Japanese
English
症例
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患により生じた下腿潰瘍の1例
Solitary Leg Ulcer Due to Methotrexate-Associated Lymphoproliferative Disorder
寒川 愛美
1
,
濱岡 大
1
,
小倉 香奈子
1
,
国定 充
1
,
村上 英毅
2
,
薬師神 公和
3
,
錦織 千佳子
1
Megumi SANGAWA
1
,
Dai HAMAOKA
1
,
Kanako OGURA
1
,
Makoto KUNISADA
1
,
Hidetaka MURAKAMI
2
,
Kimikazu YAKUSHIJIN
3
,
Chikako NISHIGORI
1
1神戸大学,皮膚科(主任:錦織千佳子教授)
2同,形成外科
3同,腫瘍血液内科
キーワード:
メトトレキサート
,
リンパ増殖性疾患
,
下腿潰瘍
Keyword:
メトトレキサート
,
リンパ増殖性疾患
,
下腿潰瘍
pp.404-408
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001273
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
76歳,男性。関節リウマチに対し7年前よりメトトレキサート(MTX)とプレドニゾロンの内服が開始された。その後左下腿に単発性の潰瘍が出現し,難治であり当科を紹介受診した。左下腿には5cm大の潰瘍を認め,CTでは多発肺結節影,右副腎結節を認めた。潰瘍部の病理組織では真皮から皮下脂肪組織内にCD30,EBER陽性の大型な異型リンパ球の浸潤を認め,MTX関連リンパ増殖性疾患と診断した。MTX内服中止1週間後より潰瘍は縮小し始め,再生検にて異型リンパ球の明らかな減少を認めた。2カ月後に潰瘍は上皮化し,肺結節,右副腎結節も消失した。単発性の下腿潰瘍を契機に診断されるMTX関連リンパ増殖性疾患はまれであるが,MTX中止のみで寛解を得られる症例もあるため,臨床経過や病理学的特徴より早期診断を行うことが重要である。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.