。

地域予防 赤松 恒彦
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 1994年度第48回日本臨床眼科学会における地域予防眼科研究会の演題には13題の応募があったが,多過ぎたので一人で2題演題を提出された方には1題に遠慮していただいた。会場の椅子が40であったために多数の先生方が廊下にあふれることになってしまい,関心の深さがうかがわれた。

 演題は学校保健1題,地域における眼科医療問題,特に老人および視覚障害者の問題の取り組みが7題,僻地医療および海外医療援助関連が4題あった。

視神経 阿部 春樹
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 臨眼での専門別研究会「視神経」は,一般講演10題と教育講演1題の構成で行われた。従来は,グループディスカッションとして午前と午後に分かれて1日のスケジュールであったが,今年は11月4日の午前中のみで,出席者が各会場に分散して少ないことが予想された。実際,開会直後は出席者が少なく心配したが,徐々に増加し教育講演の頃には満員の盛況で,立ち見の方が出るほどで,主催者(世話人)としては責任の一端を果たせたと考えている。

 専門別研究会「視神経」の内容をプログラムの順番に説明する。

読者から

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 「桐沢型ぶどう膜炎」の原著1)について,本誌上で谷原秀信氏から身に余るお言葉を頂載した2)。“本当によい論文はたとえ日本語で発表されたものでも結局は認知され,重視される”というものである。発表後ほぼ10年間は引用されず,その後世界中で引用され続けている表が添えられている。自分ではこのようにまとめてみたことがなかったので,嬉しくもあり,若干の感想もあった。以下,その感想の一端をまじえた後日談である。

文庫の窓から

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 『捷徑辨治集』が天正5年(1577)に曲直瀬道三(1507〜1594)により編述された医書であることはよく知られているが,『美濃醫書』の内容が『捷徑辨治集』の内容と酷似していることについての報告は少ないようである。ここに紹介のものは次の3点である。

基本情報

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臨床眼科
49巻3号 (1995年3月)
電子版ISSN:1882-1308 印刷版ISSN:0370-5579 医学書院

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