皮膚科の臨床 62巻12号 (2020年11月)

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57歳,女性。HLA-A02:06保有者。両側緑内障に対しブリンゾラミド懸濁性点眼液による加療を開始された。約4カ月後より顔面および体幹に紅斑が出現,全身倦怠感,発熱を伴い急速に口腔粘膜,眼粘膜のびらんを生じた。Stevens-Johnson症候群と診断し,ステロイドパルス療法,大量免疫グロブリン点滴静注療法にて症状は改善した。薬剤リンパ球刺激試験が皮疹回復期に陽性となり,ブリンゾラミドによるStevens-Johnson症候群と診断した。緑内障点眼薬によるStevens-Johnson症候群は国内外で2例目の報告であり,まれではあるが,薬疹発症時には被疑薬として考慮するべきである。

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現病歴 初診の3日前に感冒症状が出現し,他院内科にてメシル酸ガレノキサシン水和物(ジェニナック®)が処方された。内服翌日より左肘窩と左大腿に紅斑が出現したため,精査加療目的に当科を受診した。

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46歳,男性。初診4カ月前に口唇・口腔内のびらんと疼痛を主訴に近医を受診した。口唇ヘルペスの疑いにて抗ウイルス薬を投与されるも改善せず,ステロイド投与で改善した。以降同様の経過と症状を数回繰り返したため,当院を紹介受診した。問診よりトニックウォーターによる固定疹の可能性が考えられた。当科にて経過をフォローしていたが,患者自らファミリーレストランに出向きトニックウォーターを摂取し,再度同一の皮疹が出現した。経過と皮膚生検よりトニックウォーターによる固定疹と診断した。トニックウォーターによる固定疹は認知度が低く診断までに時間がかかることが多く,摂取歴がある場合は鑑別にあげることが肝要である。

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81歳,女性。約2カ月前に両頰部に紅斑,丘疹が出現した。近医で治療され,一旦症状は改善したが,約3週間で同部位に疼痛を伴う紅斑,水疱,膿疱,びらんが出現し,当院を紹介受診した。病理組織学的所見から疱疹状天疱瘡などの自己免疫性水疱症が疑われたが,血清免疫学的所見,直接・間接蛍光抗体法は陰性であった。服薬歴を再調査し,抑肝散による薬疹が疑われたため同薬を中止したところ,症状は消失した。パッチテストと臨床経過から,抑肝散による固定薬疹と診断した。固定薬疹は臨床像が多様で自験例の如く,水疱症とまぎらわしい症例もある。診断に難渋する皮疹では,薬剤誘発性の皮疹を鑑別疾患として想起し,服薬歴を十分に聴取する必要がある。

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75歳,女性。副鼻腔炎に対しカルボシステインの内服を開始し3カ月後に紅斑が出現した。両前腕伸側,手背,足背に鱗屑を有する紫紅色斑を,掌蹠に滲出傾向のある紅斑を,両頰粘膜にレース状の白色線条を認めた。病理組織学的に著明な表皮基底層の液状変性,Civatte小体,真皮上層のリンパ球,組織球,好酸球の浸潤を認めたこと,カルボシステイン中止1カ月後から軽快を示し,2カ月後には色素沈着を残し治癒したことから,カルボシステインによる扁平苔癬型薬疹と診断した。カルボシステインによる薬疹は固定薬疹が多く,扁平苔癬型薬疹は本邦で3例目である。自験例は掌蹠に扁平苔癬としては非定型的な滲出傾向のある紅斑を認めた点でも特異的と考えた。

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36歳,男性。当科初診の9年前に,前医にて頸部痛に対してエペリゾン塩酸塩,ロキソプロフェンナトリウム水和物,テプレノンの処方を一度受けたが,その後の詳細は不明であった。当科初診9カ月前から前医への通院を再開し,エペリゾン塩酸塩,ロキソプロフェンナトリウム水和物,レバミピドの頓服を開始した。内服開始4カ月後から頓服の度に瘙痒感が出現するようになり,初診1カ月前には,内服1時間後に顔面腫脹,腹部の膨疹も出現した。エペリゾン塩酸塩のプリックテストと口含み試験は陰性,内服誘発試験では内服2時間後に体幹の瘙痒感と膨疹が出現し,エペリゾン塩酸塩による蕁麻疹型薬疹と診断した。エペリゾン塩酸塩による薬疹の確定診断には,内服誘発試験が必要となる可能性が高い。

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82歳,男性。6年前より腹膜透析治療を導入。腹膜透析液をレギュニールHCa 1.5%からイコデキストリンに変更後11日目より,顔面を除くほぼ全身に小膿疱を伴う浮腫性紅斑が出現した。イコデキストリンによる薬疹を疑い,腹膜透析を中止しプレドニゾロンによる加療にて約10日で速やかに改善した。臨床経過からイコデキストリンによる膿疱型薬疹と診断した。パッチテストと薬剤リンパ球刺激試験はともに陰性であった。イコデキストリンによる薬疹は重症例の報告は少なく,本邦ではまれな薬疹とされている。しかし,海外ではイコデキストリンによる皮疹の報告は多い。本邦では腹膜透析患者が少ないことが,薬疹頻度が低いといわれる一因と考えた。

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66歳,男性。2型糖尿病に対し5年7カ月前からテネリグリプチン臭化水素酸塩水和物を内服後,頭部,顔面,体幹,上肢に紅斑,水疱を発症した。病理組織学的に表皮下水疱と多数の好酸球浸潤を認めた。抗BP-180NC16a抗体82.0U/ml,テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物の薬剤性リンパ球刺激試験285%で陽性で,DPP-4阻害薬関連水疱性類天疱瘡と診断し,テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物を中止したがその後も皮疹は悪化した。これまでのDPP-4阻害薬関連水疱性類天疱瘡と比べて,自験例は内服期間が5年7カ月と長く,薬剤性リンパ球刺激試験が陽性,臨床型が炎症型で難治であったことが特徴である。薬剤性リンパ球刺激試験の陽性例は炎症型かつ重症化する可能性があると考えた。

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現病歴 2014年12月にフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia,以下ALL)と診断された。第2世代チロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitor,以下TKI)であるダサチニブ水和物(スプリセル®)を併用した多剤併用化学療法で加療されたが,肺高血圧症と下血の副作用で同剤内服は中止された。2019年9月から第3世代TKIであるポナチニブ塩酸塩(アイクルシグ®)の内服が開始された。投与17日目後より体幹,四肢に紅斑が出現し,当科を紹介受診した。

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40歳,女性。幼少期より神経線維腫症Ⅰ型のため当科定期通院中。37歳時に頸部腫瘤を自覚し,悪性末梢神経鞘腫瘍と診断され,広範切除術を施行した。術後9カ月の時点で出現した肺転移に対し,化学療法を実施したが,多発肺転移の増大があり中止した。以降パゾパニブ塩酸塩の投与を開始したところ,内服開始後3カ月の時点で白髪が顕著になった。パゾパニブ塩酸塩による頭髪の色調変化は比較的頻度の高い副作用であるが,皮膚科での報告は少ない。その機序はSCF/c-kitの伝達シグナル阻害であり,自験例を含め変化はいずれも可逆的であった。今後,日常診療での診察機会が増えることが予想されるため,その臨床的特徴や作用機序の理解が望まれる。

巻頭言

変化 Change 天野 博雄
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もう10年以上前の話になるが,先代のアメリカ大統領,バラク・オバマ氏はChange Yes We Can! のスローガンを掲げて大統領選挙に勝利した。物事を “変化” させようと能動的に行動を起こすときもあれば,今回の新型コロナウイルス感染症のようにやむなくこれまでの生活様式を “変化” させなければならないこともある。往々にして若者は変化に柔軟に対応できるが,悲しいかな加齢によって徐々に適応能力は低下していくものである。昭和から平成への変換期に大学生活を送り,そして令和の時代になった今,これまでの来し方を振り返って変化してきたものについて書いてみたい。私と同年代以上の先生方には懐かしさを覚えていただけ,若い方々にはこんな時代もあったのかと多少驚きをもって受け止められるかも知れない。もちろん「皮膚科の臨床」誌上であるから,皮膚科に関係する事柄も含めたい。

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現病歴 生下時は特に異常がなかったが,2歳時より四肢に色素斑と脱色素斑が出現し,次第に目立ってきた。光線過敏症は自覚していない。

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2013年1月~2017年10月に,当院で造影剤使用後に皮膚や呼吸器症状を発症し,当科で精査を行った症例の皮膚テスト結果を検討した。症例数は27例で,男性10例,女性17例であり,年齢は39~86歳(中央値64歳)であった。即時型アレルギー疑いの症例13例中2例,遅延型アレルギー疑いの症例14例中4例が陽性であった。即時型アレルギー疑いの症例ではプリックテストは陰性であったが皮内テストは2例ともに陽性で,遅延型アレルギー疑いの症例ではすべての症例でパッチテストは陰性であったが皮内テストは4例陽性であった。いずれも交叉感作例があり,交叉反応がおこりうることを念頭に置いておく必要がある。

Dr.斎田の皮膚科診断講座

Dr.斎田の皮膚科診断講座(47) 斎田 俊明
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症例情報 71歳,男性。最近,左下眼瞼に黒色病変が生じているのに気づいた。初診時,左下眼瞼内側部の瞼縁に径2mmの青黒色小結節が認められた。その臨床像を図1に,ダーモスコピー像を図2に示す。

ちょっと一息 医局ラウンジ

第35回 京都府立医科大学
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教授から専攻医までの距離感が近く,アットホームな雰囲気の医局です。全医局員が一つの研究室内に机を持っているため,上級医と若手医師が日常から密にコミュニケーションを取ることができます。皆が仲良く,笑顔が絶えない医局です。

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67歳,女性。低悪性度リンパ腫の治療中。4カ月前より口内炎が,3カ月前より手指に紅斑が出現し徐々に増悪した。初診時口唇にびらんと血痂,前胸部から背部に大豆大までの紅斑が多発していた。腫瘍随伴性天疱瘡を疑い生検を行った。病理組織学的所見では基底層の液状変性,リンパ球の表皮内浸潤とケラチノサイトの個細胞壊死を認めた。紅斑部の蛍光抗体直接法は陰性。IgG抗デスモグレイン3抗体が78.50と陽性。ラット膀胱上皮を用いた蛍光抗体間接法が陰性など腫瘍随伴性天疱瘡に特異的な検査が陰性であったが,重篤な粘膜病変と悪性リンパ腫の合併,閉塞性細気管支炎の併発から腫瘍随伴性天疱瘡と考え治療中である。今後の経過により,再度の抗原抗体解析が必要と考えられた。

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51歳,男性。乾癬性関節炎に対してセレコキシブを開始したところ,3日後より両側足背の腫脹,7日後より38°C台の発熱,小膿疱を伴う紅斑が全身に出現した。病理組織学的には角層下膿疱を認めた。急性汎発性発疹性膿疱症あるいは膿疱性乾癬を疑いセレコキシブを中止し,補液,外用治療を開始した。第6病日には症状は軽快した。パッチテストでは小膿疱の形成を認め,セレコキシブによる急性汎発性発疹性膿疱症と考えた。尋常性乾癬が既往にある場合,急性汎発性発疹性膿疱症は膿疱性乾癬との鑑別が重要であり,初診時は鑑別に難渋することが多い。

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症例1:42歳,女性。2007年に四肢の紅斑から皮膚生検し病理組織学的所見より円板状紅斑性狼瘡と診断した。2013年から頭頂部に脱毛斑が生じ,脱毛部の皮膚生検でも同様の診断で,2018年からヒドロキシクロロキン硫酸塩200mg/日と400mg/日を隔日で11カ月投与し,脱毛が改善した。症例2:43歳,女性。2000年から頭頂部脱毛があり2017年からフルオシノニドとカルプロニウム塩化物水和物を外用したが脱毛斑が拡大した。2019年に皮膚生検し病理組織学的所見より円板状紅斑性狼瘡と診断した。ヒドロキシクロロキン硫酸塩200mg/日と400mg/日を隔日で4カ月投与し,脱毛が改善した。本邦で皮膚エリテマトーデスのヒドロキシクロロキン硫酸塩での脱毛改善例は他に2例報告があるが,いずれの症例も脱毛出現後2年以上経過してヒドロキシクロロキン硫酸塩を導入しても脱毛が改善した。

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29歳,女性。Wilson病で15年間のD-ペニシラミン内服歴あり。投与終了から約7年後に蛇行性穿孔性弾力線維症を発症した。進行する慢性腎不全を併発している。初診時,前頸部左側に,辺縁に紅色結節が連なり堤防状に隆起した径15mm大の局面があり,右側には径4mm大の紅褐色結節がみられた。紅色結節部で病理組織学的に,変性した弾性線維の経表皮排出像を認め,確定診断に至った。全摘出術を施行後も頸部に結節の新生が続いている。長期のD-ペニシラミン投与による変性の残存に加え,原疾患による慢性腎不全の進行や,紫外線,摩擦などの繰り返す外的刺激により弾性線維の変性が助長され,経表皮排出が持続していると推測した。

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5歳,女児。両親に同症なく,兄弟はいない。2歳より四肢に色素斑と脱色素斑が出現した。4カ月前から皮疹が目立つようになり,初診時,両手背,足背,膝蓋に点状の褐色斑と脱色素斑が混在していた。患児および両親の遺伝子検査を行ったところ,遺伝性対側性色素異常症の原因遺伝子であるAdenosine Deaminase Acting on RNA(ADAR)のheterozygote変異を認めた。両親には同変異を認めず,遺伝性対側性色素異常症の孤発例と診断した。本症の孤発例は比較的まれである。孤発例は色素性乾皮症と紛らわしい場合があるため,遺伝子解析によって確実に診断することが重要である。

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76歳,女性。神経線維腫症Ⅰ型患者。1年6カ月前に気づいた背部の皮疹が増大してきたため,当科を受診した。初診時,背部に表面がびらんを呈する20×18mm大の広基有茎性の紅色腫瘤があった。また,全身皮膚に常皮色~淡褐色で柔らかい隆起性丘疹・結節が多数みられた。紅色腫瘤を腫瘍辺縁で切除した。病理組織学的には,大小不同や核異型が目立つporoid cellが表皮内汗管への分化を伴いながら表皮と連続して増殖し,真皮内にやや不規則に胞巣を形成していた。また,一部では腫瘍胞巣内に壊死像がみられ,エクリン汗孔癌と診断した。他臓器転移はなく,追加切除後2年間再発はない。神経線維腫症Ⅰ型患者においても,上皮系悪性腫瘍の発生に注意が必要である。

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12歳,男児。6歳頃から左大腿部,腹部,背部に結節を自覚した。8歳時に近医で左大腿部の結節を切除しグロムス腫瘍と診断された。その後も徐々に増数・増大し12歳時に一部に疼痛を伴うようになったため当科を受診した。体幹,四肢に径1cmまでの青色調結節が多発しており,汎発型多発性グロムス腫瘍と考え疼痛の強い左大腿部の一部を切除生検した。病理組織学的所見では結節内に血管の拡張,増生を認め,一層の内皮細胞の外側にグロムス細胞が増殖しており,glomangiomaと考えた。今後も疼痛を伴うようになった部位のみを切除する方針とした。汎発型多発性グロムス腫瘍はまれであり,本邦報告例からその特徴について考察した。

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43歳,ジンバブエ出身の黒人女性。子どもの頃より頭髪をきつく編み込むヘアスタイルの習慣があった。初診の2年前より頭頂部の脱毛を自覚した。初診時,頭頂部に瘙痒と軽度の紅斑を伴う瘢痕性脱毛がみられた。脱毛部のダーモスコピー所見および病理組織学的所見よりcentral centrifugal cicatricial alopeciaと診断した。毛髪を牽引するヘアスタイルの中止,ステロイド局注,ミノキシジル外用で軟毛が増加し,脱毛斑が縮小した。本症は毛髪を牽引する習慣のある黒人女性に多くみられるが,本邦での症例はまれであり報告する。

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日齢2,女児。在胎40週4日,自然分娩。出生体重3046g,Apger score 1分値8点,5分値9点で,全身状態は良好であったが,全身の点状出血斑と血小板減少を認めた。尿によるサイトメガロウイルス-DNA検査が陽性で,先天性サイトメガロウイルス感染症と診断された。病理組織学的検査で,血管周囲性の軽度の細胞浸潤と赤血球漏出像がみられた。血小板減少は自然に改善したが,先天性サイトメガロウイルス感染症の治療として,6週間の抗サイトメガロウイルス薬による治療を行った。妊婦の抗体保有率は減少しており,先天性サイトメガロウイルス感染の増加が危惧されている。新生児の紫斑をみた場合,先天性サイトメガロウイルス感染症を念頭に置くことが重要である。

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72歳,男性。初診1カ月前から,下腿上方に紅斑が出現し,滲出液を伴った。塗抹鏡検にて酵母様真菌を検出し,培養検査にてカンジダ属真菌の生育を認め,遺伝子同定検査でCandida parapsilosisと同定した。フルコナゾール内服を2カ月間行い,滲出液は著明に減少した。自験例は,Candida parapsilosisによる皮下膿瘍であり,抗菌薬内服に伴う菌交代現象の可能性も考えられた。カンジダ症の原因菌としては,Candida albicansのほかにも多数知られている。皮膚に常在するCandida parapsilosisによるカンジダ症は近年増加傾向を示し,注目されるようになってきている。難治性の膿瘍や潰瘍に対しては,真菌検査による同定を行うべきと考えた。

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38歳,女性。既往に全身性エリテマトーデスがある。初診2年前より多量の胸腹水が出現した。1年前より臍近傍の皮下腫瘤を自覚した。数日前より,腫瘤の表面皮膚が発赤し,水疱から潰瘍化したため,当科を受診した。臍の右上側に,径6cm大,弾性軟の皮下腫瘤を認め,表面皮膚は発赤し,黄色壊死を伴い潰瘍化していた。超音波検査,CT,MRIで多量の胸腹水,臍ヘルニアを疑う所見がみられ,表面皮膚に炎症を伴った臍ヘルニアと診断した。炎症が改善した後,臍ヘルニア根治術を施行され瘢痕治癒した。成人臍ヘルニアは比較的まれであるが,表面皮膚が壊死,潰瘍化することもある。潰瘍を伴う成人臍ヘルニアは破裂するリスクがあり,早めの治療が必要である。

憧鉄雑感

第104回 リモート面会 安部 正敏
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Withコロナの時代となり,従来では考えられぬ常識が罷り通ることとなった。筆者もしばしば製薬会社の方と面会することがあるが,この時代 “感染拡大防止” の観点からリモート面談がすっかり増えてしまった。従来より遠路ご足労願うのも申し訳ないと思ってはいたが,さりとて涼しい顔で自宅からインターネット経由で登場されると,毎日臨床現場で不特定多数と対面診療している立場からすると多少複雑な心境である。無論,感染拡大防止は重要であり,「来れば会ってやる」など筆者は大橋巨泉になれる筈もないので,リモートは勿論,電話,郵送で全く問題ないのであるが,コロナが経費削減の免罪符となっているようにも思えてならない。

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現病歴 初診の約1カ月前に小陰唇の多発結節を自覚し近医産婦人科を受診し,精査加療目的に当科を紹介受診した。

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現病歴 30年前より右外陰部に腫瘤を自覚していた。数カ月前より腫瘤の増大と帯下の増加があり産婦人科を受診した。外陰部スメア,子宮頸部スメア,腟分泌物に異常所見なく,当科を紹介受診した。

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目次

英文目次

投稿規定

著作財産権譲渡同意書

Information

次号予告

編集後記

基本情報

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皮膚科の臨床
62巻12号 (2020年11月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0018-1404 金原出版

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