Japanese
English
症例
左前腕に生じた類上皮型血管内皮腫の1例
Epithelioid hemangioendothelioma of the left arm
村岡 響子
1
,
山本 有紀
1
,
上出 康二
2
,
神人 正寿
1
Kyoko MURAOKA
1
,
Yuki YAMAMOTO
1
,
Koji UEDE
2
,
Masatoshi JINNIN
1
1和歌山県立医科大学,皮膚科(主任:神人正寿教授)
2上出皮フ科クリニック,和歌山市
キーワード:
類上皮型血管内皮腫
,
epithelioid hemangioendothelioma
,
免疫染色
,
多発転移
Keyword:
類上皮型血管内皮腫
,
epithelioid hemangioendothelioma
,
免疫染色
,
多発転移
pp.251-256
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003778
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
30歳台,女性。初診の約1年前に左前腕の皮下結節に気づいた。受診時,左前腕屈側に最大1.2cm大の常色~暗紫色調の硬い皮下結節を多数認めた。皮膚生検にて,真皮から皮下脂肪織にかけて円形または紡錘形の好酸性細胞からなる腫瘍胞巣を認め,腫瘍細胞は細胞質内に空胞形成を伴い,CD31,CD34,factor Ⅷ,vimentinが陽性であった。類上皮型血管内皮腫の診断でrIL-2動注,ドキソルビシン動注および放射線療法後,切除術を行ったが,術後1年で肝臓,肺への転移を認めた。ドセタキセル投与にて部分奏効し,投与終了後も現在まで10年間増悪はない。皮膚・皮下組織原発の類上皮型血管内皮腫は非常にまれな疾患であり,確立した悪性度の指標や治療指針はない。今後の症例蓄積が必要と考える。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.