皮膚科の臨床 62巻5号 (2020年5月)

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81歳,男性。2011年に左腰部の2×1.5cm大の皮膚腫瘍を切除するも再発し,2014年再切除を施行した。病理はともに皮膚線維腫で深部断端陽性であった。2017年11月術創下に急激に増大する皮下腫瘤で再診した。触診上4×3cm大,可動性のある,自発痛のない腫瘤。辺縁1~2cm離して切除した。肉眼的に腫瘍の割面は出血部と充実部で構成されていた。出血部は血液で満たされた囊腫状ないしは,裂隙状の腔が広範囲にみられ,その周囲に出血,ヘモジデリンを貪食した細胞,組織球や紡錘形細胞が存在し,細胞に異型はなかった。充実部はstoriform patternを呈し,既往検体の皮膚線維腫と同様の所見であった。Aneurysmal benign fibrous histiocytoma(ABFH)と診断した。皮膚線維腫は,完全切除されない場合再発し,ABFHを発症することがあるので要注意である。

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症例1:46歳,女性。右腰部の増大傾向にある,5×4cm大,弾性硬の皮下腫瘤を切除した。症例2:76歳,女性。左外陰部の増大傾向にある,4×4cm大,可動性良好で弾性軟の皮下腫瘤を切除した。いずれも病理組織学的に,類円形または紡錘形の細胞が増殖し,膠原線維・樹枝状血管とともに腫瘍胞巣を形成していた。また,免疫組織学的に,腫瘍細胞はSTAT6・bcl-2陽性,CD99・SMA・EMA陰性であった。以上より,solitary fibrous tumorと診断した。本症例の診断には,STAT6の発現を確認することが有用である。

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59歳,男性。20年前に背部正中に小豆大の皮疹が出現した。徐々に増大し1年前に約1cm大となり,その後1年間で急速に増大した。部分生検でdermatofibromaが疑われたため全摘術を施行した。腫瘤は被膜に覆われ,病理組織学的所見で真皮浅層から皮下脂肪織にかけて境界明瞭で被膜に覆われた腫瘤がみられ,腫瘍細胞が密に増生していた。線維芽細胞様細胞が増生するstoriform patternのほかにherring-bone patternが混在した。免疫組織学的所見でCD34(+),Factor XIII(−)。以上よりfibrosarcomatous transformationを伴ったdermatofibrosarcoma protuberans(FS-DFSP)と診断した。FS-DFSPは通常のdermatofibrosarcoma protuberansと比べまれであるが,局所再発率や遠隔転移率が高いといわれているため報告する。

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現病歴 6年前より右腹部に硬結を認めた。近医内科で脂肪腫を疑われ経過観察されていた。4カ月前より急激に発赤,増大して腫瘤を形成したため近医皮膚科を受診した。隆起性皮膚線維肉腫を疑われ,当院を紹介受診した。

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現病歴 出生時より左第1趾外側に皮下結節を認めたが無痛性であり経過をみていた。

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68歳,男性。初診数カ月前より頭部に暗紫色結節を自覚していた。受診時,頭頂部に7×8.7cm大で不整形の暗紫色の局面がみられ,生検にて血管肉腫と診断された。パクリタキセルweekly投与法と放射線療法を開始した。5回目のパクリタキセル投与後,発熱と呼吸困難が出現した。パクリタキセルによる薬剤性間質性肺炎と診断し,ステロイドパルス療法および抗菌薬の投与を行い,症状は改善した。患者は肺癌,慢性閉塞性肺疾患の既往,胸部放射線照射歴を有しており,これらが複合的に間質性肺炎の誘因となったと考えられる。

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74歳,日本人男性。10年前から四肢を主体に赤紫色斑が出現し,徐々に増数,結節となった。病理組織像で真皮内に血管の増生と,その一部で染色体が濃染し腫大した核を有する内皮細胞がみられ,血管の内皮細胞でヒトヘルペスウイルス8(HHV-8)が陽性であった。HIV感染がなく免疫抑制剤の使用がなかったことから古典型カポジ肉腫と診断した。進行が緩徐で病変が皮膚に限局していたことからエトポシド(ラステット®)内服による治療を選択し部分奏効が得られた。古典型カポジ肉腫は高齢者に多くみられ症状の進行が緩徐であるため,化学療法が必要な症例において副作用の少ないエトポシド内服は治療の選択肢のひとつになると考える。

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9歳,男児。半年前より上背部に結節が出現し,徐々に増大した。初診時,上背部に9mm大のドーム状に隆起する紅色の結節が存在した。病理組織学的に,真皮内に線維芽細胞様細胞,リンパ球,組織球など多彩な細胞から構成される結節を認め,特に好酸球浸潤が顕著であった。泡沫細胞やTouton型巨細胞様の細胞も散見された。免疫組織学的に,腫瘍細胞は,vimentin,CD68,lysozymeが陽性,S-100,CD1a,Langerin,CD34,CD10,SMAは陰性であった。黄色肉芽腫に好酸球浸潤を伴うことはあるが,自験例ほど著明な浸潤は比較的まれと考え報告した。

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56歳,男性。初診の約5カ月前に左大腿後面に結節が生じ,徐々に増大した。初診時,左大腿後面に40×15mm大,不規則に隆起する暗赤色結節が存在した。病理組織学的には,真皮から皮下組織に組織球様細胞が増殖していた。免疫組織学的にはCD1aとLangerinが陽性であり,Langerhans細胞組織球症と診断した。全身検索で他臓器への浸潤はみられなかった。本症において皮膚に限局した成人例はまれである。

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63歳,女性。初診3カ月前に右臀部外側に紅色の皮疹を自覚し,改善しないため当科を受診した。初診時,右臀部外側に表面にびらんを伴う60×34mm大の境界明瞭な紅斑局面があった。病理組織学的に真皮内に核異型のない形質細胞がびまん性に浸潤し,これらの細胞はCD3およびCD20陰性,CD38陽性であった。免疫グロブリンのκ鎖およびλ鎖染色で軽鎖制限はみられず,当初は多クローン性増殖と判断した。全身検索では血清・尿中のM蛋白は陰性であり,他臓器病変はなかった。単発型皮膚形質細胞増多症として全切除した。その後,生検検体のPCR法での検索で免疫グロブリン遺伝子に単クローン性再構成があることが判明し,原発性皮膚形質細胞腫と最終診断した。

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症例1:74歳,女性。関節リウマチ(RA)に対して10年前よりメトトレキサート(MTX)投与中であった。右上腕と右大腿に潰瘍を伴う腫瘤が多発し,病理組織学的にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の像を呈していた。免疫組織学的にEBV-latent membrane protein 1が陽性であった。症例2:70歳,男性。発症部位は頭部,RA罹患期間16年,MTX投与期間7年。症例3:65歳,女性。発症部位は臀部および胃前庭部。RA罹患期間45年,MTX投与期間25年。3例ともMTXを中止後2~6カ月後で完全に消退したため,メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患と診断した。60歳代以降のRA患者に増殖性病変や難治性潰瘍を生じた場合には,本症を考慮すべきである。

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57歳,男性。受診1カ月前より頭部に淡紅色,弾性硬の腫瘤を自覚した。2週間前より頸部リンパ節腫大,1週間前より発熱を伴った。生検で腫瘍細胞の稠密な浸潤あり。腫瘍細胞はCD56およびCD68陽性,CD1a,CD20,CD34,TdTは陰性。血液検査で末梢血中に芽球を70%認め,DICの合併,肝機能障害あり。骨髄生検では単芽球を90%認め,急性単球性白血病の診断で頭部結節は特異疹と診断した。急性単球性白血病は特異疹の出現率が高いが,単発腫瘤として発症する例はまれである。

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74歳,男性。1カ月前に大腿,胸部に暗紅色調の環状紅斑を認めた。ステロイド外用にて一旦消退傾向を示したが,大腿,腹部,前腕に皮疹が再燃した。病理組織学的に真皮の小血管内に異型な核を有するリンパ球様細胞を多数認め,免疫染色にてCD20,MUM1,およびBcl-6陽性。PET-CTで臓器に異常集積はなく,骨髄・髄液に腫瘍細胞の浸潤も認めなかった。以上より,intravascular large B-cell lymphoma(IVLBCL)と診断し,リツキシマブとCHOP併用療法を施行した。皮疹は速やかに消退し,治療終了8カ月後も再燃ない。本邦のIVLBCLでは皮疹を呈する例は比較的少なく,また自験例のIVLBCLは皮膚病変以外に所見がなく,予後良好であったことから,本邦ではまれなcutaneous variantと考えられた。

巻頭言

心に残る言葉 井川 健
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「皮膚科の臨床」誌から巻頭言を書くように,と指令を受けました。お手紙には,「若手の先生を勇気づけるような……」,と条件が記載されておりまして,これはなかなか難しいなぁ,と思いながらぼんやりと日常を過ごしてきましたが,そのうちに世の中の話題はコロナウイルス感染症一色になってしまいました。ウイルス感染症の専門家でもなく,一皮膚科医である筆者は,粛々と通常の感染対策(手洗い,うがいなど)を行いつつ,いくつかの研究会などの予定がなくなり,少しだけゆっくりとした時間を過ごし,この原稿の最終仕上げを,という2月も終わりに近づいた日々の状況です……。

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現病歴 初診2週間前から倦怠感があり,全身に水疱が出現した。初診10日前に他院を受診し,ステロイド軟膏,亜鉛華軟膏外用や,セフポドキシム プロキセチル(バナン®)錠内服で加療されたが改善せず,初診6日前から経口摂取不良,体動困難となった。皮疹は一部黒色痂皮を伴うようになり,紹介元を受診して,当院に救急搬送された。

臨床講義

乾癬 多田 弥生
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乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患であり,全身の皮膚に生じうる。乾癬の病型には尋常性乾癬(図1-a),乾癬性関節炎(図1-b),発熱など全身症状を伴う膿疱性乾癬,ほぼ全身が乾癬の皮疹で覆われる乾癬性紅皮症,滴状乾癬などがある。本稿においては,尋常性乾癬の皮疹と乾癬性関節炎の病態,診断,治療に関して概説したい。

Dr.斎田の皮膚科診断講座

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症例情報 81歳,女性。数年前,頭にフケと痒みが生じ,近医でパーマかぶれの疑いと診断された。ステロイドのローション製剤を処方され,塗布していたが,軽快,再発を繰り返している。1,2年前に気づいた左こめかみ部の皮疹を主訴に当科を受診した。初診時,同部に32×13mmの紅斑状病変が認められた。ときに少し痒みがあるという。臨床像を図1に,皮疹上方部分のダーモスコピー像を図2に示す。

ちょっと一息 医局ラウンジ

第29回 東京女子医科大学
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教授就任3年目を迎える石黒教授を中心に,本学の精神である「至誠と愛(きわめて誠実であることと慈しむ心)」に溢れた高い臨床能力を有する皮膚科医を目指して,全員で日々研鑽を積んでいます。笑いの絶えない明るく愉快な医局員が多く,基本は穏やかで誠実に,女性も男性も等しく医師として活躍できる教室です。東京の中心に立地し,稀な疾患からcommon diseaseまで幅広く経験することができます。

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症例1,2ともに70歳代,女性。下腿の発赤・腫脹を主訴に受診した。症例1:びらんもあり接触皮膚炎を疑ってパッチテストを施行した。陽性の薬剤の使用を避けて入院加療し一旦改善したが退院後再燃した。症例2:蜂巣炎が疑われ抗菌薬を投与されたが改善せず紹介受診した。詳細に問診したところ,2例とも臥位からの起き上がりにくさや腰痛のため座位で睡眠をとっていることが判明した。うっ滞性症候群と診断し,下肢挙上の必要性を説明し治療したところ軽快した。うっ滞性症候群を疑ったときは就寝中の姿勢も確認することが重要である。それとともに座位で寝ることがうっ滞性症候群の原因になることを本人や周囲の人に認識してもらう必要があると考えた。

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56歳,女性。既往にHirschsprung病とHirschsprung病関連腸炎があり,長年腸炎を繰り返していた。初診の2週間前から抗菌薬で改善しない下痢が出現し,10日前からは右下肢に有痛性の黒色結節が出現し急速に拡大した。初診時,辺縁に暗紫色の堤防状隆起を伴う30mm大の潰瘍を認め,その周囲に有痛性紅斑を伴っていた。8日後の再診時,潰瘍は17cmに拡大していた。内視鏡検査と病理検査で潰瘍性大腸炎に合併した壊疽性膿皮症と診断し,ステロイド内服でいずれも改善した。Hirschsprung病では,炎症性腸疾患や関連腸炎を合併することがあり,自験例は潰瘍性大腸炎に合併した壊疽性膿皮症と診断した。Hirschsprung病で腸炎を繰り返す場合には,壊疽性膿皮症が合併する可能性を認識しておく必要があると考えた。

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70歳,男性。26歳時に尋常性乾癬を発症し,ソラレン(psoralen)と紫外線A波(ultraviolet A)の併用を主体とする光線治療を長期間にわたって受けていた。2017年5月からウステキヌマブを開始し,全身の皮疹はほぼ消退していた。2018年7月下旬,左下腿に鶏卵大の乾癬局面と,その中央付近に角化性丘疹が出現した。左下腿の病変は外用に抵抗し,丘疹は増大した。2018年11月下旬,生検にて丘疹を高分化型有棘細胞癌と診断した。癌の切除後,周囲の乾癬は速やかに軽快した。長期の光線療法後の乾癬患者においては,皮膚癌の発生リスクを念頭に置き,特に生物学的製剤を導入後は,皮疹の変化に十分に注意する必要がある。

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61歳,女性。1年半前から両肘頭,下肢屈側,両鼠径部に左右対称性に多数の常色から淡紅色結節,紅斑があり,いずれも環状を呈さない。糖尿病はじめ既往歴はない。2カ所の皮膚生検にて,柵状配列を欠き変性した膠原線維間に炎症細胞が浸潤しているいわゆる間質型を示し,汎発型の非定型環状肉芽腫と診断した。皮膚生検のみの無治療で2週間後にはすべての皮疹が消退傾向を示した。環状を呈さず結節,紅斑と多彩な皮疹を示し,索状配列を欠く間質型の病理所見と皮膚生検のみで著明な消退傾向を示した症例を報告したが,本症が生検により消退する率や,そのメカニズムについてはいまだ不明である。

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54歳,女性。掌蹠膿疱症に対し11年間以上,臀部にステロイド皮下注射を受けていた。4年前,右臀部皮下腫瘤に気づき増大するため受診した。常色,17×18cm高さ7cm,弾性硬で一部は骨様硬の腫瘤。MRI画像からdermoid cystを疑い切除した。皮下脂肪織内に周囲を線維性被膜で被われた囊腫病変があり,石灰化や泡沫状マクロファージ,異物巨細胞を伴う脂肪壊死像がみられnodular-cystic fat necrosisと診断した。過去のCT像から少なくとも8年前には腫瘤は存在していた。長期間の皮下注射,ステロイド全身投与,慢性動脈閉塞症などの血行障害が誘因となって巨大な腫瘤を形成したと推定された。

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41歳,女性。1年前に出現した後頸部皮下腫瘤で当科受診。初診時,後頸部に表面平滑で常色,下床との癒着のない23×15mm大で弾性やや軟の皮下腫瘤を認めた。エコーでは,境界明瞭な囊胞性腫瘤を認めた。病理組織所見では真皮から皮下脂肪織内に境界明瞭な結節性病変がみられ,免疫染色では,腫瘍細胞の多くがadipophilin陽性,一部CK7,EMA陽性であり,cystic sebaceous tumorと診断した。自験例では内臓悪性腫瘍の合併はなく,Muir-Torre症候群の診断基準を満たさない孤発のまれな例であった。

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71歳,男性。約6年間腎瘻カテーテルが留置されていた。初診の約半年前より左腎瘻カテーテル刺入部に紅色腫瘤が出現した。病理組織学的所見は高分化型扁平上皮癌であり,造影CTで左腎盂から左腰部皮下まで連続性に軟部陰影を認め,腎盂扁平上皮癌皮膚浸潤と診断した。手術適応はなく,初診の約3カ月後に永眠された。腎盂扁平上皮癌は非常にまれな腫瘍だが,その皮膚浸潤も極めてまれである。類似する病態として,医原性の悪性腫瘍皮膚転移の報告が散見されるが,原発巣と皮膚病変に連続性はない。自験例は,腎瘻カテーテルに沿い皮膚まで浸潤する特徴的な臨床像をとり,医原性の悪性腫瘍皮膚浸潤と考えられた。

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29歳,女性。2016年12月頃,右下腿に丘疹が出現し,近医で外用加療し消退した。2017年5月に妊娠し,2017年8月(妊娠19週頃)より両下肢に丘疹が多発し,近医にて皮膚生検が施行された。妊娠24週頃,当科を紹介受診した。両下肢に小豆大の紅色~暗紫色調の強く浸潤を触れる丘疹が多発し,組織では真皮から皮下脂肪織に異型リンパ球様細胞の浸潤を認めた。CD30+,CD3+,CD4+,CD8−,L26−,ALK−。Lymphomatoid papulosis(LyP)と診断した。出産後は一旦消退したが,約3カ月後に皮疹が軽度再燃した。妊娠中にLyPが増悪する機序について,妊娠早期から中期のトレランス維持のための制御性T細胞数増加により,LyPの皮疹が増悪する可能性があると推察した。

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71歳,女性。関節リウマチでメトトレキサートを内服していた。1週間前からの食欲不振,体動困難,全身に多発する膿疱,痂皮,潰瘍を主訴に救急搬送された。CRP 12.61mg/dlであり,膿疱内容物の培養からPseudomonas aeruginosaが検出された。血液培養は陰性だった。緑膿菌による壊疽性膿瘡と診断し,シプロフロキサシン600mg/日を18日間投与して軽快した。本症は免疫低下状態の患者に生じる深い潰瘍性病変で,原因菌は緑膿菌やMRSAを含む黄色ブドウ球菌であり,敗血症を伴う症例もある。本症を疑った際は,広域な抗菌薬の投与を開始すべきであると考えた。

憧鉄雑感

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3月3日に現れたその患者は香港から来た英語しか出来ぬ富豪であるという。筆者とて英語診療など出鱈目の極みであるが,訳が分からぬとも相手に合わせる術を持っており要は度胸だ。彼曰く,大阪で鱈腹肉を食べ,札幌で海鮮を楽しみ,これから函館に向かい寿司を食らうとのことである。患者はいたく喜んで帰ったが,新型コロナウイルス感染の坩堝となった件のクルーズ船で,そのきっかけを作った旅客が下船した国から来たマスクも着けぬ外国人の登場を看護師に告げ,十分な換気と消毒を指示したことは言うまでもない。

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現病歴 1週間ほど前より,睡眠効果を期待して,枕にラベンダー精油を数滴垂らして使用し始めた。3日前より左頰部に痒みを伴う紅斑が出現したため,当科を初診した。

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現病歴 当院受診の1時間程前,排尿後に誤って,ズボンのジッパーに陰茎包皮を挟み込んだ。自己解放を試みるが,不可能であったため,当院救急外来を受診した。受診時酩酊状態であった。

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現病歴 2年程前より外陰部の腫瘤を自覚した。当院産婦人科を受診し,穿刺,排液にて経過観察されていたが,排液にて一時的に消退するも再燃を繰り返し,徐々に増大傾向のため当科を紹介受診した。

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現病歴 2018年7月X日,左上肢に疼痛が出現した。7月X+1日,同部位に紅色丘疹小水疱が出現した。7月X+3日,当院乳腺外科で乳癌に対しパクリタキセル,ベバシズマブを投与された。7月X+7日,皮疹が増悪し,近医皮膚科で帯状疱疹と診断され,バラシクロビル3000mg/日の内服を開始した。しかしその後症状の改善乏しく,加療目的に入院となった。

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現病歴 初診1週間前に両親によって発見された,舌に多発する茶褐色丘疹を主訴に当科を紹介受診した。

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現病歴 本人談であるが,2日前に海水浴に行き,弟と口喧嘩をし,やけになり抗精神病薬の大量内服を行った。1日前より右大腿に痛みを生じ,増強してきたため,訪問した弟の判断で救急搬送となった。

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目次

英文目次

第16回 皮膚科の臨床 優秀論文賞発表

投稿規定

著作財産権譲渡同意書

Information

次号予告

編集後記

基本情報

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皮膚科の臨床
62巻5号 (2020年5月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0018-1404 金原出版

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