Japanese
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特集 薬疹・薬物障害
抗PD-1抗体(ニボルマブ)による肺腺癌治療中に苔癬型組織反応を示した1例
Licheniod Tissue Reaction Induced by Nivolmab in a Patient with Advanced Lung Cancer
寺井 沙也加
1
,
山﨑 文和
1
,
神戸 直智
1
,
鳥居 芳太郎
2
,
岡本 祐之
1
Sayaka TERAI
1
,
Fumikazu YAMAZAKI
1
,
Naotomo KAMBE
1
,
Yoshitaro TORII
2
,
Hiroyuki OKAMOTO
1
1関西医科大学,皮膚科学講座(主任:岡本祐之教授)
2同,内科学第一
キーワード:
尋常性乾癬
,
抗PD-1抗体
,
paradoxical reaction
,
苔癬型反応
Keyword:
尋常性乾癬
,
抗PD-1抗体
,
paradoxical reaction
,
苔癬型反応
pp.22-25
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001150
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70歳,男性。肺腺癌T1aN0M0 StageⅠAに対し放射線化学療法を行った後,肺内転移に対しニボルマブの投与が開始された。投与6回後,頭部と四肢に鱗屑を伴う角化性紅斑が出現した。病理組織では,顆粒層の肥厚と不全角化を伴わない過角化,真皮浅層に単核球浸潤を認め,その部位で基底層の空胞変性もみられたため,ニボルマブにより苔癬型組織反応をきたしたと診断した。皮疹はステロイドの外用で改善せずプレドニゾロン内服治療で消退した。肺内転移は縮小したが,患者希望でニボルマブは中止された。自験例のようにニボルマブ投与中に皮疹が出現し,原疾患の治療効果が高くなる可能性については,今後症例の蓄積が必要と考える。
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