症例ライブラリー 波形を読む
コラム ナビゲーションシステムによる電磁波干渉に対するパスルオキシメータ保護の一考察
春日 武史
1
Takeshi KASUGA
1
1練馬光が丘病院 総合救急診療科 集中治療部門/麻酔科
pp.751
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320080751
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脳神経外科や脊椎外科領域において,術中の精密な構造把握と手技精度向上のために,ナビゲーションシステムの導入が進んでいる。特にC-armやO-armと連携した3Dイメージベースのナビゲーションマッピング装置は,術中の針先・インプラント位置をリアルタイムに可視化し,安全かつ正確な操作を可能とする。一方で,この種の装置が発する微弱な電磁波が,パルスオキシメータに干渉し,酸素飽和度の測定に著しい障害を与えることがある。この現象は一般に見過ごされやすいが,実際には術中モニタリングの信頼性を大きく損なう要因となり得る。本稿では,ナビゲーション装置使用中に生じる経皮的末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)波形の乱れに対し,筆者が偶然見出した,きわめて簡易的かつ安価な遮蔽手段を紹介する。
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