皮膚科の臨床 61巻1号 (2019年1月)

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現病歴 約1年前から口唇の皮疹を自覚していた。近医で単純疱疹と診断され,バラシクロビル塩酸塩(バルトレックス®)を内服した。その後はかかりつけの内科より,数カ月に1回程度バラシクロビル塩酸塩を処方されていた。最近になり口唇・口囲の皮疹の赤みと痛痒さが増強したため,当科を受診した。

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59歳,男性。カルボシステイン内服2日後に頭部,顔面,口唇,体幹・四肢に約50個の紅斑,紫紅色斑が出現した。パッチテストの結果,50%チオジグリコール酸が皮疹部(+),無疹部(++)で,カルボシステインの固定薬疹と診断した。チオジグリコール酸のパッチテスト12例の報告で検討を行った結果,無疹部陽性率が70%と高い一方,皮疹部,無疹部ともにカルボシステイン陽性例や,チオジグリコール酸陰性例もある。チオジグリコール酸の刺激性反応の報告があり,健常人5人で10%,30%,50%チオジグリコール酸のパッチテストを行ったが全例で陰性であった。低濃度と高濃度の複数濃度でのパッチテストが必要と考えた。

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64歳,女性。肺腺癌に対してニボルマブの投与を開始した。投与4カ月後,掌蹠に紅斑が出現し四肢に拡大した。臨床像・病理所見より,ニボルマブによる扁平苔癬型薬疹と診断した。その後,口腔内にびらんも出現し,摂食障害を生じた。プレドニゾロン30mg/日より開始し,皮疹・粘膜疹の軽快とともに漸減中止した。ニボルマブ投与を再開したが,皮疹・粘膜疹は再燃しなかった。ニボルマブによる扁平苔癬型薬疹は,通常はステロイド外用のみで軽快する。しかし,自験例のように口腔内病変が出現した場合,ステロイド全身投与が必要になる場合もある。ステロイド外用,内服を駆使し,可能な限り苦痛を減らして癌治療を継続することが大切である。

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70歳,男性。肺腺癌T1aN0M0 StageⅠAに対し放射線化学療法を行った後,肺内転移に対しニボルマブの投与が開始された。投与6回後,頭部と四肢に鱗屑を伴う角化性紅斑が出現した。病理組織では,顆粒層の肥厚と不全角化を伴わない過角化,真皮浅層に単核球浸潤を認め,その部位で基底層の空胞変性もみられたため,ニボルマブにより苔癬型組織反応をきたしたと診断した。皮疹はステロイドの外用で改善せずプレドニゾロン内服治療で消退した。肺内転移は縮小したが,患者希望でニボルマブは中止された。自験例のようにニボルマブ投与中に皮疹が出現し,原疾患の治療効果が高くなる可能性については,今後症例の蓄積が必要と考える。

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現病歴 かかりつけの歯科医院で,18時30分~19時頃,歯周病に対して歯周ポケットの洗浄およびミノサイクリン塩酸塩(ペリオフィール®)歯科用軟膏の注入処置を受けた。ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン®錠)25mgとセフカペンピボキシル塩酸塩(フロモックス®錠)100mgを処方され,夕食後,21時過ぎに2剤を内服した。まもなく悪心・嘔吐,皮膚の紅潮が出現して冷汗を伴い,呼吸困難感と腹痛,下痢をきたしたため救急要請した。救急隊接触時には便失禁がみられ,血圧55/32mmHg,脈拍数120回/分であった。アナフィラキシーショックとしてアドレナリンの筋注,d-クロルフェニラミンマレイン酸塩,ファモチジンおよびメチルプレドニゾロンの点滴静脈注射などの治療を受けて症状は軽快したが,翌日,精査のため当科を紹介受診した。

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現病歴 2017年5月,両側鼠経ヘルニアに対して全身麻酔下で根治術が予定されていた。プロポフォール70mg,ロクロニウム臭化物30mg,フェンタニルクエン酸塩50μgで導入後,ラリンジアルマスクを挿入し,続いてレミフェンタニル塩酸塩0.15mg/時,セファゾリンナトリウム1gの投与を開始した。麻酔開始約30分後に酸素飽和度が100%から95%へ急激に低下し,収縮期血圧は50mmHg台になった。エフェドリン4mgを4回,フェニレフリン塩酸塩0.1mgを3回投与するも昇圧せず,手術は中止となった。ラリンジアルマスクを抜去し気管挿管を行った際に,声門および喉頭の浮腫はなかった。経胸心エコーで異常を認めず,循環動態は徐々に改善した。覆布をはがしたところ,胸部に皮疹を認め,皮膚科依頼となった。

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46歳,男性。HLA-B58:01保有者。アロプリノールを1カ月間内服後に発熱,全身の紅斑,顔面の腫脹が出現した。経過中に抗HHV-6 IgG抗体価の有意な上昇がみられ,薬剤性過敏症症候群(DIHS)と診断した。ステロイド投与により症状は改善したが,DIHSの発症から半年後に全身倦怠感,頸部から背部にかけての痛みと息苦しさが出現した。内科的精査の結果,高度の甲状腺機能低下症が判明し,抗サイログロブリン抗体と抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体陽性から,慢性甲状腺炎と診断した。DIHSの回復後には,甲状腺疾患や劇症1型糖尿病など種々の自己免疫疾患が続発することがあるため,長期間にわたり慎重に経過観察すべきである。

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28歳,女性。17歳時より多発性硬化症に対し遺伝子組換え型インターフェロン(IFN)-β-1b製剤を腹部・両大腿に皮下注射していた。2週間前より右大腿の注射部位近傍に疼痛が出現したため,当科を受診した。同部位に皮下硬結を伴う紅斑がみられ,MRIでは皮下組織から筋膜に及ぶ炎症所見を認めた。組織の細菌培養は陰性であった。IFN-β-1b製剤による皮膚・軟部組織障害と診断し,プレドニゾロン1mg/kg内服を開始した。臨床症状とMRI所見の改善が得られた。自験例は臨床所見で紅斑と硬結を呈し潰瘍形成はなかったが,MRI所見から,より深部の皮下組織から筋膜の炎症が主体であった可能性が示唆された。

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現病歴 1カ月前より両側腹部の皮下結節に気づいたが,自覚症状がなかったため放置した。徐々に気になり出したため当科を受診した。

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31歳,女性,妊娠19週。頸部静脈血栓症の既往とプロテインS欠損症の血栓性素因がある。静脈血栓塞栓症予防のため,妊娠10週からヘパリンカルシウムの皮下注射をしていたところ,1カ月後より腹部と大腿部の注射部位に一致して,瘙痒を伴う浸潤性紅斑が多発するようになった。病理組織学的には真皮上層の血管周囲にリンパ球が浸潤するが,血栓,壊死像はなかった。ヘパリンカルシウムの皮内反応試験が48時間後に陽性となり,遅延型過敏反応と診断した。ヘパリンナトリウムの持続静注では有害事象はなかった。代替薬としてフォンダパリヌクスナトリウムを選択し,抗凝固療法を継続して分娩に至った。薬剤変更に際し本剤は有効な選択肢のひとつになり得る。

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筆者が皮膚科学の門を叩いてからすでに21年が経過した。この21年間で皮膚疾患の診断・治療は目覚ましく進歩・発展し,入門当時は今日のような時代が来るとは想像しなかったことも多い。例をあげると乾癬の治療では,抗IL-17抗体の登場により自己注射にて劇的に症状を改善・維持できるようになった。メラノーマの治療では,これまでほぼ全滅といってよかった進行期症例に対して,免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬の登場により,ある一定の確率で長期寛解例も経験するようになった。

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現病歴 3年前より左手掌の黒色結節を自覚した。徐々に増大し,易出血性となったため近医を受診した。抗菌外用薬を使用したが改善に乏しいため,当科を紹介受診した。

臨床講義

菌状息肉症 菅谷 誠
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白血球の一種であるリンパ球は,胸腺やリンパ節において分化成熟していく。皮膚などの末梢組織には,ある程度分化したリンパ球が浸潤してくる。分化を停止したリンパ球が単クローン性に増殖したものを悪性リンパ腫とよぶ。悪性リンパ腫の分類は,細胞表面マーカーの染色や遺伝子解析,ウイルス学の発達に伴い,正常細胞の分化過程におけるカウンターパートを意識した分類がされている。皮膚はリンパ組織以外のなかでは,消化管に次いで頻度の高い原発臓器である。診断時点で皮膚以外にリンパ腫細胞の浸潤を認めないものが原発性皮膚悪性リンパ腫である。診断時点で表在リンパ節に病変を認めても,皮膚病変が長期にわたって先行している場合,原発性皮膚悪性リンパ腫に含めることがある。例えばSézary症候群は診断時点で末梢血液中に腫瘍細胞を認めるが,紅皮症,表在リンパ節腫脹など特徴ある臨床所見から診断可能である。他臓器原発のリンパ腫が皮膚に浸潤することもあるが,その場合は一般的に結節,腫瘤を呈することが多く,落屑性紅斑や紅皮症は皮膚原発を示唆する。

ちょっと一息 医局ラウンジ

第13回 福井大学
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何事もみんなで意見を出し合い,相談しながらよりよい状況になるよう努めています。回診やカンファレンス(臨床,病理,研究)では自由に意見を出し合い,知識や経験を共有し医局員全員が成長できるようにしています。また,一人ひとりにあわせたキャリア形成のサポートを充実させ,働き方の選択肢を幅広く提供しています。

Dr.斎田の皮膚科診断講座

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症例情報 70歳代,男性。数年前に右足底にホクロ様の病変があるのに気づいた。その後,少し大きくなったという。初診時,右足底踵部に径8mmの黒色皮疹が認められた(図1)。図2にそのダーモスコピー画像を示す。

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37歳,女性。2週間前から両眼周囲に瘙痒を伴う紅斑が生じ,アシタノザラスト水和物点眼液,スマイル® 40EX点眼液を使用していた。1週間前からベタメタゾン吉草酸エステル軟膏を外用していたが,徐々に両眼周囲の紅斑が増悪し,躯幹・四肢にも紅斑が拡大した。パッチテストでベタメタゾン吉草酸エステル軟膏の主剤であるベタメタゾン吉草酸エステルが陽性であり,ベタメタゾン吉草酸エステルによる接触皮膚炎症候群と診断した。接触皮膚炎が疑われる場合には,ステロイド外用剤が原因となり得ることに留意し,交叉反応を示しにくい他のグループのステロイド外用剤へ変更する必要があると思われる。

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生後0日,女児。全身に潮紅があり,ほぼ全身がコロジオン膜で覆われていた。四肢屈側では厚い角質による関節の伸展障害があり,両下腹部と鼠径部に深い亀裂を認めた。電子顕微鏡では角層に大小さまざまな脂肪滴がみられ,セラミド様の物質が増加していた。日齢19日頃には全身のコロジオン膜が剝離脱落してほぼ正常皮膚となり,その後も魚鱗癬症状を認めなかったためself-healing collodion babyと考えた。生後速やかに皮膚が正常化したcollodion babyは自験例を含めて8例の報告がみられるが,皮膚が正常化する原因はいまだ明らかではなく,今後も症例の蓄積と病態解明が必要である。

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症例1:7歳,女児。1年前より右上顎歯肉萎縮に伴う歯牙位置異常を指摘されていた。2カ月前より右頤部,右外眼角,右口角部に斑状白斑,右下口唇に線状白斑,右頰粘膜,舌右側下面にも白色局面が出現した。症例2:50歳,女性。43歳時に右前頭部の脱毛斑と右上顎歯肉萎縮に気づいた。以後右眉毛内側の脱毛,右頤部に冷感を伴う皺の増加と陥凹,右睫毛内側の脱毛を自覚した。2例ともにParry-Romberg症候群(PRS)と診断した。PRSは顔面半側の皮膚や皮下組織が進行性に萎縮する原因不明の疾患である。PRSは若年に多いまれな疾患であるが,今回顔面の多発性白斑と歯牙欠損を主訴とする小児例に加え,脱毛と歯牙欠損を主訴とする成人発症例の2例を経験したため報告した。

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52歳,男性。6カ月前から右頰の皮下腫瘤に気づき,徐々に増大傾向を示した。右頰部に4cm大,弾性硬の皮下腫瘤がみられた。X線,超音波,CTで金属片と思われる異物を確認した。あらためて問診を行い,6カ月前に草刈機の金属片が右頰部に混入した可能性が発覚した。全身麻酔下で腫瘤と金属片を摘出した。金属片は,草刈機の超硬刃(タングステン)と考えられた。摘出した腫瘍の病理組織は広範に非特異的壊死像と変性像を呈した線維性結合組織であった。アレルギー機序の確認のため金属パッチテストを施行したところ,コバルト,スズ,パラジウムが陽性であった。診断のための問診の重要性を再認識させられる症例と考えた。

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40歳,男性。2カ月前から右前腕屈側に2.5cm大の皮下結節が出現した。放散痛があった。生検で結節性筋膜炎と診断し,全摘した。皮下に異型性のない紡錘形の腫瘍細胞が束状に増殖しており,免疫染色ではα-SMA(+),CD34,desmin,S100蛋白(−)。腫瘍組織のRT-PCR法にてUSP6-MYH9の融合遺伝子を検出した。最近結節性筋膜炎において上記融合遺伝子が高率に検出されることが報告されており,本症の腫瘍的側面が示唆されている。また,診断困難例においては遺伝子検査が診断の一助となることが期待される。

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16歳,女性。出生時より左胸鎖関節部に結節があり,腫脹と排膿を繰り返していた。14歳時に他院で類上皮囊腫と臨床診断され切開排膿を施行されたが,以後再燃を繰り返した。今回,排膿とともに毛が排出されたため当科を受診した。病変は15mm大の潰瘍を伴う結節で,圧出により膿性滲出液とともに毛が7本排出された。超音波検査で皮膚表面から皮下組織に至る囊腫状病変を確認した後,摘出術を行った。病理組織学的所見では真皮深層に囊腫状病変がみられ,囊腫壁に毛包と脂腺構造を伴い,内腔に毛を認めた。以上の所見より先天性皮下皮様瘻孔と診断した。本症において毛の排出はまれであるが,特徴的な徴候と考えた。

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84歳,男性。3年前より左手掌に黒色結節を自覚した。擦過していたところ結節は徐々に増大し,易出血性となった。初診時,左拇指球に10×10mm大のびらんを有する黒色結節があり,辺縁に灰白色の丘疹があった。ダーモスコピー所見ではblue-whitish veilを認めたため,悪性黒色腫として切除した。しかし,病理組織像では表皮から連続する好塩基性の腫瘍胞巣を形成しており,基底細胞癌と診断した。臨床像とダーモスコピー所見では診断が困難であったが,体表エコーで基底細胞癌に特徴的とされる多数の綿花状高輝度斑を認め,体表エコーが術前診断の一助となる可能性が示唆された。

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78歳,女性。20年前より右上腕の結節を自覚,近医で良性といわれ放置していた。最近になり結節が徐々に増大したため,当科を受診した。右上腕に,13mm大で扁平隆起し,褐色調で表面に鱗屑を伴う弾性やや硬の皮内結節を認め,皮膚線維腫を疑い摘除した。病理組織学的に真皮では線維芽細胞様細胞,組織球様細胞が錯綜して増殖し,境界やや不明瞭な結節性病変を形成していた。その直上の表皮では不規則に延長した表皮突起と連続して基底細胞様細胞が増殖し,胞巣を形成していた。胞巣の辺縁は柵状配列を伴い,基底細胞癌の所見と類似していた。胞巣内にはCK20陽性のMerkel細胞を多数認めたが,Ber-EP4は陰性であった。以上の所見からbasaloid epidermal proliferation(BEP)を伴った皮膚線維腫と診断した。BEPから真の基底細胞癌を生じる報告もあるため,自験例のような病変を認めた場合は,免疫染色を併用し総合的に鑑別する必要があると考えた。

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44歳,女性。十数年前より陰部に結節が出現し徐々に増大,巨大な有茎性の腫瘤となった。当初近医産婦人科を受診したが,経過観察とされ,その後医療機関への受診を行わなかったが,徐々に増大していた。卵巣囊腫の破裂による急性腹症で当院に救急搬送された際に当院産婦人科で病変を指摘され,当科を紹介受診した。初診時,陰部に15×12×10cm大の有茎性の巨大腫瘤を認めた。MRIではT1WIで低信号,T2WIで全体として低信号であったが,中心部にやや高信号の領域が地図状に広がっている所見を認めた。病理組織検査ではCD34陽性の紡錘形腫瘍細胞が花むしろ構造を呈して増殖しており,隆起性皮膚線維肉腫と診断し,摘出手術を施行した。比較的境界明瞭であり,さらに有茎性の巨大隆起性皮膚線維肉腫はまれであるため報告した。

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28歳,女性。2年前より右大腿部に皮膚結節が出現した。初診時,右大腿外側にわずかに発赤を伴う15×11mm大の境界明瞭な結節を認めた。結節の性状は弾性硬で,軽度圧痛があり,下床と可動性があった。局所麻酔下に切除した。病理組織では,真皮から皮下に境界明瞭な腫瘍巣を認め,紡錘形細胞が増殖する領域と,血管周皮腫様の形態を示す領域があり,二相性の構築であった。免疫染色で腫瘍細胞はα-smooth muscle actin陽性,h-caldesmon一部陽性,desmin陰性,CD34陰性であった。以上より筋線維腫と診断した。成人に発症する筋線維腫はまれである。

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15歳,女児。3カ月前に右眉毛上部に紅色の小結節が出現した。増大傾向であったため当科を紹介受診した。ダーモスコピーで,蛇行し拡張した毛細血管がみられた。生検でcellular neurothekeomaと診断し,全摘術を施行した。病理組織学的に,粘液様の間質を背景として類円形核と好酸性胞体を有する腫瘍細胞(CD68+,S100−,αSMA−,NSE−,MIB-1indx<20%)が真皮内で胞巣を形成しながら増生していた。Cellular neurothekeomaの定義や腫瘍細胞の起源については一定の見解はなく,若干の文献的考察を含めて報告する。

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24歳,女性。3カ月前より両側下腿に有痛性紅斑が出現し,精査・加療目的に当科を紹介受診した。初診時,両下腿に鶏卵大までの強い浸潤を触れる境界明瞭な有痛性紅斑を多数認めた。病理組織学的に,皮下組織小葉間隔壁性の好中球浸潤がみられ,結節性紅斑と診断した。また,白血球数減少と骨髄生検から骨髄異形成症候群(MDS)と診断した。過去の本邦報告例から,MDSに伴う結節性紅斑様皮疹は下肢のみでなく全身に皮疹を生じ,治療後も繰り返し皮疹が出現する傾向がみられた。これらの傾向が認められ,また皮疹の増悪時に白血球数の増加がみられない場合には,鑑別疾患としてMDSの存在を考慮するべきである。

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32歳,女性。左三叉神経第1枝領域の帯状疱疹にて入院した。アシクロビル750mg/日点滴を開始したが,左眼瞼下垂・散瞳・眼球運動障害,複視,左表情筋の筋力低下が出現し,髄液検査では細胞数増多と抗VZV抗体陽性を認めた。左動眼神経・外転神経・顔面神経麻痺を伴った帯状疱疹と診断し,アシクロビル1500mg/日とプレドニゾロン50mg/日を投与したところ,髄液所見は正常化し,脳神経症状も徐々に改善した。眼筋麻痺を伴う帯状疱疹で顔面神経麻痺を併発する症例はまれである。基礎疾患に高IgE症候群という原発性免疫不全症があり,重症化した原因と考えられた。

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58歳,男性。数日前から右下腿発赤腫脹,発熱が出現し,初診時CRP,WBC,HbA1c高値,CK,血清ミオグロビン,尿中ミオグロビン異常高値であった。LRINEC score高値であったが,臨床所見,造影CTからは壊死性筋膜炎は否定的で,蜂窩織炎に横紋筋融解症を併発したと診断した。無治療の糖尿病が蜂窩織炎によるsick dayの状態になり,高血糖から低カリウム血症,低マグネシウム血症を引き起こし,横紋筋融解症に至ったと考える。自験例では,臨床所見が重度ではないのに比べ,CK,血清および尿中ミオグロビンが異常高値であったことが,壊死性筋膜炎ではないという診断の助けとなった。また,横紋筋融解症では血清カリウムが上昇するが,低カリウム血症を認めたことから,横紋筋融解症の原因を推定できた。

憧鉄雑感

第82回 新専門医制度 安部 正敏
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専門医制度が大きく変化している。これまで,最低学会出席でよかったものが,さらに細かく勉強が求められる。恐らく,皮膚科専門医を名乗りながら,鉄道の論文ばかりを読み,論文ならぬエッセイなんぞを書く医師がいるため,専門医制度を維持するためには勉強させねばならぬという,有難きお上の采配なのであろうが,筆者を恨むのは筋違いというものである。しかし,専門医という肩書がどれくらい患者にアピールできているのかは神のみぞ知る。無論,専門性の担保はなされるのであろうが,患者の信頼は医師の技量,人柄,対話能力などにより得られることは火を見るより明らかである。

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現病歴 2017年2月頃から両前腕に淡黄色の皮下結節が出現し,徐々に増加してきた。かかりつけ内科医より,当科を紹介受診した。

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現病歴 約半年前から腹部に皮下硬結を触れ始め,1月に紅斑と瘙痒感が出現し,1週間前急速に隆起状の紅色結節が出現したため受診した。

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現病歴 9歳頃より右足背に紫~赤褐色の1cm大の皮下腫瘤を自覚し,徐々に増大した。12歳時には,圧痛を伴うようになり,近医を受診しMRIを施行され,線維系腫瘍などを疑われ当院を紹介受診した。

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目次

英文目次

投稿規定

著作財産権譲渡同意書

Information

次号予告

編集後記

基本情報

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皮膚科の臨床
61巻1号 (2019年1月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0018-1404 金原出版

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