Japanese
English
特集 薬疹・薬物障害
自己免疫性水疱症との鑑別を必要とした抑肝散による固定薬疹の1例
Yokukansan-induced Fixed Drug Eruption Mimicking Autoimmune Blistering Disease
林 倫子
1
,
木村 有太子
1
,
金子 高英
1
,
髙森 建二
1
,
石井 文人
2
,
名嘉眞 武国
2
,
須賀 康
1
Michiko HAYASHI
1
,
Utako KIMURA
1
,
Takahide KANEKO
1
,
Kenji TAKAMORI
1
,
Norito ISHII
2
,
Takekuni NAKAMA
2
,
Yasushi SUGA
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院,皮膚科学教室(主任:須賀 康教授)
2久留米大学医学部,皮膚科学教室
キーワード:
固定薬疹
,
抑肝散
,
自己免疫性水疱症
,
eosinophilic spongiosis
Keyword:
固定薬疹
,
抑肝散
,
自己免疫性水疱症
,
eosinophilic spongiosis
pp.1656-1660
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002240
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81歳,女性。約2カ月前に両頰部に紅斑,丘疹が出現した。近医で治療され,一旦症状は改善したが,約3週間で同部位に疼痛を伴う紅斑,水疱,膿疱,びらんが出現し,当院を紹介受診した。病理組織学的所見から疱疹状天疱瘡などの自己免疫性水疱症が疑われたが,血清免疫学的所見,直接・間接蛍光抗体法は陰性であった。服薬歴を再調査し,抑肝散による薬疹が疑われたため同薬を中止したところ,症状は消失した。パッチテストと臨床経過から,抑肝散による固定薬疹と診断した。固定薬疹は臨床像が多様で自験例の如く,水疱症とまぎらわしい症例もある。診断に難渋する皮疹では,薬剤誘発性の皮疹を鑑別疾患として想起し,服薬歴を十分に聴取する必要がある。
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