Japanese
English
症例
神経線維腫症Ⅰ型患者に生じたエクリン汗孔癌の1例
Eccrine Porocarcinoma in a Patient with Neurofibromatosis Type 1
村田 美和
1
,
藤田 英樹
1
,
照井 正
1
Miwa MURATA
1
,
Hideki FUJITA
1
,
Tadashi TERUI
1
1日本大学医学部皮膚科学系,皮膚科学分野(主任:照井 正教授)
キーワード:
エクリン汗孔癌
,
神経線維腫症Ⅰ型
,
NF1遺伝子
Keyword:
エクリン汗孔癌
,
神経線維腫症Ⅰ型
,
NF1遺伝子
pp.1721-1725
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002257
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76歳,女性。神経線維腫症Ⅰ型患者。1年6カ月前に気づいた背部の皮疹が増大してきたため,当科を受診した。初診時,背部に表面がびらんを呈する20×18mm大の広基有茎性の紅色腫瘤があった。また,全身皮膚に常皮色~淡褐色で柔らかい隆起性丘疹・結節が多数みられた。紅色腫瘤を腫瘍辺縁で切除した。病理組織学的には,大小不同や核異型が目立つporoid cellが表皮内汗管への分化を伴いながら表皮と連続して増殖し,真皮内にやや不規則に胞巣を形成していた。また,一部では腫瘍胞巣内に壊死像がみられ,エクリン汗孔癌と診断した。他臓器転移はなく,追加切除後2年間再発はない。神経線維腫症Ⅰ型患者においても,上皮系悪性腫瘍の発生に注意が必要である。
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