Japanese
English
症例
直接作用型抗ウイルス薬によるC型肝炎治療後も症状が持続していた形質細胞性口唇炎の1例
Plasma Cell Cheilitis Prolonged after the Treatment of Hepatitis C with Direct-acting Antivirals
永瀬 喬之
1
,
梶田 藍
1
,
小田 和歌子
2
,
原 裕一
3
,
川上 佳夫
1
Takayuki NAGASE
1
,
Ai KAJITA
1
,
Wakako ODA
2
,
Yuichi HARA
3
,
Yoshio KAWAKAMI
1
1岡山市立市民病院,皮膚科(主任:川上佳夫医長)
2同,病理・臨床検査科
3川崎医科大学,肝胆膵内科学
キーワード:
C型肝炎
,
形質細胞性口唇炎
,
開口部形質細胞症
Keyword:
C型肝炎
,
形質細胞性口唇炎
,
開口部形質細胞症
pp.419-422
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001277
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70歳,女性。3年前より下口唇にびらんが出現した。1年半前にC型慢性肝炎に対して,レジパスビル/ソホスブビル内服による直接作用型抗ウイルス薬治療を行いHCV RNAは陰性化したが,下口唇の症状は残存していた。初診時,下口唇にびらんを認め,病理検査では真皮内に多数の形質細胞浸潤がみられた。下口唇のびらんは0.1%タクロリムス軟膏を外用して治癒した。形質細胞性口唇炎と肝疾患との関連について述べた報告があるが,自験例ではHCVのウイルス量と口唇炎の病勢との間に直接的な関連は認められなかった。今後は症例の蓄積により,HCVとの関連が示唆される皮膚疾患に対する,直接作用型抗ウイルス薬の効果の有無が明らかにされることを期待したい。
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