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特集 代謝異常症・沈着症
臀部左右対称に生じた皮膚石灰沈着症の1例
-―ダーモスコピーの血管所見と表皮から石灰沈着の距離―
Calcinosis Cutis on the Buttock
星野 雄一郎
1
,
佐々木 麗子
1
,
渡邉 荘子
1
,
石崎 純子
1
,
藤林 真理子
2
,
田中 勝
1
Yuichiro HOSHINO
1
,
Reiko SASAKI
1
,
Soko WATANABE
1
,
Sumiko ISHIZAKI
1
,
Mariko FUJIBAYASHI
2
,
Masaru TANAKA
1
1東京女子医科大学東医療センター,皮膚科(主任:田中 勝教授)
2同,病理診断科,教授
キーワード:
皮膚石灰沈着症
,
両臀部
,
栄養障害性
,
ダーモスコピー
,
血管所見
Keyword:
皮膚石灰沈着症
,
両臀部
,
栄養障害性
,
ダーモスコピー
,
血管所見
pp.1325-1328
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000908
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15歳,男性。半年前から臀部左右対称性のしこりと疼痛を自覚していた。ダーモスコピー所見は白色の背景に規則的な線状,網状血管がみられた。病理組織所見は真皮浅層から皮下に線維性被膜を有する球状の石灰化をみた。受験勉強の長時間坐位が圧迫刺激となり,左右対称性に生じた栄養障害性限局型皮膚石灰沈着症と考えた。皮膚石灰沈着症のダーモスコピー所見の報告は少ない。当科過去10年間の経験例について,長い血管の有無と表皮から石灰沈着までの距離との関係に注目し検討したところ,長い血管のある群は石灰沈着までの距離が有意に短かった。このことは皮膚石灰沈着症に限らず,他の皮膚腫瘍の診断や深度を推測するうえでも応用可能と考えた。
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