特集 ちょっと気楽に! みんなで支える臨床看護研究
病棟看護師長の役割
大山 文恵
1
,
石井 幸子
1
1東京都保健医療公社豊島病院
pp.797-799
発行日 2011年8月10日
Published Date 2011/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102168
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研究を進めるための環境づくり
スタッフの不安を受けとめる
私が看護師長として1年目の,2010(平成22)年度,看護研究の係は木村さんに決定していました。次席は「一緒にやるから,がんばろうね」と,楽しそうに木村さんに話しかけていましたが,木村さんは覚悟はしているものの,不安な様子を浮かべていました。それもそのはず,はじめての看護研究で,まだ研究の研修を受けていない木村さんは,何をしたらよいのか,何から手をつけたらよいのか見当もついていなかったのです。イメージすらついていない木村さんに,次席は一生懸命「テーマを何にするか」投げかけていました。また,研修担当の看護師長からは,「第1回目の研修時には,こんなことをやりたいというおおまかなテーマを考えてくるように」と言われていました。私からみると,研究者よりも周りが焦っているような印象のまま,研修日を迎えました。
研修終了後,病棟に帰ってくるなり泣いている木村さんにびっくりして,思わず「どうしたの?」と声をかけ,聞いてみると「まだ研修を受けていないから,何も知らなくても大丈夫。研修を受ければ何かがみえてくるはず」と考えていた木村さんは,実際に研修を受けて「他の研修生はもう,おおまかなテーマが決まっているのに,自分は何にも決まっていない。どうしよう……」と,思わず涙が出たようです。
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