臨床講義
菌状息肉症
菅谷 誠
1
Makoto SUGAYA
1
1国際医療福祉大学,皮膚科,教授
キーワード:
菌状息肉症
,
亜型
,
表皮向性
,
CD30陽性病変
,
生物学的製剤
Keyword:
菌状息肉症
,
亜型
,
表皮向性
,
CD30陽性病変
,
生物学的製剤
pp.49-55
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001157
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白血球の一種であるリンパ球は,胸腺やリンパ節において分化成熟していく。皮膚などの末梢組織には,ある程度分化したリンパ球が浸潤してくる。分化を停止したリンパ球が単クローン性に増殖したものを悪性リンパ腫とよぶ。悪性リンパ腫の分類は,細胞表面マーカーの染色や遺伝子解析,ウイルス学の発達に伴い,正常細胞の分化過程におけるカウンターパートを意識した分類がされている。皮膚はリンパ組織以外のなかでは,消化管に次いで頻度の高い原発臓器である。診断時点で皮膚以外にリンパ腫細胞の浸潤を認めないものが原発性皮膚悪性リンパ腫である。診断時点で表在リンパ節に病変を認めても,皮膚病変が長期にわたって先行している場合,原発性皮膚悪性リンパ腫に含めることがある。例えばSézary症候群は診断時点で末梢血液中に腫瘍細胞を認めるが,紅皮症,表在リンパ節腫脹など特徴ある臨床所見から診断可能である。他臓器原発のリンパ腫が皮膚に浸潤することもあるが,その場合は一般的に結節,腫瘤を呈することが多く,落屑性紅斑や紅皮症は皮膚原発を示唆する。
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