Japanese
English
特集 薬疹・薬物障害
パゾパニブ塩酸塩投与中に毛髪の色調変化を生じた悪性末梢神経鞘腫瘍の1例
Malignant Peripheral Nerve Sheath Tumor Concomitant with Hair Discoloration Induced by Pazopanib
小松 麻衣
1
,
松谷 泰裕
1
,
土井 春樹
1
,
本間 大
1
,
山本 明美
1
,
丹代 晋
2
Mai KOMATSU
1
,
Taisuke MATSUYA
1
,
Haruki DOI
1
,
Masaru HONMA
1
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
1
,
Susumu TANDAI
2
1旭川医科大学,皮膚科(主任:山本明美教授)
2同,整形外科
キーワード:
マルチキナーゼ阻害薬
,
c-kit
,
白髪
,
毛髪変化
,
皮膚障害
Keyword:
マルチキナーゼ阻害薬
,
c-kit
,
白髪
,
毛髪変化
,
皮膚障害
pp.1683-1685
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002246
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40歳,女性。幼少期より神経線維腫症Ⅰ型のため当科定期通院中。37歳時に頸部腫瘤を自覚し,悪性末梢神経鞘腫瘍と診断され,広範切除術を施行した。術後9カ月の時点で出現した肺転移に対し,化学療法を実施したが,多発肺転移の増大があり中止した。以降パゾパニブ塩酸塩の投与を開始したところ,内服開始後3カ月の時点で白髪が顕著になった。パゾパニブ塩酸塩による頭髪の色調変化は比較的頻度の高い副作用であるが,皮膚科での報告は少ない。その機序はSCF/c-kitの伝達シグナル阻害であり,自験例を含め変化はいずれも可逆的であった。今後,日常診療での診察機会が増えることが予想されるため,その臨床的特徴や作用機序の理解が望まれる。
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