徹底分析シリーズ またまた研修医の素朴な疑問―2
TIVA(全静脈麻酔)の利点と欠点は何か?
中尾 正和
1
1JA広島厚生連廣島総合病院 麻酔科
キーワード:
静脈麻酔薬
,
鎮静
,
鎮痛
,
筋弛緩
,
ガス麻酔
Keyword:
静脈麻酔薬
,
鎮静
,
鎮痛
,
筋弛緩
,
ガス麻酔
pp.790-792
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100389
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TIVAとはtotal intravenous anesthesiaの略で,すべての麻酔薬を経静脈的に投与する麻酔管理方法である。
麻酔の要素(鎮痛,鎮静,筋弛緩)を,ジエチルエーテルでは単独で得ていた。しかし,現在主流である揮発性吸入麻酔薬は鎮痛作用が比較的弱く,鎮痛は麻薬(フェンタニル,レミフェンタニル),硬膜外ブロック,脊髄くも膜下麻酔により,鎮静はガス麻酔薬ないしプロポフォール,ベンゾジアゼピン系,筋弛緩はベクロニウムなどと各種の薬物を組み合わせて投与する「バランス麻酔」が行われている。TIVAは吸入麻酔薬を利用しない究極のバランス麻酔ともいえる。
TIVAについて述べる前に,まず,ガス麻酔の麻酔科医にとっての位置づけを考えてみよう。
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