特集 病態から考える薬物療法
第XIV章 細菌感染症
4 壊死性筋膜炎
山﨑 修
1
Osamu YAMASAKI
1
1島根大学医学部,皮膚科学講座
キーワード:
壊死性筋膜炎
,
フルニエ壊疽
,
レンサ球菌
,
抗菌薬
Keyword:
壊死性筋膜炎
,
フルニエ壊疽
,
レンサ球菌
,
抗菌薬
pp.909-914
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003290
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壊死性筋膜炎(necrotizing fasciitis)は電撃的な経過で強い全身症状とともに浅筋膜を中心とする皮膚,皮下組織の壊死を伴う重症の皮膚軟部組織感染症である1)2)。1980年代から重症のレンサ球菌感染症の再興が注目され,劇症型レンサ球菌感染症とよばれているtoxic shock-like syndrome(以下TSLS)のひとつの症状である3)。しかしながらA群レンサ球菌以外でも複数菌の関与する壊死性筋膜炎も多い。皮膚科領域のみではなく多数の診療科でも報告され,実際にたずさわることが多い。壊死の深さにより,壊死性蜂窩織炎(gangrenous cellulitis),壊死性筋膜炎,壊死性筋炎(myonecrosis)となり,それらはオーバーラップしていることもあり,壊死性軟部組織感染症として包括的な病名で記載されることもある4)。
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