症例ライブラリー 波形を読む
執刀直後にBISが急低下し,血圧と心拍数が急上昇
上山 博史
1
Hiroshi UEYAMA
1
1関西労災病院 麻酔科
キーワード:
逆説的覚醒
,
paradoxical arousal
,
δ波
,
溶解忘れ
Keyword:
逆説的覚醒
,
paradoxical arousal
,
δ波
,
溶解忘れ
pp.762-765
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320080762
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■症例
56歳の女性。身長155cm,体重65kg。左半月板損傷に対して,関節鏡下半月板縫合術が予定された。20年前に子宮筋腫の手術を受けた際に術後悪心・嘔吐(PONV)がひどかったとの訴えがあったため,麻酔は全静脈麻酔(TIVA)による全身麻酔を予定した。
プロポフォールの目標濃度調節静注(TCI)3μg/mLとレミフェンタニル0.3μg/kg/min,ロクロニウム50mgで導入し,声門上器具を挿入した。麻酔深度のモニタリングとしてBISを用いた。麻酔導入後,BIS値は40〜50の間を推移していた。挿管から25分後にターニケットをインフレートし,手術を開始したが,執刀直後にBIS値が30まで急激に低下し,同時に血圧100/55mmHg,心拍数65bpmからそれぞれ180/110mmHg,105bpmに上昇した。
さて,あなたならどうする?

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