Japanese
English
症例
後頸部に生じた褐色脂肪腫の1例
Hibernoma on the Neck
熊谷 宜子
1
,
泉 映里
1
,
髙江 雄二郎
1
Yoshiko KUMAGAI
1
,
Eri IZUMI
1
,
Yujiro TAKAE
1
1済生会横浜市南部病院,皮膚科(主任:髙江雄二郎部長)
キーワード:
褐色脂肪腫
,
冬眠腫
,
脂肪腫
,
hibernoma,brown lipoma
Keyword:
褐色脂肪腫
,
冬眠腫
,
脂肪腫
,
hibernoma,brown lipoma
pp.395-398
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001271
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27歳,男性。2~3年前から左後頸部のしこりを自覚した。来院時同部位に40×35mm大の弾性軟で境界明瞭な皮下腫瘤があった。MRI検査で腫瘤はT1強調画像低信号,T2強調画像高信号,脂肪抑制T2強調画像高信号で境界明瞭であった。T2強調画像では腫瘍内下部に蛇行するflow voidを認めた。手術時皮下に黄色調の被膜に覆われた腫瘤を認めた。病理組織所見で好酸性顆粒状胞体を含む細胞,多空胞状細胞,脂肪細胞に似た単空胞状細胞から構成されるS-100陽性な腫瘍細胞の増生と隔壁構造があり,褐色脂肪腫と診断した。主に冬眠動物にみられる褐色脂肪組織に由来する良性腫瘍で,1906年にMerkelにより初めて報告され,1914年にGeryにより,冬眠腫(hibernoma)と称された。比較的まれな腫瘍であり,臨床画像検査のみでは術前診断に至らなかった。しかし,腫瘍内のflow voidは本疾患に特徴とされ,MRI検査は術前の鑑別診断の一助となる。
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