徹底分析シリーズ 動脈穿刺/動脈圧測定(各論)
コンシューマー・レポート:Insyte-A
鈴木 利保
1
Toshiyasu SUZUKI
1
1東海大学医学部外科学系診療部 麻酔科
pp.752-754
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100372
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末梢動脈内にカテーテルを留置,圧トランスデューサに接続して連続的に圧を測定する観血的血圧測定は,1拍ごとの血圧を測ることができるので,急激な血圧変化が予測される場合(大量出血,低血圧麻酔,心血管・脳神経外科手術)や,頻回の動脈血ガス分析が必要な症例に,穿刺の侵襲を少なくするため,きわめて有用である1~3)。近年,手術室,ICU,救急医療の現場において,この方法はほぼルーチン化されている。
図1は,2003年度の当院の局所麻酔を含む手術症例6914例のうち,動脈カテーテル,中心静脈カテーテル,肺動脈カテーテルを留置した症例数とその比率を示す。動脈カテーテル,中心静脈カテーテル,肺動脈カテーテルの挿入数は,964例,880例,150例あり,その比率はそれぞれ13.8%,12.7%,2.1%で,動脈カテーテルの挿入頻度が最も多かった。この数字は局所麻酔を含むすべての症例数に対する比率であり,麻酔科が管理した症例数に対する動脈カテーテルの挿入比率は約16%となる。今後,手術年齢の高齢化と手術適応の拡大から,末梢動脈カテーテルの挿入頻度は多くなることが予想される。
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