徹底分析シリーズ またまた研修医の素朴な疑問―2
巻頭言
津崎 晃一
1
1慶應義塾大学医学部 麻酔学教室
pp.777
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100384
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- 文献概要
すでに定番ともなった徹底分析シリーズの一つ,「研修医の素朴な疑問」は,臨床に従事する中でふと思いつくような初歩的な疑問を集めたものである。対する解説としては,明確な理論的または統計学的な根拠が与えられているほど,読者にとって「目から鱗」の状態が得られることは言うまでもないが,逆に根拠を示すことが困難な疑問も多く存在し,これはこれで新たな学問的探究の端緒となる可能性がある。いずれにせよ,麻酔学FAQとしての「研修医の素朴な疑問」をご一読いただき,系統的ではないかもしれないがtips的な知識として臨床水準の向上に役立てていただければ幸いである。
ところで,筆者の「素朴な疑問」を一つ挙げるならば,「測定には,3回連続測定した内の平均値をとる?」がある。一昔前の熱希釈法による心拍出量測定にもこの慣習がよく利用されていたが,果たして,この方法には統計学的裏付けがあるのだろうか? 解説は次回のトビラで述べる予定である。
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