Japanese
English
症例
特異的な血清学的所見は得られなかったが臨床的に腫瘍随伴性天疱瘡と考えられた1例
Clinically Considered Paraneoplastic Pemphigus without Specific Serological Findings
荻原 麻里
1
,
猿田 祐輔
1
,
渡辺 秀晃
1
,
石井 文人
2
,
橋本 隆
3
,
末木 博彦
1
Mari OGIHARA
1
,
Yusuke SARUTA
1
,
Hideaki WATANABE
1
,
Norito ISHII
2
,
Takashi HASHIMOTO
3
,
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学医学部,皮膚科学講座(主任:末木博彦教授)
2久留米大学医学部,皮膚科学講座(主任:名嘉真武国教授)
3大阪市立大学大学院医学研究科,皮膚病態学(主任:鶴田大輔教授)
キーワード:
腫瘍随伴性天疱瘡
,
悪性リンパ腫
,
閉塞性細気管支炎
Keyword:
腫瘍随伴性天疱瘡
,
悪性リンパ腫
,
閉塞性細気管支炎
pp.1699-1702
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002252
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67歳,女性。低悪性度リンパ腫の治療中。4カ月前より口内炎が,3カ月前より手指に紅斑が出現し徐々に増悪した。初診時口唇にびらんと血痂,前胸部から背部に大豆大までの紅斑が多発していた。腫瘍随伴性天疱瘡を疑い生検を行った。病理組織学的所見では基底層の液状変性,リンパ球の表皮内浸潤とケラチノサイトの個細胞壊死を認めた。紅斑部の蛍光抗体直接法は陰性。IgG抗デスモグレイン3抗体が78.50と陽性。ラット膀胱上皮を用いた蛍光抗体間接法が陰性など腫瘍随伴性天疱瘡に特異的な検査が陰性であったが,重篤な粘膜病変と悪性リンパ腫の合併,閉塞性細気管支炎の併発から腫瘍随伴性天疱瘡と考え治療中である。今後の経過により,再度の抗原抗体解析が必要と考えられた。
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