手指爪部のグロムス腫瘍に対する超音波検査，特に血流評価の有用性の検討

Usefulness of Ultrasonographical Evaluation with Particular Observation of Blood Flow in the Diagnosis of Glomus Tumor in Nail and Finger

2006～2017年に当科で診断した，手指爪部グロムス腫瘍solid type 8例の超音波画像を検討した。Bモードでは全例に低エコー腫瘤を確認し，ドプラ検査では全例で血流信号を確認できた。さらに血流感度の高い高感度ドプラを施行した8例中6例では，全例で腫瘤内部と辺縁に微細で低流速の血流を確認した。この高感度のドプラ所見はグロムス腫瘍solid typeの特徴的な画像所見である可能性が示唆された。本症における超音波検査は，MRI検査に比し低コストであり，手指爪部の疼痛部位を確認しながら腫瘍の局在を確認できる利点がある。存在診断に加えて高感度のドプラ検査で特徴的な血流像を評価することで，本疾患の診断精度が向上し，臨床的意義が高いと考えられた。