皮膚科の臨床 61巻3号 (2019年3月発行)

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特集　細菌・抗酸菌感染症

Panton-Valentine Leukocidin産生黄色ブドウ球菌による背部巨大癰の1例濱野　優 , 深井　達夫 61巻3号 , 2019年3月 , pp.297-300

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80歳，女性。約10日前より徐々に悪化してきた背部の皮疹を主訴に当科を受診した。背部に20cm大の排膿を伴う発赤・腫脹がみられ，背部の巨大癰と診断した。創部培養でmethicillin-resistant Staphylococcus aureus（MRSA）陽性であり，入院にてバンコマイシン塩酸塩の投与を行った。抗菌薬投与終了後，残存している潰瘍部に対して陰圧創傷治療システムを導入し，創部は閉鎖した。その後創部から採取した検体よりPanton-Valentine leukocidin（PVL）産生MRSAが検出された。易感染性の基礎疾患がない患者で巨大癰をみたときには，起因菌としてPVL産生MRSAを念頭に置く必要がある。

Toe Web Infectionの2例山村　里恵 , 敷地　孝法 61巻3号 , 2019年3月 , pp.301-305

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79歳男性，49歳男性のtoe web infectionの2例を経験した。農業および建設業に従事していて長靴を長時間履き，趾間にびらん，潰瘍を発症した。2例とも細菌培養検査で緑膿菌が検出され，治療は抗菌薬全身投与と病変部の洗浄，抗菌薬軟膏処置を行い改善した。治癒後趾間が湿潤しないように指導したが，いずれも再発した。過去の報告と自験例から，本症は足の湿潤状態が発症要因となり，治療，予防には洗浄などによる足の清潔，乾燥が重要であると考えた。

趾間感染症の3例岡部　杏慈 , 東　直行 , 佐伯　秀久 61巻3号 , 2019年3月 , pp.306-310

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当科で経験した緑膿菌による趾間感染症の3例を報告した。いずれも糖尿病合併のない男性で，治療反応性は個人差があった。潰瘍と正常部との境界が白色に浸軟，角化した辺縁で縁取られる “hyperkeratotic rim” を特徴とする臨床像が共通しており，酢酸浴や壊死組織のデブリードマンは効果があった。本疾患のリスクファクターとして，趾間の密着，反復する足白癬，抗真菌薬の長期外用，ステロイド外用，安全靴や革靴を履く生活習慣などがあげられる。本邦での報告は少ないが治療に難渋することも多いため，認知度を高め，早期診断，治療と再発予防のための生活指導を行う必要がある。

小児における熱傷後Toxic Shock Syndrome Toxin-1関連発疹症の2例橋口　万里奈 , 佐藤　厚夫 , 芝田　明和 , 斎藤　典充 , 城　裕之 61巻3号 , 2019年3月 , pp.311-315

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熱傷後toxic shock syndrome toxin-1（TSST-1）関連発疹症の9カ月男児，11カ月男児の2例。2例とも熱傷後数日～1週間で発疹と発熱を認め，全身状態は保たれていた。末梢血フローサイトメトリーにおいてTCRVβ2陽性T細胞の活性化割合が上昇していた。2例とも症状は数日以内に軽快した。本邦において，小児の熱傷は皮膚科や形成外科が診療することが多いが，TSST-1関連疾患の診療は小児科が主体となる。熱傷後に中毒性紅斑を呈した小児においては，TSST-1関連発疹症を念頭に置き，皮膚科・形成外科と小児科が十分な連携をとって診療することが望まれる。

発症早期の皮膚腺病と考えた1例大村　尚美 , 新石　健二 , 松沼　亮 , 辻端　亜紀彦 61巻3号 , 2019年3月 , pp.316-319

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88歳，女性。4日前より左側頸部に限局性に潮紅と腫脹が出現した。咳嗽，発熱，体重減少などの全身症状はなかった。結核の既往や家族内の結核の発症もなかった。病理組織像で皮下膿瘍の形成を認めたが，明らかな結核結節はなかった。生検部の培養，組織PCR検査で結核菌陽性であった。皮膚腺病と考え，イソニアジド，リファンピシン，エタンブトールの3剤内服治療にて軽快した。皮膚腺病は早期に診断し治療を行うことが重要であるが，菌量が少なく，必ずしもすべての検査で結核菌が検出されるとは限らない。速やかに治療を開始するため，複数の検査結果から総合して診断に至る必要があると考える。

前腕に生じた皮膚腺病の1例上田　朋子 , 蒲澤　美代子 , 菊地　英豪 , 岡井　隆広 , 藤井　達也 , 甲斐　浩通 61巻3号 , 2019年3月 , pp.320-323

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75歳，女性。Sjögren症候群に対しプレドニゾロン6mgを内服中である。2カ月前より左前腕に腫脹と圧痛を伴う皮下腫瘤を自覚し，徐々に増大した。セファレキシンを750mg投与するも改善に乏しく，生検にて乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽種の所見を認めた。生検から5カ月後，自潰し，排膿・壊死組織がみられた。壊死組織のPCRで結核菌を検出したため皮膚腺病と診断した。イソニアジド，リファンピシン，エタンブトール，ピラジナミドの抗結核薬4剤併用療法を開始し，皮膚潰瘍に対してはデブリードマンと潰瘍処置を継続し軽快した。皮膚腺病が前腕に生じることはまれであり，貴重な症例と考えた。

炎症性粉瘤様の外観を呈した頸部に生じた皮膚腺病の1例竹本　朱美 , 中野　純二 61巻3号 , 2019年3月 , pp.324-325

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現病歴　発症時期は不明だが，右頸部に皮膚腫瘤があり，4カ月前に近医にて炎症性粉瘤と診断され切開術を受けた。しかし，その後上皮化が遷延し，皮下に硬結を触れるため，精査加療目的で当科を紹介受診した。

オオウナギ咬傷後に生じたMycobacterium marinum感染症の1例伊藤　誠 , 大嶺　卓也 , 苅谷　嘉之 , 山口　さやか , 新嘉喜　長 , 山本　雄一 , 高橋　健造 61巻3号 , 2019年3月 , pp.326-327

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現病歴　自宅近くの川で捕獲したオオウナギ（Anguilla marmorata）を観賞用に自宅水槽で飼育していた。水槽清掃中，オオウナギに右手背を咬まれた。1カ月後には手背から前腕にかけて紅斑や結節が上行性に進展してきた。前医にてスポロトリコーシスを疑われ，当科を紹介受診した。

診断に難渋した皮膚Mycobacterium abscessus感染症の1例松本　幸男 , 松岡　摩耶 , 竹内　そら , 川上　民裕 , 門野　岳史 , 相馬　良直 , 吉澤　公人 61巻3号 , 2019年3月 , pp.329-333

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34歳，女性。抗菌薬内服に抵抗性の右上腕外側の瘻孔を伴う拇指頭大淡褐色斑を皮膚生検した。真皮浅層に血管拡張，赤血球血管外漏出，リンパ球を中心とした炎症細胞浸潤，線維化を伴う浮腫を認めた。組織の各種培養は陰性であったため，抗菌薬は使用せず経過観察としたところ，半年後に右上腕内側と右側胸部に紅色結節が新生した。同部の穿刺液よりMycobacterium abscessusが検出された。6カ月間クラリスロマイシンとモキシフロキサシンを内服し加療，略治した。Mycobacterium abscessus感染症を疑う症例で抗菌薬の使用歴がある場合は，抗菌薬を中止して慎重に経過観察し，膿汁の培養をくり返し行うことが重要と考えられた。

巻頭言

「ニッチ」領域である皮膚腫瘍・皮膚外科を生業とすること松下　茂人 61巻3号 , 2019年3月 , pp.295-296

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皮膚腫瘍・皮膚外科領域は，皮膚科のなかでは王道ではないが依然潜在的なニーズ溢れる「ニッチ」領域である。これらを生業とするようになったのは，3人の恩師抜きには語れない。

Clinicolor

Acral Persistent Papular Mucinosisの1例沼田　夏希 , 前田　進太郎 , 松下　貴史 , 濱口　儒人 , 竹原　和彦 61巻3号 , 2019年3月 , pp.293-294

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現病歴　5年前より両手背に自覚症状のない丘疹が出現した。3年前に近医を受診し，皮膚生検が施行されるも診断には至らなかった。手背の丘疹は徐々に増数し，前腕にも拡大したため当科を受診した。

臨床講義

新規のアトピー性皮膚炎治療アプローチ井川　健 61巻3号 , 2019年3月 , pp.335-342

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アトピー性皮膚炎（atopic dermatitis，以下AD）は，本邦では「増悪と軽快を繰り返す瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり，患者の多くはアトピー素因をもつ」と，定義されている（日本皮膚科学会）。いずれにしても，疾患概念として現時点におけるコンセンサスを得ている考え方としては，いろいろな遺伝的要因と環境要因（後天的な増悪因子）が複雑に絡み合って発症し，その症状が維持されていく慢性の炎症性皮膚疾患である，ということであろう（図1）。

Dr.斎田の皮膚科診断講座

Dr.斎田の皮膚科診断講座（27）斎田　俊明 61巻3号 , 2019年3月 , pp.343-345

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症例情報　70歳代，女性。最近，左下腿に紅色調の病変があるのに気づいた。初診時，左下腿上方内側部に10.0×7.5mmの淡紅色～淡紅褐色の斑状皮疹が認められた（図1）。自覚症状は訴えない。図2にそのダーモスコピー像を示す。

ちょっと一息　医局ラウンジ

第15回　愛媛大学 61巻3号 , 2019年3月 , pp.346-347

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皮膚科学講座内に皮膚科診療科と形成外科診療科があり，日本で一番仲が良い皮膚科・形成外科であると自負しています。「仕事も遊びも一流を目指そう」をモットーとし，教授以下個性派ぞろいのスタッフたちを中心に，全員一丸となって日々精進しています。

症例

点状掌蹠角化症1型の1例濱野　優 , 深井　達夫 , 神谷　由紀 61巻3号 , 2019年3月 , pp.349-352

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52歳，男性。40歳代より明確になり，徐々に悪化してきた掌蹠の皮疹を主訴に当科を紹介受診した。両足底の荷重部と手指腹側および手掌に最大5mm大の角化性丘疹が多数みられ，掌蹠角化症を考えた。皮疹部の病理組織像は，皮角部分の角層が著明に肥厚しており，同部位の表皮は真皮側に陥凹していた。遺伝子検索の結果，AAGAB遺伝子変異を認め，点状掌蹠角化症1型と診断した。治療として，エトレチナート40mg/日（0.5mg/kg/日）の内服およびマキサカルシトールの外用を開始したところ，足底の皮疹は脱落していき皮疹は改善した。過去の症例も含め検討し，エトレチナート内服による全身治療が有効であると考えた。

アダパレンゲルが奏効したTransient Acantholytic Dermatosisの1例作田　梨奈 , 竹内　博美 , 笹尾　ゆき , 岩原　邦夫 , 加賀　麻弥 , 池田　志斈 61巻3号 , 2019年3月 , pp.353-356

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65歳，男性。半年前より背部，両上腕背側に瘙痒を伴う皮疹が生じた。ステロイド外用で改善なく，皮膚生検を施行したところ，病理組織学的に棘融解を示した。高齢発症で家族歴がなく，掌蹠や爪甲に皮疹がみられなかったため，transient acantholytic dermatosisと診断した。アダパレンゲル外用のみで約1カ月後には皮疹は軽快し，その後も再燃はない。本症に対しアダパレンゲルを使用した症例は自験例が初めてであるが，治療法のひとつとしてその有用性が示唆される。

Acral Persistent Papular Mucinosisの1例沼田　夏希 , 前田　進太郎 , 松下　貴史 , 濱口　儒人 , 竹原　和彦 61巻3号 , 2019年3月 , pp.357-360

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53歳，女性。5年前より両手背に自覚症状のない丘疹が出現した。3年前に近医で皮膚生検が施行されるも診断には至らなかった。徐々に増数し，前腕にも拡大したため当科を受診した。初診時，両手背に5mm大までの黄白色丘疹が多発し，前腕にも少数みられた。病理組織では真皮浅層に膠原線維の変性，淡青色の細網状物質の沈着を認め，alcian blue染色陽性，コロイド鉄染色陽性であった。甲状腺機能障害はなく，M蛋白血症など基礎疾患は認めなかった。特徴的な臨床像とあわせて，皮膚ムチン沈着症のひとつであるacral persistent papular mucinosisと診断した。本疾患はまれであり，全身症状を伴わないが，長期の経過をたどり難治性である。

Moulin型線状皮膚萎縮症の1例黒田　瑛里 , 門野　岳史 , 川上　民裕 , 相馬　良直 , 後藤　隆子 61巻3号 , 2019年3月 , pp.361-364

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15歳，女性。3年前より腹部に不整形の色素斑が出現し，徐々に拡大した。右腹部に42×42mm大のわずかに陥凹した，不整形で一部線状を呈する褐色調の萎縮斑を認めた。皮疹に光沢や硬化は伴わず，瘙痒感および疼痛もみられなかった。腹部の病理組織では表皮はやや萎縮し，真皮には軽度の浮腫性変化がみられ，血管周囲に軽度の炎症細胞浸潤を認めた。一般血液検査に異常なく，抗核抗体も陰性であった。皮疹は褐色萎縮性局面より構成され，硬化や炎症所見に乏しいことより，Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症との鑑別が問題になったが，片側性でBlaschko線に沿って配列していたことを重視して，Moulin型線状皮膚萎縮症と診断した。

重症膵炎に合併した皮下結節性脂肪壊死症の1例遠藤　恵 , 磯田　祐士 , 堀内　義仁 61巻3号 , 2019年3月 , pp.365-368

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55歳，男性。アルコール性急性膵炎にて当院消化器内科に入院した。画像，血液検査所見から重症膵炎として加療されていた。入院1週間後頃より下腿の紅斑があり，当科を紹介受診した。両下腿足関節周囲中心に拇指頭大までの圧痛を伴う皮下結節が多発し，上肢にも散在していた。病理組織検査にて皮下結節性脂肪壊死症と診断した。膵管ステント留置後，膵逸脱酵素改善とともに皮疹も自然消退した。過去にも急性膵炎で入院加療歴があったが，膵逸脱酵素が著明に上昇した今回の入院でのみ皮疹が出現しており，重症膵炎のデルマドロームとなることが示唆された。

先天性色素性母斑の剃毛により発症したRecurrent Nevus 山城　奈々 , 加藤　雪彦 , 安齋　眞一 , 梅林　芳弘 61巻3号 , 2019年3月 , pp.369-372

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69歳，男性。生来ある右大腿の有毛性の色素斑を剃刀で剃毛した後，色素斑の一部が隆起してきた。右大腿に43×30mm大の黒色局面があり，そのなかに18×20mm大の黒色～淡紅色調の結節があった。組織学的に表皮内に多数のメラノサイトが孤立性ないし胞巣を形成しつつ増殖し，表皮上層から角層にまで及んでいた。メラノサイト胞巣には著明な大小不同があり，メラノサイトの異型性も認められた。真皮上層は線維化が顕著であり，真皮中～下層では腫瘍細胞がシート状に増殖し，最深部では小型化していた。有毛性の先天性色素性母斑の剃毛をきっかけに発症したrecurrent nevusの報告はまれと考え報告した。

生検で無色素性基底細胞癌を疑った毛芽腫の1例作田　梨奈 , 竹内　博美 , 岩原　邦夫 61巻3号 , 2019年3月 , pp.373-376

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80歳，男性。半年前より左大腿にドーム状に隆起する淡紅色結節を自覚し，徐々に増大した。皮膚生検の病理組織像より基底細胞癌を疑い全切除した。病理組織学的に，表皮と連続性のない腫瘍胞巣が明瞭なfibroepithelial unit（FEU）を形成し，毛乳頭への分化を示す胞巣もみられたことから毛芽腫と診断した。自験例は比較的短期間で増大し，好発部位ではない大腿に生じ，生検で腫瘍胞巣周囲に裂隙がみられた点から，無色素性基底細胞癌との鑑別が困難であった。CK20染色は陰性であったが，免疫組織化学染色の所見を両者の鑑別根拠とするには乏しく，FEUの存在および下部毛包への分化像に基づき毛芽腫と診断した。

左頸部に3個の基底細胞癌とそのうちの2個に日光角化症との重複を認めた1例大原　香子 61巻3号 , 2019年3月 , pp.377-381

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79歳，男性。左頸部に1個ずつ認める紅色結節と黒色結節を主訴に受診した。病理組織学的に2つとも基底細胞癌と日光角化症の重複であった。近傍の小黒色斑も基底細胞癌で，合計3個の多発性の基底細胞癌であった。多発性は基底細胞癌全体の7.1％で認められ，片側性のことが多いとされる。基底細胞癌と日光角化症，もしくは有棘細胞癌との重複は非常に珍しく2例目である。日光照射の少ない職業であったが，真皮にsolar elastosisを認め，日光照射が誘因と考えられた。臨床所見からの診断が非常に難しい症例であったが，今後も癌の重複例，多発例を見逃さないように注意したい。

広基有茎性茶褐色腫瘤を呈したAneurysmal Fibrous Histiocytomaの1例熊谷　宜子 , 朝倉　涼平 , 杉浦　丹 , 横山　知明 61巻3号 , 2019年3月 , pp.383-386

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61歳，男性。2年前より左上腕に茶褐色調の腫瘤を自覚し，切除希望で当科を受診した。3cm大，弾性軟な広基有茎性で，CT検査では筋組織への浸潤は認めなかった。病理検査では真皮浅層から深層に紡錘形細胞と膠原細胞が花筵状に増生し，一部に硬化像と血管様の構造を認めた。出血像の周囲には血管内皮様細胞の裏打ちを認めず，ヘモジデリン沈着を伴っていた。以上より，Santa Cruzらにより初めて報告された，動脈瘤性線維性組織球腫（aneurysmal fibrous histiocytoma）と診断した。良性疾患であり，転移することはまずない。隆起性皮膚線維肉腫を鑑別にあげたが，病理像は多彩な所見が混在し，モノクローナルな腫瘍増殖ではないため否定した。他の鑑別についても考察した。

膝蓋に生じたSuperficial Angiomyxomaの1例渡邉　光子 , 森村　壮志 , 菅谷　誠 , 冨田　裕彦 , 安齋　眞一 61巻3号 , 2019年3月 , pp.387-390

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77歳，女性。約2年前より左膝に腫瘤が出現し，当科を受診した。受診時，左膝蓋に14×12mm大の淡紅色有茎性結節を認めた。病理組織学的に真皮から皮下組織にかけて比較的境界明瞭な結節性病変を認め，腫瘍は分葉状に淡く染まる部分と，それを取り囲む索状の構造から構成されていた。腫瘍内部には粘液様物質と異型性の乏しい小型の紡錘形細胞，小血管の増生がみられた。粘液様基質はalcian blue染色陽性，腫瘍細胞はCD34陽性，S-100蛋白陰性であった。以上の所見よりsuperficial angiomyxomaと診断した。粘液腫様の間質を有する皮膚疾患は臨床所見，好発部位，病理所見をあわせて鑑別を行う。

前額部に生じた隆起性皮膚線維肉腫の1例船水　薫 , 山田　大資 , 須田　久美子 , 河合　徹 , 沼尻　宏子 , 大垣　淳 , 尾松　淳 , 三枝　良輔 , 山下　尚志 , 宮川　卓也 , 赤股　要 , 松田　芳和 , 佐藤　伸一 61巻3号 , 2019年3月 , pp.391-394

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33歳，女性。2年前から前額部正中に結節が出現し徐々に増大したため近医を受診した。小指頭大の結節で粉瘤を疑われ切除された。病理組織で隆起性皮膚線維肉腫と診断され当科を紹介受診した。当科初診時6mm大の瘢痕と8mm大の皮下結節を認め，MRIではSTIRで高信号の領域が触診で触れる範囲よりも広範囲にみられた。MRIの高信号領域から2cm離し，骨膜上で切除した。病理組織では腫瘍は前頭筋内に浸潤していた。隆起性皮膚線維肉腫は，体幹・四肢に好発し前額部発症はまれである。顔面は機能面，整容面から十分な切除範囲をとることが難しい。術前に画像検査で範囲を確認し，個々の症例に応じて切除範囲を決めることが必要である。

後頸部に生じた褐色脂肪腫の1例熊谷　宜子 , 泉　映里 , 髙江　雄二郎 61巻3号 , 2019年3月 , pp.395-398

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27歳，男性。2～3年前から左後頸部のしこりを自覚した。来院時同部位に40×35mm大の弾性軟で境界明瞭な皮下腫瘤があった。MRI検査で腫瘤はT1強調画像低信号，T2強調画像高信号，脂肪抑制T2強調画像高信号で境界明瞭であった。T2強調画像では腫瘍内下部に蛇行するflow voidを認めた。手術時皮下に黄色調の被膜に覆われた腫瘤を認めた。病理組織所見で好酸性顆粒状胞体を含む細胞，多空胞状細胞，脂肪細胞に似た単空胞状細胞から構成されるS-100陽性な腫瘍細胞の増生と隔壁構造があり，褐色脂肪腫と診断した。主に冬眠動物にみられる褐色脂肪組織に由来する良性腫瘍で，1906年にMerkelにより初めて報告され，1914年にGeryにより，冬眠腫（hibernoma）と称された。比較的まれな腫瘍であり，臨床画像検査のみでは術前診断に至らなかった。しかし，腫瘍内のflow voidは本疾患に特徴とされ，MRI検査は術前の鑑別診断の一助となる。

手指爪部のグロムス腫瘍に対する超音波検査，特に血流評価の有用性の検討遠藤　未希 , 小川　眞広 , 小野江　明日香 , 藤川　一穂 , 相川　美和 , 松浦　大輔 , 照井　正 , 落合　豊子 61巻3号 , 2019年3月 , pp.399-403

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2006～2017年に当科で診断した，手指爪部グロムス腫瘍solid type 8例の超音波画像を検討した。Bモードでは全例に低エコー腫瘤を確認し，ドプラ検査では全例で血流信号を確認できた。さらに血流感度の高い高感度ドプラを施行した8例中6例では，全例で腫瘤内部と辺縁に微細で低流速の血流を確認した。この高感度のドプラ所見はグロムス腫瘍solid typeの特徴的な画像所見である可能性が示唆された。本症における超音波検査は，MRI検査に比し低コストであり，手指爪部の疼痛部位を確認しながら腫瘍の局在を確認できる利点がある。存在診断に加えて高感度のドプラ検査で特徴的な血流像を評価することで，本疾患の診断精度が向上し，臨床的意義が高いと考えられた。

メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患により生じた下腿潰瘍の1例寒川　愛美 , 濱岡　大 , 小倉　香奈子 , 国定　充 , 村上　英毅 , 薬師神　公和 , 錦織　千佳子 61巻3号 , 2019年3月 , pp.404-408

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76歳，男性。関節リウマチに対し7年前よりメトトレキサート（MTX）とプレドニゾロンの内服が開始された。その後左下腿に単発性の潰瘍が出現し，難治であり当科を紹介受診した。左下腿には5cm大の潰瘍を認め，CTでは多発肺結節影，右副腎結節を認めた。潰瘍部の病理組織では真皮から皮下脂肪組織内にCD30，EBER陽性の大型な異型リンパ球の浸潤を認め，MTX関連リンパ増殖性疾患と診断した。MTX内服中止1週間後より潰瘍は縮小し始め，再生検にて異型リンパ球の明らかな減少を認めた。2カ月後に潰瘍は上皮化し，肺結節，右副腎結節も消失した。単発性の下腿潰瘍を契機に診断されるMTX関連リンパ増殖性疾患はまれであるが，MTX中止のみで寛解を得られる症例もあるため，臨床経過や病理学的特徴より早期診断を行うことが重要である。

CD30陽性Lymphoproliferative Disordersを合併した菌状息肉症の1例藤原　明子 , 西田　絵美 , 加藤　裕史 , 古橋　卓也 , 澤田　啓生 , 森田　明理 61巻3号 , 2019年3月 , pp.409-413

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92歳，男性。2001年に紅皮症となり，病理組織でsuperficial chronic dermatitisと診断し治療にて一旦軽快した。その後，全身の紅斑が再燃し右前腕に2cm大の紅色結節が出現したため，再度受診した。紅斑部の病理組織像は菌状息肉症と考えられ，結節部は臨床像，病理組織よりCD30陽性lymphoproliferative disordersと診断した。WHO-EORTC分類では菌状息肉症とCD30陽性lymphoproliferative disordersはそれぞれ独立して分類されているが，過去にも菌状息肉症の経過中に原発性皮膚ALCLやリンパ腫様丘疹症など類似の結節を生じた合併例の報告も散見される。自験例も既存の分類には当てはまらないが，一連の経過からは関連性があると考えられたため，続発性と考えた。

急性リンパ性白血病患者に生じたEosinophilic Dermatosis of Hematological Malignancyの1例増田　泰之 , 中村　文香 , 鷲見　真由子 , 小坂　博志 , 長野　徹 61巻3号 , 2019年3月 , pp.415-418

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57歳，女性。2015年に急性リンパ性白血病に対し同種骨髄移植を施行した。その半年後に慢性移植片対宿主病と考えられる皮疹を生じたが，プレドニゾロン内服で軽快した。内服を終了して2カ月後に前腕・下肢に瘙痒感のある小丘疹が多発した。近医にて加療を受けたが難治のため当科を紹介受診した。初診時，両上肢，両下肢を中心に5mm大の紅色丘疹，結節が散在性に多数生じていた。皮膚生検では真皮浅層から深層にかけて好酸球や形質細胞を多数混じた密な炎症細胞浸潤がみられた。病歴，組織所見よりeosinophilic dermatosis of hematological malignancyと診断した。本症はさまざまな血液悪性疾患に合併または先行して生じるまれな皮膚疾患であるが，診断には他疾患を慎重に除外する必要があると考えた。

直接作用型抗ウイルス薬によるC型肝炎治療後も症状が持続していた形質細胞性口唇炎の1例永瀬　喬之 , 梶田　藍 , 小田　和歌子 , 原　裕一 , 川上　佳夫 61巻3号 , 2019年3月 , pp.419-422

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70歳，女性。3年前より下口唇にびらんが出現した。1年半前にC型慢性肝炎に対して，レジパスビル/ソホスブビル内服による直接作用型抗ウイルス薬治療を行いHCV RNAは陰性化したが，下口唇の症状は残存していた。初診時，下口唇にびらんを認め，病理検査では真皮内に多数の形質細胞浸潤がみられた。下口唇のびらんは0.1％タクロリムス軟膏を外用して治癒した。形質細胞性口唇炎と肝疾患との関連について述べた報告があるが，自験例ではHCVのウイルス量と口唇炎の病勢との間に直接的な関連は認められなかった。今後は症例の蓄積により，HCVとの関連が示唆される皮膚疾患に対する，直接作用型抗ウイルス薬の効果の有無が明らかにされることを期待したい。

第Ⅴ因子欠乏症を有する患者の陥入爪の治療経験山口　麻里 , 山本　絢乃 , 安富　陽平 , 長尾　洋 , 大野　貴司 , 妹尾　明美 , 藤井　総一郎 61巻3号 , 2019年3月 , pp.423-426

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88歳，女性。月経過多や他院での陥入爪処置時に止血が困難であった。PT，APTTの著明な延長より血液内科のクロスミキシングテストにて凝固因子欠乏パターンを示し，第Ⅴ因子欠乏症と診断された。非常にまれな凝固異常であり，出血程度は症例により異なるが，外傷，抜歯，外科手術の後に重篤な出血を生じる可能性もある。自験例も陥入爪の外科的治療に際し，その周術期に第Ⅴ因子活性が低値であり，新鮮凍結血漿の輸血で第Ⅴ因子を補充した。出血は遷延せず，その後傷は経過良好に軽快した。第Ⅴ因子欠乏症を有する患者の陥入爪の治療の貴重な経験例を報告した。

上腕の潰瘍を呈した続発性皮膚クリプトコッカス症の1例田中　陽奈 , 滝　奉樹 , 安田　公美 , 影山　潮人 , 榊原　章浩 , 岩舘　知史 61巻3号 , 2019年3月 , pp.427-431

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42歳，女性。大動脈炎症候群，関節リウマチでプレドニゾロン8mg，タクロリムス1mgを内服し，慢性腎不全で血液透析を受けていた。半年前より左上腕に紅色結節が出現し，近医で切開後に潰瘍を形成したため当科を受診した。初診時，上腕外側に30×25mm大の潰瘍があり，病理組織でPASおよびGrocott染色陽性の円形菌体を認め，培養でCryptococcus neoformansを同定した。血清Cryptococcus neoformans抗原陽性，肺・神経病変を認めず外傷歴もないことから，続発性皮膚クリプトコッカス症と診断した。フルコナゾール内服とアムホテリシンB外用にて軽快した。本症例では皮膚クリプトコッカス症の分類を再考し，また有用な治療法の一案を提示した。

茨城県で感染した日本紅斑熱の1例森野　幸 , 大橋　洋之 , 望月　俊彦 , 大塚　陽子 , 武藤　真悠子 , 久保　悠 , 松岡　摩耶 , 門野　岳史 , 川上　民裕 , 相馬　良直 61巻3号 , 2019年3月 , pp.432-436

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25歳，男性。茨城県霞ヶ浦付近でマダニに咬まれた後より，発熱，頭痛，手足の筋肉痛，全身の皮疹が出現し当科を受診した。初診時，左腰部に刺し口と思われる痂皮がみられ，手掌や足底を含む体幹・四肢に瘙痒を伴わない小豆大までの軽度浸潤を触れる紅斑を多数認めた。右前腕内側の紅斑部と，左腸骨部の刺し口と思われる部分から皮膚生検を行い，紅斑部の病理は壊死性血管炎の所見であった。刺し口からRickettsia japonicaの遺伝子が検出され日本紅斑熱と診断した。ミノサイクリン塩酸塩のみでは軽快せず，シプロフロキサシンを追加したところ著効した。本症の発生地域は近年拡大傾向であり，茨城県での感染例は本邦初であった。

憧鉄雑感

第84回　老人性色素斑安部　正敏 61巻3号 , 2019年3月 , pp.437-437

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名は体を表すというが，皮膚疾患における独特な病名は誠に便利である。例えば皮膚科医は “線状苔癬” という病名を聞いただけで，瞬時に臨床所見から病理，病態から治療まで思い浮かぶ。皮膚科学を作り上げてきた先人の慧眼であろう。しかし，時に病名が仇となる場合もある。いわゆる “シミ” を気にして来院する女性に “老人性色素斑” などとは口が裂けても言えぬ。そもそも，女性がいくつになっても美しくありたいというのは自然の摂理であり，高齢女性に対して他人である筆者が “老人” などというのは失礼極まりない。さりとて，筆者はテレビ司会者ではないので “お嬢さん” などと呼ぶ訳にもいかぬ。老人性色素斑は中年にもみられるため，病名を告げた瞬間ハラスメントと解される可能性すらある。いくらICD10に収載されていると言ったところで覆水は盆に返らぬ。

MiniReport

特徴的なダーモスコピー所見を呈した澄明細胞性棘細胞腫の1例高田　知明 61巻3号 , 2019年3月 , pp.438-439

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現病歴　近医で約2年間クロベタゾールプロピオン酸エステル（デルモベート^®軟膏0.05％）で外用療法をしていた。改善傾向を認めないので当科を受診した。

左下腿巨大悪性黒色腫の1例笹野　博子 , 平澤　祐輔 , 舛谷　友里恵 , 吉村　智子 , 岩永　温子 , 福田　泰子 , 本間　由希子 , 池田　志斈 61巻3号 , 2019年3月 , pp.440-441

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現病歴　3年前に発症した濾胞性リンパ腫は完全寛解し当院血液内科で経過観察されていた。4カ月前に全身の多発皮下結節，3カ月前に左頸部のリンパ節腫脹を自覚した。2カ月前に施行されたPET-CTで多臓器・リンパ節・皮下にFDGの集積がみられた。左頸部リンパ節生検を施行し，病理組織所見で悪性黒色腫の転移を疑われ，当科を受診した。

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目次 61巻3号 , 2019年3月

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英文目次 61巻3号 , 2019年3月 , pp.289-289

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投稿規定 61巻3号 , 2019年3月 , pp.290-291

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著作財産権譲渡同意書 61巻3号 , 2019年3月 , pp.292-292

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次号予告 61巻3号 , 2019年3月 , pp.348-348

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Information 61巻3号 , 2019年3月 , pp.414-414

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編集後記 61巻3号 , 2019年3月 , pp.442-442

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基本情報

皮膚科の臨床
61巻3号
(2019年3月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0018-1404 金原出版

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