症例ライブラリー 波形を読む
気腹を開始したら最高気道内圧が急激に上昇
藤吉 佑樹
1
,
廣田 誠二
1
Yuki FUJIYOSHI
1
,
Seiji HIROTA
1
1高知大学医学部 麻酔科学・集中治療医学講座
キーワード:
肥満患者の呼吸管理
,
VCV波形解析
,
DOPE
,
頭低位
Keyword:
肥満患者の呼吸管理
,
VCV波形解析
,
DOPE
,
頭低位
pp.766-770
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320080766
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■症例
45歳の女性。身長152cm,体重91kg(BMI 39.3)。既往に喘息があり,1秒率(FEV1.0%)65%である。子宮体癌に対してロボット支援下子宮全摘付属器切除術が予定された。
気管チューブは内径7.0mm,20cm固定にしてカフ圧計で25cmH2Oになるようにカフを膨らませた。人工呼吸は従量式換気(VCV)で,1回換気量400mL,呼気終末陽圧(PEEP)なし,吸入酸素濃度(FIO2)30%,I:E=1:2,呼吸数12回/minで開始したところ,最高気道内圧は23cmH2Oで呼気終末二酸化炭素分圧(PETCO2)は44mmHgであった。徐々に経皮的末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)が低下し,手術開始前には94%となったため,リクルートメントを行った後,PEEP 8cmH2Oを付加した。
手術が開始され,頭低位にして気腹を開始すると最高気道内圧アラームが鳴動し,値を確認すると40cmH2Oであった。
さて,あなたならどうする?

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