Japanese
English
特集 薬疹・薬物障害
ヘパリンカルシウム皮下注射により遅延型過敏反応を示した妊婦例
Allergic Delayed-type Hypersensitivity to Subcutaneous Heparin Calcium in Pregnancy
神﨑 美玲
1
,
仲野 晃司
1
,
渡辺 麻紀子
2
,
漆川 邦
2
,
藤木 豊
2
Mirei KANZAKI
1
,
Koji NAKANO
1
,
Makiko WATANABE
2
,
Kuni URUSHIGAWA
2
,
Yutaka FUJIKI
2
1水戸済生会総合病院,皮膚科(主任:神﨑美玲部長)
2同,産婦人科(主任:藤木 豊 総合周産期母子医療センター長)
キーワード:
妊娠
,
予防的抗凝固療法
,
ヘパリンカルシウム
,
遅延型過敏反応
,
フォンダパリヌクスナトリウム
Keyword:
妊娠
,
予防的抗凝固療法
,
ヘパリンカルシウム
,
遅延型過敏反応
,
フォンダパリヌクスナトリウム
pp.43-48
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001156
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31歳,女性,妊娠19週。頸部静脈血栓症の既往とプロテインS欠損症の血栓性素因がある。静脈血栓塞栓症予防のため,妊娠10週からヘパリンカルシウムの皮下注射をしていたところ,1カ月後より腹部と大腿部の注射部位に一致して,瘙痒を伴う浸潤性紅斑が多発するようになった。病理組織学的には真皮上層の血管周囲にリンパ球が浸潤するが,血栓,壊死像はなかった。ヘパリンカルシウムの皮内反応試験が48時間後に陽性となり,遅延型過敏反応と診断した。ヘパリンナトリウムの持続静注では有害事象はなかった。代替薬としてフォンダパリヌクスナトリウムを選択し,抗凝固療法を継続して分娩に至った。薬剤変更に際し本剤は有効な選択肢のひとつになり得る。
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