LiSA 14巻8号 (2007年8月)

徹底分析シリーズ 動脈穿刺/動脈圧測定(各論)

巻頭言 鈴木 利保
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 動脈穿刺/動脈圧測定について,前号では主に総論的観点から,①動脈カテーテル・動脈圧測定の適応,②動脈カテーテル,術式部位の選択と合併症,③動脈圧カテーテルの挿入と感染管理,④動脈カテーテル挿入に必要な解剖,⑤穿刺器材からみた動脈留置カテーテル,などを取り上げた。今回はより実践的観点から動脈留置カテーテルを用いた橈骨動脈穿刺のコツと注意点を成人の場合,小児の場合に分けて論じていただいた。また,動脈留置専用器材,ガイドワイヤー付き動脈留置カテーテルの有用性,問題点,臨床的改良点について解説していただいた。動脈カテーテル留置は,その適応頻度も多く,研修医が会得しなければならない手技の一つであるが,この手技を苦手としている読者も多いと思われる。また,便利な器材であるガイドワイヤー付き動脈留置カテーテルは使用方法を間違えると思いがけない合併症を起こす可能性もあり,メーカー側,使用者側双方の努力が必要である。本企画では総論と合わせて動脈穿刺についてのすべてを網羅したつもりであり,読者にとってこの企画が明日の臨床の一助になることを願っている。

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 橈骨動脈は動脈穿刺の部位として最も一般的であり,橈骨動脈カニュレーションは決して難度が高い手技ではない。しかし,他の手技同様,施行頻度が少ないと習得するまでに期間を要することも事実である。本稿では,カテーテルの仕様に関する理解や穿刺方向のコントロールなど,いくつかのポイントを挙げながら,橈骨動脈カニュレーションを確実に行うためのコツと注意点を解説する。

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 岡山大学病院では年間約350例の小児心臓手術が行われており,そのほとんどで動脈カテーテルの留置が行われている。動脈ラインは,不安定な術前・術中・術後管理を行ううえで欠かせないものである。持続的な血圧のモニターとしてだけでなく,頻回の血液ガス測定の際にも力を発揮する。本稿では,当院での方法をベースに,小児における橈骨動脈穿刺のコツと注意点を述べる。

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 Insyte-ATMは,ガイドワイヤー内蔵型の動脈留置用カテーテルで,動脈穿刺困難症例に対し留置を容易にするために開発された商品である。比較的曲がりにくい特殊ポリウレタン性カテーテル,ならびに,屈折や断裂などが起こらないように工夫されたスプリング式のガイドワイヤーが使用されている。現在も,カテーテルの長さ,針,ガイドワイヤーの形状などについての改良が進められおり,より動脈穿刺の成功率が高まるように工夫がなされている。

 しかし,通常の静脈留置針での動脈穿刺に慣れ親しんでいる者が,Insyte-Aを使用すると,はじめは失敗率がかなり高く,静脈留置針による動脈穿刺に戻ってしまうことが少なくない。Insyte-Aによる動脈穿刺を成功させるためには,針の特徴を理解することが重要である。

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 今や,直接動脈圧測定は周術期管理における重要なモニタリング法の一つになっていることは言うまでもないことである。特に,橈骨動脈へのカテーテル挿入は,麻酔科医であれば必ずやその手技を行わなければならない状況に遭遇していよう。一発でカテーテルを挿入できれば問題はないが,近年の血管病変を有する症例の増加に伴いその成功率は低下していくことは容易に想像できる。最近,ガイドワイヤー付き動脈留置専用カテーテル(Insyte-ATM)が発売され,動脈内カテーテル留置の成功率向上に期待が寄せられている。また,このカテーテルも操作が容易となるように,従来の38mm針以外に30mm針が製作された。本稿では,38mm針と30mm針の両者における麻酔科医の使用感ならびに挿入時の注意点について述べる。

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 動脈留置カテーテルInsyte-ATMは,新しいタイプのガイドワイヤー付き動脈留置カテーテルであり,随所に優れた構造を持っている1,2)。しかしながら,医療安全対策上問題となる点も見受けられる。それはガイドワイヤーの構造にある。中心静脈カテーテルにかぎらず動脈留置カテーテルでも,金属針を通してガイドワイヤーを挿入するタイプのセルディンガー法では,ガイドワイヤーのロッキング現象*1を起こす可能性がある3,4)

 これはガイドワイヤー挿入時に,針先の固定が不十分なためにガイドワイヤーが血管外で屈曲することが原因である。また,こうしたロッキング状態で無理にガイドワイヤーを引き戻すと,破断したガイドワイヤーの一部が血管内に遺残する例もある4)。このようなガイドワイヤートラブルは圧倒的に中心静脈カテーテル挿入時に多いが,ガイドワイヤーを用いた末梢動脈留置でも,患者の体内でガイドワイヤーが破損して破片が残留し,外科的処置を必要とした事例が報告5,6)されている。

 そこで本稿では,Insyte-Aの構造的特徴を述べ,最も問題となるガイドワイヤートラブルの成因と対策およびダミーアーム試験を通して得られた理想的なガイドワイヤーについて言及する5)

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 末梢動脈内にカテーテルを留置,圧トランスデューサに接続して連続的に圧を測定する観血的血圧測定は,1拍ごとの血圧を測ることができるので,急激な血圧変化が予測される場合(大量出血,低血圧麻酔,心血管・脳神経外科手術)や,頻回の動脈血ガス分析が必要な症例に,穿刺の侵襲を少なくするため,きわめて有用である1~3)。近年,手術室,ICU,救急医療の現場において,この方法はほぼルーチン化されている。

 図1は,2003年度の当院の局所麻酔を含む手術症例6914例のうち,動脈カテーテル,中心静脈カテーテル,肺動脈カテーテルを留置した症例数とその比率を示す。動脈カテーテル,中心静脈カテーテル,肺動脈カテーテルの挿入数は,964例,880例,150例あり,その比率はそれぞれ13.8%,12.7%,2.1%で,動脈カテーテルの挿入頻度が最も多かった。この数字は局所麻酔を含むすべての症例数に対する比率であり,麻酔科が管理した症例数に対する動脈カテーテルの挿入比率は約16%となる。今後,手術年齢の高齢化と手術適応の拡大から,末梢動脈カテーテルの挿入頻度は多くなることが予想される。

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 周術期管理において動脈ライン留置は,観血的動脈圧測定のみならず血液ガス分析や血糖測定目的の採血ラインとしても有用である。しかし,カテーテルを留置することは決して容易ではない。本稿では,ガイドワイヤー付きの動脈留置カテーテルの問題点と解決法に関して述べる。

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 動脈穿刺でのカテーテル留置による動脈圧モニターは,現在の診療では頻用されている方法である。決して特別な手技ではないが,動脈穿刺による合併症はいくつか報告されている(表1)1)。しかし,これらの発生頻度は非常に低く,器具の誤操作以外はほとんど発生しないと考えられている。特に,橈骨動脈穿刺による遠位部の虚血やカニュレーションに続く血栓症,神経損傷,感染,出血は0.1%以下の頻度であり,非常にまれなものである2)。この合併症のうち動脈閉鎖の危険因子は,長期間カニューレ留置や血管疾患の併発,対外循環,女性,多回穿刺などとされている。また,橈骨動脈カニュレーション後に発症する虚血を予防するために,その可能性を検討するためにAllenテストが多く使用されているが,この合併症の回避には信頼性がない。

 橈骨動脈穿刺時には一般的に,指先を固定して手首を過伸展して操作を行うことが多いが,手首の長時間の過伸展は正中神経の一過性の神経損傷を起こすことがあるので,可能なかぎり早めに生理的位置に戻す必要がある。

 現在の診療では,動脈圧モニターは十分な注意をもって行えばほとんど合併症を起こすことはなく,循環管理を行ううえで非常に有用な方法であることは間違いない。

徹底分析シリーズ またまた研修医の素朴な疑問―2

巻頭言 津崎 晃一
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 すでに定番ともなった徹底分析シリーズの一つ,「研修医の素朴な疑問」は,臨床に従事する中でふと思いつくような初歩的な疑問を集めたものである。対する解説としては,明確な理論的または統計学的な根拠が与えられているほど,読者にとって「目から鱗」の状態が得られることは言うまでもないが,逆に根拠を示すことが困難な疑問も多く存在し,これはこれで新たな学問的探究の端緒となる可能性がある。いずれにせよ,麻酔学FAQとしての「研修医の素朴な疑問」をご一読いただき,系統的ではないかもしれないがtips的な知識として臨床水準の向上に役立てていただければ幸いである。

 ところで,筆者の「素朴な疑問」を一つ挙げるならば,「測定には,3回連続測定した内の平均値をとる?」がある。一昔前の熱希釈法による心拍出量測定にもこの慣習がよく利用されていたが,果たして,この方法には統計学的裏付けがあるのだろうか? 解説は次回のトビラで述べる予定である。

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●麻酔関連の事故はきわめて少ない

 術前回診で麻酔の必要性と実施について説明していると,麻酔という医療行為に対して患者が持つ認識が低いと感じた経験は誰にでもあろう。

 全身麻酔の話しをすると,手術の途中で目が醒めないか,昨日,寝てないけど麻酔で眠れるか,手術が予定よりも長くなると麻酔が切れないか等々,限りない。これらの質問を聞くたびに,麻酔という医療行為が正しく理解されていないと感じる。

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 血圧測定は麻酔管理には必須である。術中管理における血圧測定の方法には非観血的測定と観血的測定の二つがあるが,本稿では後者について最低限の項目について述べる。

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 深部静脈血栓症deep vein thrombosis(DVT)は下肢の深部静脈に血栓を生じる病態であるが,肺血栓塞栓症pulmonary thromboembolism(PTE)の主たる原因であり,両者は一連の病態〔静脈血栓塞栓症venous thromboembolism(VTE)〕と考えられている。PTEは術中心停止で発症すると65%以上の死亡率であり1),発症予防が重要である。VTEは術後発症が多く,またVTE既往は再発のリスクが高いため,周術期管理には十分な対応策を検討しておかねばならない。

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●Target Controlled Infusion(TCI)とは

 TCIとは「濃度を意識した麻酔管理」を行いやすくする投与方法の一つである。目標濃度を設定し,その濃度が維持できるように,ポンプの投与速度を制御している。

 一般に薬物を投与する際には,実測した濃度に従って投与量を変更すればよいはずである。しかし,静脈麻酔薬ではリアルタイムに測定することが困難なため,薬物動態から,濃度挙動を推定することが行われている。定常状態では

  投与速度 ∝ 濃度 ∝ 効果

であり,投与速度と効果の間には直線関係があるが,定速では定常状態になるまでに半減期の4~5倍の時間を要する。ドパミンなどのように半減期が短ければ,速やかに濃度は安定し,直感的に「投与速度 ∝ 濃度」となる。さらに,血行動態の改善という効果も明らかであり調節しやすい。しかし,実際に利用できる静脈麻酔薬は半減期がもっと長く,投与速度から濃度(ひいては効果)を推定することが困難である1)

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 TIVAとはtotal intravenous anesthesiaの略で,すべての麻酔薬を経静脈的に投与する麻酔管理方法である。

 麻酔の要素(鎮痛,鎮静,筋弛緩)を,ジエチルエーテルでは単独で得ていた。しかし,現在主流である揮発性吸入麻酔薬は鎮痛作用が比較的弱く,鎮痛は麻薬(フェンタニル,レミフェンタニル),硬膜外ブロック,脊髄くも膜下麻酔により,鎮静はガス麻酔薬ないしプロポフォール,ベンゾジアゼピン系,筋弛緩はベクロニウムなどと各種の薬物を組み合わせて投与する「バランス麻酔」が行われている。TIVAは吸入麻酔薬を利用しない究極のバランス麻酔ともいえる。

 TIVAについて述べる前に,まず,ガス麻酔の麻酔科医にとっての位置づけを考えてみよう。

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●硬膜外カテーテル挿入時の血管損傷が招く危険性

 硬膜外カテーテル挿入時に針先やカテーテルの先端が血管内に迷入することがしばしばある。その場所で局所麻酔薬の薬液が注入されると,急激に血中濃度が上昇し局所麻酔薬中毒が発生する可能性がある。また,その時の血管損傷が硬膜外血腫の原因にもなりうる。特に術前,抗凝固療法を受けている患者ではガイドラインに沿って管理を行ったとしてもそのリスクは高くなる。

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●くも膜下迷入を疑わせる身体所見

 硬膜外カテーテルのくも膜下迷入は,必ずしもカテーテル挿入時に生じるとは限らず,術中や術後に,不意に生じることもある。身体症状は,血圧低下,下肢しびれ,感覚運動麻痺,意識低下,呼吸抑制などであるが,全身麻酔下では,神経学的症状がマスクされ,遷延する血圧低下や,覚醒遅延によって,ようやく気付く場合もある。

 また,術中や覚醒時には,神経学的異常や血圧低下などの身体所見を認めないにもかかわらず,手術翌日や翌々日に下肢の感覚運動麻痺が生じることもあり,体動増加により遅発性にカテーテルがくも膜下に迷入することも報告1)されている。全脊髄くも膜下麻酔や,呼吸抑制などの重篤な合併症も生じる可能性がある。

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 硬膜外カテーテル留置が必要な理由は,例えば,肥満患者の上腹部開腹術の麻酔管理や術後鎮痛,無痛分娩,あるいは限局性の癌性疼痛のコントロールなどさまざまである。硬膜外腔が同定できても,カテーテルが挿入できなければ,目的は達せられず,悔しい思いをせざるを得ない。かといって,無理に挿入するのも心配である。

 硬膜外カテーテル留置に関して,諸先生方のコツなどの宝の山が各施設ごとにあるだろう。しかし本稿ではまず,カテーテルがなぜ進まないのか,進めるために何か方法があるのか,その方法は安全なのかを,経験の多くない一般的な立場から考えてみた。

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 上肢のブロックには腕神経叢ブロックやその末梢における個々の神経ブロックが含まれる。このうち,腕神経叢ブロックでは,神経叢に対するアプローチ(斜角筋間法,鎖骨上法,鎖骨下法,腋窩法,mid-humeral approach)が豊富なうえに,それぞれのブロックに伴う麻酔領域に差が存在し,生じうる合併症プロフィールも異なる特徴を示す。本稿では,紙数の都合上,ポピュラーなアプローチとしての斜角筋間法(電気刺激法)を中心に,その成功率を向上させるための基本事項について述べる。

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 添付文書には,気管支収縮を誘発する恐れがあるため重症気管支喘息の患者には禁忌であると記されている。さらに,薬理学の世界標準教科書である“Goodman & Gilman's Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th”には,「頭蓋内圧亢進,眼外傷,咽頭感染,不安定動脈瘤,気管支喘息の患者では咳,喉頭攣縮,気管支収縮が重篤になりうる」と記載されている。気管支喘息患者にチオペンタールを使用することは危険であるという印象はぬぐえない。この問題に対するエビデンスはどうなのか。

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 薬物濃度から持続投与量を求めるためには,薬物動態に関してモデル化が必要である。最も簡単なモデルは1コンパートメントモデルであり,多くの治療薬の薬物動態はこのモデルにより近似できることがわかっている。

連載

Editorial拝見
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Anesthesiology

Editorial:

Sonner JM. Ethnicity can affect anesthetic requirement. Anesthesiology 2007 ; 107 : 4-5.

Article:

Ezri T, Sessler D, Weisenberg M, et al. Association of ethnicity with the minimum alveolar concentration of sevoflurane. Anesthesiology 2007 ; 107 : 9-14.

 米国で麻酔をした経験と,日本で麻酔をした経験から,人種により麻酔薬に対する感受性に差があるのではないかと漠然と感じている。しかし,そのエビデンスとなるようなヒトを対象にした研究は少ない。20年以上も前,MGHのレジデントをしていたときに,赤毛だと麻酔の必要性が高いと言われたが,そのことが報告されたのは2004年のことである(Liem EB, et al. Anesthesiology 2004 ; 101 : 279-83)。中国人やネパール人のアルフェンタニルの除去半減期は,ヨーロッパ人よりも短いと報告されている。ロクロニウムの作用が,オーストリア,アメリカ(白人),そして中国で異なることが報告されている(Dahaba AA, et al. Anesthesiology 2006 ; 104 : 950-3)。人種による薬物反応の差がどこにあるのかは解明はされていない。

連載 初歩からのファイバースコープガイド下気管挿管:第5回

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バーマンエアウェイT

■構造・特徴・利点1,2)(表1,表2)

もともとは盲目的経口挿管用のエアウェイですが,ファイバー挿管用エアウェイとして利用されています。グデルタイプの経口エアウェイに似た,完全な中腔のチューブ構造です(図1)。

 ファイバースコープを中腔のチューブ構造の中に進めることにより,正中線上の操作が可能になります。

 エアウェイチューブにより舌根沈下が防止可能です。また,中腔構造により開口保持,スコープの保護が可能になります。

 右側面の縦方向に切れ込みがあり,これを開けることにより,挿管後エアウェイ内の気管チューブを取り外すことができます。

連載 A.M.C.心臓手術と麻酔:第3回

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症例

患者は65歳の女性,身長147cm,体重48kg,体表面積1.39m2。胸部圧迫感を自覚して,近医を受診した。循環器疾患の精査目的で当院紹介となり,二次孔欠損型の心房中隔欠損症atrial septal defect(ASD)と診断された。肺体血流比(Qp/Qs)は2.0であり,外科的治療の適応と判断され,パッチ閉鎖術が予定された。

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連載 知識をいかに体系化するか

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 今回は,「発信される情報の量が増えて需要供給のバランスが崩れ,相対的に情報受信者の立場が強くなっている。発信者はその点に留意しないと受信して貰えなくなる。それどころか,場合によっては情報発信ビジネス全体が丸ごと消滅する危険さえある」ということを述べます。

 「あるある大事典」の納豆減量法捏造は論外で,「例外」であって欲しいとは思いますが,しかし一般的に民放テレビにはいい加減な情報やどうでもいい情報があまりに多いのは事実です。ただ,そうは言っても民放の場合は無料ですから,聴視者が苦情を述べる筋でもありません。幸いにして,視聴率が番組改善のメカニズムとしても働きます。それが万能でないことは言うまでもありませんけれども。

連載 薬物動態を理解しよう

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 薬物動態学の基礎的事項を約1年間にわたって連載してきたが,今回はその最終章である。これまで1コンパートメントモデルの概念,その基本的構成要素,代表的な投与方法における血清濃度の変動について解説してきた。今回は,病態による投与量の調節の中でも最も補正の程度が大きい腎障害時について解説する。

連載 ヒューストン留学記:24

留学と出産―その3 石黒 達昌
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ビデオ喉頭鏡からのメッセージ

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from LISA
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◎それは5月最後の休日,参議院選挙公示前,立候補予定者の街頭演説でのことでした。立候補予定者演説の前,応援者が「××がおうったえを聞いていただきたく」と話し始めたのには耳を疑い,この候補には間違っても票は入れないぞと思いました。その後『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(太田直子著,光文社新書)を読んでいて驚きました。同じことが書かれていたのです。

 「残暑厳しい9月の昼下がり...ガラガラになった声を張り上げる。「皆様にワタクシの政策をお訴えさせていただきたく...」わたしはその瞬間,どんなに政策がすばらしくても,こいつには絶対投票すまい,と固く心に誓った。...政策を練る前に,日本語教室に通って出直してくるべき」とあります。「させていただきたがる人々」と題されたこのエッセイ,ここから「~させていただく」の使われ方に,主体的な意思よりも,相手の許可・裁量に重きが置かれていると分析,さらに「一見,相手を第一に立てる美しき謙譲だが,裏を返せば相手に判断を委ねる無責任な態度にも感じられる」と説きます。

 先日,病棟回診時「(患者さまの)お腹を診させていただきます」と言う担当医に教授が「患者のお腹は診させてもらうのではない。患者と医者は対等,診るで十分,診てやるのだ」と諭したという話を聞きました。そのときの患者も,その教授の言葉に賛同したのはいうまでもありません。医療のサービス業的側面が余りにも強調されすぎたせいか,その主体性が希薄になってきてしまっているのではないかと心配です。

基本情報

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LiSA
14巻8号 (2007年8月)
電子版ISSN:1883-5511 印刷版ISSN:1340-8836 メディカル・サイエンス・インターナショナル

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