Japanese
English
症例
Basaloid Epidermal Proliferationを伴った皮膚線維腫の1例
Dermatofibroma with Basaloid Epidermal Proliferation
中村 華子
1
,
猿田 祐輔
1
,
末木 博彦
1
Hanako NAKAMURA
1
,
Yusuke SARUTA
1
,
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学病院,皮膚科(主任:末木博彦教授)
キーワード:
皮膚線維腫
,
basaloid epidermal proliferation
,
基底細胞癌
,
CK20
,
basaloid epidermal hyperplasia
Keyword:
皮膚線維腫
,
basaloid epidermal proliferation
,
基底細胞癌
,
CK20
,
basaloid epidermal hyperplasia
pp.97-100
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001169
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
78歳,女性。20年前より右上腕の結節を自覚,近医で良性といわれ放置していた。最近になり結節が徐々に増大したため,当科を受診した。右上腕に,13mm大で扁平隆起し,褐色調で表面に鱗屑を伴う弾性やや硬の皮内結節を認め,皮膚線維腫を疑い摘除した。病理組織学的に真皮では線維芽細胞様細胞,組織球様細胞が錯綜して増殖し,境界やや不明瞭な結節性病変を形成していた。その直上の表皮では不規則に延長した表皮突起と連続して基底細胞様細胞が増殖し,胞巣を形成していた。胞巣の辺縁は柵状配列を伴い,基底細胞癌の所見と類似していた。胞巣内にはCK20陽性のMerkel細胞を多数認めたが,Ber-EP4は陰性であった。以上の所見からbasaloid epidermal proliferation(BEP)を伴った皮膚線維腫と診断した。BEPから真の基底細胞癌を生じる報告もあるため,自験例のような病変を認めた場合は,免疫染色を併用し総合的に鑑別する必要があると考えた。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.