看護管理 21巻9号 (2011年8月)

特集 ちょっと気楽に! みんなで支える臨床看護研究

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臨床看護研究を,一人で抱え込みつらい1年を過ごすものから,ちょっと気楽に,そして現場に活かせるものにするための実践集。院内指導者の立場から,外部講師の立場から,そして研究当事者の声など,さまざまな立場からの実例を紹介。形だけの研究から解放を!

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 病棟看護師が行なう臨床看護研究において,モチベーションをある程度保ち続けて研究を完成させ,その結果を病棟のケアに活かすためのノウハウを知りたい方は多いと思います。

 私たちは,東京都保健医療公社豊島病院の看護部とともに,6年間,病棟の看護師が取り組む看護研究に関わってきました。看護研究を行なう人をフォローするための,看護部の役割,病棟スタッフの役割,外部講師の役割というものが明確になり,研究のレベルが向上してきたことを実感しています。

 最近では看護研究を行なう看護師の疲弊感が軽減され,なかには結果を知ることを楽しむ人も現れました。看護研究の院内発表が終わったあとに「来年もぜひやりたい」という人はさすがにいませんが,「いつかまたやりたい」という意見が聞かれますし,1年間看護研究に取り組んだ人がその後,病棟指導者になってくれることもあります。基本的には,院内発表のあとに,全員が学会発表を行なうことになっています。さらに,他の病院でも活用できる結果が得られた場合には,雑誌に投稿するレベルに成長しています。

 臨床看護研究を進めるときにぶつかる壁と対応ポイントを整理しましたので,参考にしていただければ幸いです。

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看護研究のねらい

 臨床の現場で看護実践に関する疑問や問題点が生じたときに,科学的に看護を追究していく視点を養うことは重要である。そして,その結果を還元していくことが看護の質の向上につながり,よりよい看護実践ができると考える。しかし,日常,看護業務のなかにおいて,気づきを感じても研究的視点で取り組む機会が少ないのが現状である。

 当院では,看護専門職としての質の向上を図り,「看護研究により,日々の業務の中にEBNに基づいた看護を見出すことができる」ことを目的に研修を企画している。看護研究を実践することで研究的視点,倫理的配慮を学び,専門職としての意識を高める。さらに,研究の成果を論文にまとめ,院内・外の学会に発表できることを目標としている。

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 当院は,病床数419床,看護職員287人の急性期医療の病院です。重点医療は「救急医療・脳血管疾患医療・がん医療」であり,2010(平成22)年度には「地域医療支援病院」として承認され,さらに充実した医療サービスを提供できる人材の育成を目指しています。

 看護部理念「私たちは確かな技術とあたたかい心で 信頼される看護サービスを提供します」を柱に,看護部方針として次の3点を目標にしています。

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講義時間は短くまとめる

 講義は内容をできるだけ短くまとめるほうがよいと考えています。豊島病院では,初回は3時間程度をとりますが,2回目の講義は1時間半くらいにして,個別指導の時間をできるだけ多くもてるようにしています。講義はこれだけです。講義時間数が少ないと思われるかもしれません。しかし,あえて増やさないようにしています。なぜならば,病棟業務をこなす忙しい看護師を対象とした研修だからです。講義をする者はできるだけ多くのことを伝えようとしますが,看護研究の方法論などでは聞きなれない単語を長時間聞くことになり眠くなります。それに照明を落とすとなれば眠さ倍増です。また,取り組む研究の内容,手法の異なる人たちに対して,いろいろな研究手法について長々と説明したところで,自分の研究に関連しない部分のことは頭に入らないのではないでしょうか。なかにはやりたくないのにやらなければならない人もいるわけですから,講義を長時間にしたからといって必ずしも理解度が高まるわけではないと思います。全体に共通することや,量的,質的研究などの研究手法についておおよそのイメージがつく程度の講義にして,細かい手法については個別指導で説明します。

外部講師による個別指導 中尾 秀子
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 東京都保健医療公社豊島病院の個別指導の外部講師と看護部の役割分担をステップ別に図に示しました。1年間という短い期間のなかで,集団講義と個別指導を組み合わせ,面接以外でも連絡や相談を行ないながら個別に対応しています。ステップに沿って個別指導のポイントを説明します。

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はじめに

 看護研究を含め,人を対象とする臨床研究において最も重要なことは「研究の目的は何か」という点です。研究の目的が十分に考えられていれば,その後の研究の進め方は大変スムーズになります。目的が漠然としていたり,ちょっとしたアイデアだけがあったりすると,その後さまざまな壁にぶつかることになります。

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 看護研究指導者にとって,「テーマの選定」「研究計画書作成」「文献検索」「データ収集・分析」「考察」などの指導方法は,一度は立ち止まってしまうところではないだろうか。

 今回,これらの指導・支援の仕方について私が心がけたポイントを報告したい。

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 看護研究を行なう看護師への医師の協力はどのように行なうべきか。看護研究への協力経験から述べてみたい。次に示す3点から協力可能と考えられる。①患者情報を共有して研究デザインに活かす,②看護側に対する治療的視点の補足,③外来での診療継続のために患者についてのカンファレンスで看護師側と医師側の問題点を抽出する,などが看護研究において医師が協力できることと考えられる。

 実際に私の専門分野での看護研究発表があったのでその研究をもとに考えてみたい。われわれの病棟で行なった看護研究は,患者の糖尿病のセルフケア,すなわち患者の体重,血圧,運動,フットケアに対する意識が教育入院前後で改善しているかを自己評価法でみて検討したものである。本研究で医師側から協力できる点で重要なことは,患者情報の共有である。糖尿病患者のADL(独歩,車いす),家族背景,家庭環境同居者,食事の時間,食事をつくる人など),障害者手帳,介護保険や健康保険のタイプといった情報をお互いに知らなければ退院後の患者指導にも影響がでる。医師がいくら食事のカロリーを何キロカロリーと設定しても本人がつくる場合はいいが,家人につくってもらう場合はカロリー計算をできるように栄養指導を家人にも行なっておく必要があり,食事をつくる人がいない場合,宅配食かコンビニでの購買となる。退院時担当看護師と退院カンファレンスを行ない退院時の設定条件を患者が継続できるかについて詰めておく必要がある。運動についても同様である。脳梗塞患者が運動するときは,介護する人も必要となる。運動継続も見守りができるかどうかが重要なポイントとなる。患者背景の共有は絶対に行なわなければならない。

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 当院では各病棟で看護研究を1年おきに実施し,看護の質の向上と研究活動の普及を病棟の課題として課せられている。私は,7年間で4クールを病棟の指導者として,研修生と関わりをもった。4人4様で毎回新鮮な思いで指導することができた。そのときに感じたことを述べたい。

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 私は19年目になる循環器内科の臨床医である。当院に赴任して4年,現在循環器病棟を預かっている。病棟の看護師長より,若手の看護研究に何かよいテーマはないか?という相談をいただいたのが,今回,看護研究に協力することになったきっかけであった。

 当科では,私が赴任する以前より,心臓カテーテル検査は約70%を橈骨動脈アプローチで行なっており,TRバンドによる止血であったが,止血時間が診断カテーテルの4Fも治療カテーテルの6Fも同じ9時間プロトコルというものであった。以前の職場では,診断カテーテル4Fは5時間プロトコルであり,9時間圧迫せずとも止血可能であったため,大変驚いたのである。しかもこのように決まった経緯も不明確であった。そこで,止血時間を短縮しても問題ないことを検証する必要があるかと考え,「橈骨動脈穿刺法における圧迫止血時間を短縮するための試み」を当院のエビデンスとして確立すべく提案した。

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 医療現場で「援助職」という認識が最も希薄なのが医師,その医師への援助をする人の代表が看護師という見方もあるかもしれない。利用者支援という枠から離れた役どころで,労多く益少なし,近くから見ていて心苦しく思う。医療が医学を基盤として成立すると信じている医師からすれば,医療現場は科学的エビデンスにのっとり,理路整然と対処される場というイメージがある。援助職の視点からみれば,現場は理論どころか推察すらおぼつかないことだらけで,日々さまざまな現実が進展,反復されていく。混沌とした事実を前に,何かしら人々の行動や認識のなかに分け入ることができないかと模索するなかで,最近医療領域でも注目を集めているのが質的研究である。現場の奥深さを照らす一本のたいまつのようなものである。

 私は1980年代,健康調査の一環で関わった地域での分析に質的アプローチを用いた。当時はまだ公衆衛生領域の研究スタイルとしては途上中で,論文としてまとめるには難題山積であった。恩師の叱咤激励を頭から浴びながら何とか完成にこぎつけた。

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研究を進めるための環境づくり

スタッフの不安を受けとめる

 私が看護師長として1年目の,2010(平成22)年度,看護研究の係は木村さんに決定していました。次席は「一緒にやるから,がんばろうね」と,楽しそうに木村さんに話しかけていましたが,木村さんは覚悟はしているものの,不安な様子を浮かべていました。それもそのはず,はじめての看護研究で,まだ研究の研修を受けていない木村さんは,何をしたらよいのか,何から手をつけたらよいのか見当もついていなかったのです。イメージすらついていない木村さんに,次席は一生懸命「テーマを何にするか」投げかけていました。また,研修担当の看護師長からは,「第1回目の研修時には,こんなことをやりたいというおおまかなテーマを考えてくるように」と言われていました。私からみると,研究者よりも周りが焦っているような印象のまま,研修日を迎えました。

 研修終了後,病棟に帰ってくるなり泣いている木村さんにびっくりして,思わず「どうしたの?」と声をかけ,聞いてみると「まだ研修を受けていないから,何も知らなくても大丈夫。研修を受ければ何かがみえてくるはず」と考えていた木村さんは,実際に研修を受けて「他の研修生はもう,おおまかなテーマが決まっているのに,自分は何にも決まっていない。どうしよう……」と,思わず涙が出たようです。

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たくさんのことを学びやり遂げた自信を活かしていきたい

 2010(平成11)年度の看護研究研修に参加することとなり,「看護研究」をやるのははじめてで学校で講義を受けただけだったのでとっても不安でした。しかも先輩方には「大変だよ」といわれていたので不安だらけのスタートでした。

 研究を開始するにあたり,研究テーマを決める際はとても悩みました。当病棟の特徴を活かした研究がいいのか,それとも基礎的な看護技術のなかから見つけ出したほうがいいのか……結局,病棟の指導者や,看護師長に相談しながら決めていくことにしました。また,病棟単位での研究でもあるので病棟スタッフにも研究テーマについてアンケートを実施し,テーマを絞ることにしました。スタッフのなかでもさまざまな意見がありましたが,心臓カテーテルについての意見が多く,循環器病棟としての取り組みの研究がいいのではないかと考え,今回の研究テーマ「橈骨動脈穿刺法における圧迫止血時間を短縮する短の試み」を研究することになりました。以前,病棟で使用されていた橈骨動脈穿刺後のプロトコールは9時間でした。患者さんから「動かせないのは辛い」「痛いし長い」などの意見を聴く機会がありました。圧迫止血時間を短くすることで患者さんの苦痛や痛みを和らげることになるのではないか,看護師の業務も軽減されるのではないかと考えました。

誌上発表のための指導 伊東 美緒
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 これまでに豊島病院から数名の研修生が,看護研究で得られた結果を専門誌に投稿しています。外部講師からみて,他の病院でも参考にできると思う研究,研修生と同じ疑問をもつ看護師は多いだろうと感じる研究,文献検索をしたときにその分野の研究が非常に少ないことがわかった研究については,誌上発表を薦めます。ここでは雑誌に投稿するまでの進め方について説明します。

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 本特集をまとめるにあたり,豊島病院の看護研究では,看護研究に取り組む看護師だけでなく,医師,看護師長,病棟指導者,同僚といった多くの方々の協力のうえに成り立っていることがわかりました。外部講師には,指導のときに関わっている人のがんばりしかみえません。こうしていろいろな方の原稿を読む機会をいただき,外部講師も病棟の負担を少しでも軽減できるように,さらに工夫していかなければならないと痛感しました。

 看護研究を行なった看護師からは「研究テーマを絞り込むのにつまづき看護師長や病棟指導者に愚痴をこぼしたことで先に進めた」「看護師長の勤務の調整のおかげで分析が進められた」「研究プロセスを通じて病棟指導者に方向性を確認しながら進められ,精神的にも支えになっていた」「病棟スタッフが研究に興味をもって進行具合について気にかけてくれたり,体調を気遣ってくれたこと,研究結果に期待してもらえたことなどががんばれた理由」という意見がありました。看護研究を行なうと必ずつまづくことがあります。そういうときにこそ周囲全体の支えが必要になるのだと思います。

巻頭 看護×デザイン 医療の質を向上させるコラボレーション・8

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医療の質を向上させるコラボレーションとして,医療者とデザイナーを中心とした非医療者との協働から何が生まれてくるかを考える本企画。今回は,大阪の中核病院の一つである北野病院を視察した阿部正二氏に,そこで見て感じたことをもとに,デザイナーとしての視点から,これから各病院に求められる,❶コミュニケーション,❷インテリア,❸安全対策のデザインについて,考察いただいた。

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はじめに

 低体温は,シバリングによる酸素消費量の増加,末梢血管収縮による血圧の変動,覚醒遅延,血液凝固障害,免疫力低下による感染発症率の増加,創傷治癒の遅延などを引き起こす危険性があり,手術予後を左右するといわれている1,2)。手術中は,麻酔薬による体温調節中枢の障害と,手術室の環境により,低体温が引き起こされやすく,一度低下した体温を上昇させるのは容易ではない。よって,手術中のみならず手術後も体温管理は非常に重要である。

 研究の対象となった手術室では,ウォーターパッド特定加温装置システム(以下,メディサーム)やエアパッド特定加温装置システム(以下,ベアーハガー)の併用により,保温を行なっていた。しかし手術終了後に,覆布を取り外すことによって加温効率が低下し,加えて皮膚に付着した水滴,濡れたシーツやバスタオルが蒸発によって冷たくなり熱喪失が起こっていると考えられた。

 そこで,手術後も温かい空気の対流を持続させることが,効率的な保温方法であると考え,手術終了直後に保温したバスタオルとタオルケットを上半身用ベアーハガーの上から掛けた場合の体温の変化を調べることとした。

連載 ひとつうえの看護の力 CNS・1

母性看護専門看護師編【新シリーズ】

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 医師不足の現状を鑑み,看護師の裁量権の拡大に期待が寄せられている。専門看護師は,自らが高い実践力をもって看護に当たるだけではなく,教育責任も負っており,看護師の裁量範囲を拡大していく立場にもある。本シリーズでは協働している医療者と共に語り,実態に迫りたい。

連載 公論・私論・8

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 看護職1人ひとりがプロとして,その現場で力を発揮している実感があり,未来もそうであると感じているならば,それほど政治に関心をもたなくてもいいのかもしれない。しかし,実際は,過重な労働,緊張感の続く職場環境,専門職として低い評価などが相まって,残念ながら看護する喜びより働く辛さを先に感じてしまう。こんな現状を変えたい!と思わないだろうか。

 現状を変えるには,まずは自分自身の努力が必要だ。腕を上げ知恵をつけ,働き方を変え,よりよい看護をするための不断の努力がプロフェッションには義務づけられている。

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 本事業は,ジェネラリスト・ナース育成プログラムの開発,臨床指導者の育成,キャリアパス構築,人事交流の4つを柱に,大学病院と看護医療学部が連携し,教育体制の整備・運営,大学病院と学部の人材の有効な活用を促進するシステムの構築を図ります。これにより,高度先進医療に対応できる自律したジェネラリスト・ナースの育成をめざしています。

 ジェネラリスト・ナースの核となる臨床実践力を高めるプログラムでは,集合教育とOJTの連動,強化をはかりフィジカルアセスメント能力・看護過程展開能力を促進するプログラムの開発に取り組んでいます。また,新人の指導を通し教育力を育成するプリセプター研修をはじめ教育スキルの優れた教育指導者の育成プログラムの開発,ポートフォリオやキャリアアドバイスの活用,キャリアパスの開発による看護師個々のキャリアビジョンをふまえたキャリア開発を支援する体制の整備。さらに,ジェネラリスト・ナースへの成長支援,学生の実習支援を促す病院・学部双方の人材交流の制度や仕組みづくりに取り組んでいます。教育体制やキャリア支援体制を整備し,個々の看護師がキャリアビジョン,プランをもちながら意欲を高くもち働き続け,自律したジェネラリスト・ナースへと成長し,自己実現していけることをめざしています。

連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・67

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 5~6歳の子どもは,人間の感情の動きや人間関係の難しさなど,人が生きていくうえで大事なことについては,何もわかっていないと,大人は思いがちだ。おそらく大人がそう思うのは,子どもが自分の感情や思いを言葉でうまく表現することができないからだろう。大人だって,自分の気持ちを正確に他者に伝えるだけの表現力をもっている人は少ないのだから,子どもが上手に言葉で表現することができないからといって,《大事なことは何もわかってない》と言い切ってしまうのは,単なる思いこみに過ぎない。私はそう思う。

 というのは,幼い子の感性や心の動きを示すさまざまなエピソードに出逢ってきたからだ。アメリカの絵本『オーパルひとりぼっち』は,まさに幼い少女が辛い境遇のなかで,何を感じ何を考えていたかを,本人が書き留めていた断片的なメモをもとにして構成したノンフィクションの絵本だ。

連載 看護師長のためのわかりやすい病院経営基礎講座・4

各指標の見方 石尾 肇
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病院における経営分析の視点

 厚生労働省が公表している「病院経営管理指標」では,医療法人(民間),自治体,社会保険関係,その他公的の病院開設者別に,病院種類別,病床規模別,機能別などさまざまな切り口で各種経営指標が示されています。経営環境が近いデータをベンチマークとすることで,自病院の強みや弱みを客観的に把握できます。

連載 実践交渉力講座 渡辺ゼミ基礎編・8

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やり方次第でどんな相手にも気持ちよくYESと言わせることができたらすばらしいのに……。

そう思ったことはありませんか?

チーム医療で仕事をしていくこれからの時代に,

「交渉力」は看護師に欠かせない能力です。

『実践交渉力講座 渡辺ゼミ』では,交渉のエキスパートから,

実践現場で活用可能な本物の交渉力を一から学んでいきます。

連載 患者の目線 医療“関係者”が患者・家族になって・5

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 〈患者・家族としての本音〉と〈医療者のおかれている諸事情〉の両側面がわかる医療“関係者”に,医療を利用しての率直な声を聴くシリーズ。今回は,スウェーデンの高齢者ケアを研究し福祉の勉強会を主宰している藤原瑠美さん。ご自身が手術で入院されたときの物語です。品格ある専門店の管理者としての目線も加わって,心に残るケアを見つめます。

連載 看護と医療政策を考えるヒント・28

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 先般,三井物産はアジア最大手の病院グループであるインテグレイテッド・ヘルスケア・ホールディングス社に出資し,傘下に収めました。これは病院事業のグローバル展開と周辺事業の拡充を狙ったものです。

 新興国は,日本が長年かかって築き上げた医療システムに短期間で合理的に追いつき,追い越そうとしています。いいとこ取りをして医療の一切の無駄を取り除き,経営としての医療ビジネスを積極的に行なっているのです。

連載 つらつらNPノート・5

特定“行為”看護師 鈴木 美穂
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 在米の私に,日本で専門看護師とも認定看護師とも違う,別の新しい看護師資格に関するアイデアが浮上していることが伝わってきたのは数年前だ。当時,NP学生だった私は米国NPの視察の問い合わせを受けるようになったので,その新たな看護師資格は日本におけるNPをめざしたものなのだろうと想像していた。しかし,漏れ聞こえてくる話から,だんだんとNPとは異なることがわかってきた。

 とにかく,その特定看護師(仮称)と称される新しい看護師資格についての議論は,行なってよい特定の「行為」「技術」に関することばかりで,その行為を実行するにあたって必要な知識と判断力についての話があまりないのである。私の受けたNP養成プログラムのなかでは技術をトレーニングする場は全くなかった。授業で学んだのは,患者の訴えやフィジカルアセスメントから得られた所見から鑑別診断を立てること,それらを除外していくために必要な検査と,診断を確定したあとに施すべき治療法である。米国では,厚生労働省『チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループの特定看護師(仮称)に関する資料』1)で特定看護師(仮称)によって実施されるべきとされているような「行為」は各現場でトレーニングされる。私の場合,この厚労省の資料に挙げられている「行為」のなかで,NPになって実施するようになったのは直接動脈穿刺と中心静脈カテーテルの抜去くらいなものであるが,ICUに勤務するNPはもちろん気管内挿管や抜管も行なう。これらは当然卒後現場トレーニングである。また,PICC(peripherally inserted central catheter)ラインの挿入はトレーニングを受けた看護師(RN)の業務であり,12誘導心電図や末梢血採血は看護補助者の業務である。

連載 やじうま宮子の看護管理な日々・65

地デジと訪問看護 宮子 あずさ
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7月24日,テレビが映らなくなる人たち

 2年前の春,訪問看護室に勤めて以降,常に話題になっていた,地上デジタル放送(以下,地デジ)問題。総務省にしてみれば,十分なサービスを整え,準備期間も確保したと言うでしょう。

 それには私も賛成一票。例えば,生活保護世帯には,アナログテレビにつければ地デジが見られるチューナーが無料で配布され,その取り付けまで無料。さらに,アンテナやケーブルテレビの最低限の改修費も,無料。実に行き届いています。

連載 グループ・ダイナミックスへの招待 本当に病棟を変えたい人のために・3

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 今回から,グループ・ダイナミックスの世界に入っていきましょう。

 職場でも,家族でも,趣味のサークルでも,どんな集団でも,その集団ならではの性質をもっています。いかに似ている集団でも,細かに観察すれば,全く同じ集団などありません。そして,その性質は,決して集団の個々人に還元することはできません。なぜならば,それは,まさに集団の人たちの組み合わせ(顔合わせ)によって醸し出されるものだからです。

連載 管理者のためのブック・セレクション・7

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意思決定の基準をどこにおくか

 松尾芭蕉が提唱した「不易流行」とは、俳諧における永遠の本質は、新しさを求めて常に変化する流行のなかにこそあるという俳諧理念・哲学である。相反するようにみえる流行と不易とは、ともに根源は同じだとする考え方である。昨今の多種多様な経営キーワードはまさにこの「流行」にもあたるが、果たして「不易」とは一体何なのだろうか、という問いに答える一冊としてお薦めしたいのが、『経営の教科書――社長が押さえておくべき30の基礎科目』である。

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感情に寄りそうことによる自殺防止活動

 去る6月4日,名古屋港湾会館第一会議室にてNPO法人ビフレンダーズあいち自殺防止センター(以下,あいち自殺防止センター)設立記念フォーラムが開催された。

 日本におけるビフレンダーズの創始者である西原由紀子氏(国際ビフレンダーズ東京自殺防止センター代表)より,創設の経緯と活動内容についての説明があった。国際ビフレンダーズでは現在37か国で約3万1000人のボランディアが活動している。専門家ではない普通の人々による自殺防止のための電話相談はビフレンディングと名付けられ,「Be Friend」すなわち友となり,味方になり,助けることを目的としている。相談員の価値観をもって説得や説教を行なうこと,むやみに励ますこと,病気の診断をすること,経済的な支援を行なうことなどは一切せず,電話を通じて自殺したいほどのつらい気持ちを聴き,その心の叫びを受け止め,感情面での支えを提供することで,自殺防止を試みているのである。

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次号予告・編集後記 金子 西窪

基本情報

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看護管理
21巻9号 (2011年8月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

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