総合診療 28巻1号 (2018年1月)

特集 シン・フィジカル改革宣言!—私の“神技”伝授します。

平島 修
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 「身体診察」は、教科書や雑誌を読んだだけでできるものではありません。診療の現場で、目の前の「患者さん」という身体を通して、経験しながら繰り返し学ばせていただくものだからです。

では、なぜ雑誌で、「身体診察」の特集を企画したのか——。

 身体診察は、時に「検査の1つ」と位置づけられ、その感度・特異度を論じられることもあります。しかし身体診察は、“エビデンス”だけでは語り切れません。検査とは違い、「診察者間の差」を無視できないからです。

 「診察者間の差を埋めたい」。そのためには、まず指導者が身体診察へのこだわりや想い、すなわち“アート(技術)”を伝えること、そして学習者がそれを信じて、「習得したい」と願い学び続けることが必要だと考えています。

 そこで本特集では、身体診察とその教育に強い想いをもった先生方に、こだわりの診察に的を絞って、自身の得意とするところの“神技”を披露していただきました。

 この技を信じ実践していただくことで、“エビデンスの向こう側”から吹いてくる、古くて新しい身体診察の風が、全国へと広がってゆくことを願っています。

【総論】

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 研修医や学生さんたちから、「身体診察がうまくなるには、どうしたらいいですか?」と聞かれることがある。自分もずっとそんなことを考えていたなあ……と思い出す。

 もう10年以上も前になるが、正真正銘の“フィジカルの達人”という先生の講演を聴く機会があった。講演後に、私も同じ質問をした。

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 身体診察を上達させるためには、どうしたらいいのか? 

 身体診察のスキルは、筆者の趣味の1つである「スキューバダイビング」のスキルと、意外とよく似ている。口にくわえたボンベの空気を大きく吸うと身体は浮き、深く吐くと身体は沈む。この呼吸のバランスで、一定の高さを保つ(これを「中性浮力」と呼ぶ)。簡単な理屈ではあるのだが、初心者には難しく一定の高さを保てず、浮いたり沈んだりを繰り返してしまう。上達の秘訣は、焦らず何度も海に潜ることである。しかも、1人ではなくバディやインストラクターとともに、海に広がる雄大な景色に感動しながら学ぶのである。

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年12月31日まで)。

【部位別“神技”!—何を意識して診ているか?】

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Case

重喫煙者で呼吸困難をきたした一例

患者:69歳、男性。

現病歴:1年前から「労作時呼吸困難」があり、3カ月前から呼吸困難の程度がひどくなり、3日前から「黄色痰」も伴って、息切れもさらに悪化してきたため救急室を受診した。

身体所見:呼吸数30回/分、体温38.9℃、SpO2 86%(室内気)。頸部に呼吸補助筋の肥大あり、胸部聴診所見は両側で呼吸音が低下。

検査所見:胸部単純X線写真では新たな陰影なし。喀痰の塗抹検査で、グラム陰性球桿菌が優位に好中球に貪食されていた。

診断:COPD(慢性閉塞性肺疾患)の増悪。

治療・経過:β刺激薬吸入と全身ステロイド、抗菌薬静注で、呼吸困難は徐々に改善した。

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Case

患者:10歳代、男性。

主訴:右下腹部痛。

現病歴:受診前日の夕方までは普段と変わりなく過ごしていたが、就寝前から臍周囲に持続時間が10〜20分の間欠的な痛みを自覚した。その後、嘔気あり、1回嘔吐した。吐物は食物残渣のみで血液混入なし。そのまま就寝したが、起床時から右下腹部に持続性の痛みがあり、歩行すると響く。また、今朝から食欲がない。軟便1回あり。熱感があるが、自宅では体温を測定していない。

既往歴:特記事項なし。

バイタルサイン:血圧119/71mmHg、脈拍数102回/分、SpO2 98%(室内気)、呼吸数15回/分、体温38.1℃。

身体所見(腹部のみ記す):平坦。腸蠕動音は生理的。右下腹部に圧痛あるが反跳痛なし、踵落とし試験は陽性。

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Case

振り向きざまの大腿骨頸部骨折

患者:85歳、女性。背の曲がった、元バレーボールのエース。

現病歴:歩行中、うしろから元カレに呼びかけられて振り向いたあとから右股関節痛。家までは元カレと歩いて帰ったが、そのあと歩行不能となり、救急車で来院。

 来院時、右下肢が外旋・短縮。鼠径部に圧痛あり。X線で「右大腿骨頸部骨折」あり、入院・手術となった。

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Case

患者:50歳代、男性。

既往歴:38歳;高血圧、脂質異常症指摘。41歳;脳出血、慢性腎不全指摘。

現病歴:朝食後、「回転性めまい」が出現。左耳鳴りと嘔吐も伴ったことから、救急要請。

バイタルサイン:血圧176/84mmHg、脈拍数86回/分・整、体温36.7℃、呼吸数18回/分、SpO2 98%(室内気)。

身体所見:右方向視で右に速い眼振、左方向視で左に速い眼振(注視方向交代性眼振)。指鼻試験拙劣、前庭眼反射(vestibulo-ocular reflex:VOR)正常、skew deviation(斜変位)なし、耳鳴りは左側にあったが、聴力は正常であった。

画像所見:頭部CTでは、脳出血や腫瘍性病変は認めず。頭部MRIでは、左小脳に拡散強調画像にて高信号域を認め、同部位のADC mapは低信号域を認めた。

診断:小脳梗塞(注視方向交代性眼振が診断の鍵になります)。

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年12月31日まで)。

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Case

「細菌性髄膜炎」が疑われ、眼底検査で「静脈拍動」を確認して髄液検査を施行できた一例

患者:68歳、男性。

既往歴:高血圧、糖尿病。

現病歴:数日前から「全身倦怠感」があり、夕方に「悪寒戦慄」とともに38℃の「発熱」があり、「頭痛」を訴え救急搬送された。

 頭部CT検査で、脳全体が腫脹して脳溝が狭小化している印象もあり、「脳浮腫」の可能性も考えられた。そのため腰椎穿刺がためらわれたが、眼底検査で明らかな「静脈拍動」を確認でき、少なくとも脳圧が上昇した状態ではないと判断して髄液検査を施行。問題なく腰椎穿刺でき、混濁した髄液中に多核球優位の髄液細胞数の著増を認め、「細菌性髄膜炎」(p.73・113)の診断がつき、速やかに継続治療に移行することができた。

【疾患別“神技”!—コモンの診断・フォローアップはどうする?】

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Case

長時間フライト後に肺塞栓症をきたした一例

患者:62歳、女性。

現病歴:来院2週間前から「呼吸困難」を自覚。来院前日に、仕事後14時間のフライトで米国から来日。フライト中は一度も席を立つことなく過ごし、空港に到着した際に強い「呼吸困難」と「めまい」を自覚。空港のクリニックで嘔気止めを処方され、ホテルで休んでいた。来院当日、症状が強く動けなくなったため救急要請。

身体所見:身長175cm、体重102kg。

バイタルサイン;意識清明、体温36.7℃、血圧133/90mmHg、脈拍数114回/分、呼吸数27回/分、SpO2 100%(酸素4L・鼻カニューレ)。

頭頸部;眼瞼結膜蒼白なし、眼球黄疸あり。胸部;両側全肺野清、心音Ⅱ音の亢進あり。腹部;平坦・軟、圧痛なし。四肢・その他;下腿浮腫なし、明らかな圧痛なし。

診断:典型的な病歴に加えて、呼吸回数増加とSpO2低下、Ⅱ音の亢進から、「肺塞栓症」を疑い、造影CT検査で確定診断を得た。

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Case

患者:70歳代、女性。

現病歴:数日前から、「腹部膨満」と軽度の「嘔気」、「便秘」。腹部全体に軽度の「腹痛」を認めた。症状はいずれも強くないが、改善しなかったため救急外来を受診した。

身体所見:バイタルサインに特に異常を認めず。腹部聴診では、やや高調な蠕動音を聴取。身体診察にて鼠径部まで確認したところ、右下腹部に膨隆を認め、右鼠径ヘルニア嵌頓(図1)とそれによる「腸閉塞」と判断した。経過時間が長いことから整復はせず。

治療:細胞外液を輸液しながら、緊急手術を施行した。回腸が嵌頓しており、鼠径管から引き出したところ、Richter型のヘルニアを認めた(図2)。口側腸管は軽度の拡張。患部を切除し、回腸回腸吻合を施行。術後経過は良好であった。

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Case

大量飲酒により「アルコール性急性膵炎」をきたした一例

患者:68歳、男性。

既往歴:胆囊結石(腹腔鏡下胆囊摘出術後)。

現病歴:元来、常習飲酒家(日本酒3合/日)。秋祭り最終日夕方から深夜まで、量がわからないくらい飲酒。明け方より「上腹部痛」が出現。その後、痛みは増強。「背部痛」と「嘔気」を伴い、診療開始時間に合わせて独歩来院。

身体所見:169cm、75kg。

 37.3℃、血圧118/68mmHg、脈拍数96回/分、呼吸数14回/分、SpO2 97%(室内気)。

 前屈姿勢で入室。眼瞼結膜に貧血なし、眼球結膜に黄染なし。胸部に特記すべき所見なし。腹部は平坦、5mm程度の手術瘢痕4カ所、出血斑などの皮膚所見なし。腸管蠕動音は低下も聴取可能。上腹部から臍上部に圧痛あり、筋性防御あり、反跳痛なし。肝腫大なし、脾腫なし。下腿浮腫なし。

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Case

患者:82歳、女性。糖尿病、高血圧症、進行した認知症。

現病歴:2日前から微熱があり、食欲も落ち、昨夕から寝込んでしまった。本日かかりつけ医が休診であり、ヘルパーに連れられ車椅子で近隣病院を受診した(普段は歩行可能)。

 血圧118/68mmHg、脈拍数78回/分、体温37.4℃、呼吸数18回/分、SpO2 97%、意識は清明である。熱源を検索したところ、細菌尿・膿尿があり「腎盂腎炎」として入院となった。ところが、入院後にあらためて診察したところ、「右膝痛」を訴えた。

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Case

お腹が痛くなってきた髄膜炎の一例

患者:24歳、男性。

主訴:頭痛、発熱。

既往歴:特記事項なし。

内服薬:なし。

現病歴:2日前からの「頭痛」「発熱」を主訴に外来受診。意識は清明で歩行も可能だったが、「過去に経験したことのない頭痛」でグッタリしていた。「嘔気」もあり経口摂取できないとのことで、そのまま入院された。

 体温38.7℃、血圧112/65mmHg、脈拍数76回/分、呼吸数20回/分、意識清明。項部硬直あり、jolt accentuation陽性、そのほか神経学的には異常所見を認めなかった。

 髄液検査で単核球優位の細胞数増多を認め、「無菌性髄膜炎」と診断して入院となった。入院後、解熱傾向だったが、「下腹部痛」を訴えるようになり、「排尿困難」も出現した。

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Case

塗抹検査により「アレルギー性結膜炎」の確定診断がついた一例

患者:3歳、女児。

家族歴:両親・7歳の姉ともに花粉症あり。

現病歴:既往歴や、「結膜浮腫」があるという典型的なアレルギー性結膜炎症状のため登園を許可したが、保育園で「眼脂」を指摘され、眼科でウイルスキットを施行し陰性であることを報告するよう指示があり再来。眼脂の塗抹標本で好酸球の存在を確認して、感染性のない「アレルギー性結膜炎」であることを説明した。

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本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。

Editorial

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 2016年夏、映画『シン・ゴジラ』(庵野秀明総監督、東宝)が公開され、空前の大ヒットとなった。約1年半経った今でも、その余韻は残っている。これまでのゴジラシリーズと、『シン・ゴジラ』は何が違ったのか?

 1つは、「リアルな描出」である。近年、CG(コンピュータ・グラフィックス)技術の発展により、アクションからアニメーションまで、人物や建物の細かな描写から動きまで、鮮明に描かれるようになった。ゴジラも、シリーズ当初の着ぐるみからCGへと変わり、より恐ろしい存在に見えた。

GM Group Dynamics・1【新連載】

京都GIMカンファレンス
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本誌読者にはおなじみの、人気連載「What's your diagnosis?」(p.6)では、「京都GIMカンファレンス」で提示された優れた内容の症例が、毎月掲載されている。ぶっつけ本番の診断推論を毎月繰り広げ、そのレベルの高さに定評がある「京都GIMカンファレンス」は、今でこそ全国各地で行われるようになった勉強会のなかでも歴史が古く、1998年4月に第1回がスタート(発起人は松村理司氏と福井次矢氏)、この2018年1月には第235回を数える。ここでは病歴と身体診察を重視した「診断推論の徹底した訓練」が、長幼の序のこだわりなく自由闊達な雰囲気のなか、熱く楽しく行われているのだ。

 全国に多数の逸材を輩出してきた「京都GIMカンファレンス」。ここで圧倒的な診断推論力をつけた医師たちは、今、日本の医療を、そして総合診療界を牽引している。現在ここで学んでいる若手医師らは、次代を担える力をつけ、その能力を開花させている最中だ。

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酒見(司会) 今日はテーマ的に、若手の皆さん主体で進めていきたいと思います。

 その前に、「京都GIMカンファレンス」(p.1)の草創期についてです。1998年3月に、当時市立舞鶴市民病院副院長であった松村理司先生(現洛和会ヘルスケアシステム総長)が京大総合診療部の臨床教授に就任した時に、当時の教授でいらした福井次矢先生(現聖路加国際病院院長)に、「一般内科が主体の舞鶴市民病院の症例を京大の研修医や医学生に提示したい」と提案したところ、「それは願ってもないこと」と福井先生も賛同され、同年4月に「京都GIMカンファレンス」(以下、GIMカンファ)が始まりました。その時の参加病院は京大と舞鶴だけ、初めは人集めが大変で、少ない時は舞鶴から2人、京大からは教授プラス1人だけだったとか(笑)。「こんなんで続けられるの!?」といったスタートだったそうです。その頃、舞鶴招聘中のティアニー先生(Lawrence Tierney、現 カリフォルニア大学サンフランシスコ校内科学教授)もGIMカンファに同伴され、福井先生と症例についてバチバチやり合ったというエピソードもあると、松村先生からお聞きしました。

ジェネラリスト漢方Basics|東西2つの視点でアプローチ・1【新連載】

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 総合診療の場で現代医学的標準治療を行っても、患者に十分な満足感が得られないことがあり、このような時に漢方が役立つことがある。また機能性疾患や、風邪などウイルス性疾患では、現代医学的治療より漢方治療のほうが優れる場合もある。現代医学的治療と漢方治療を併用できることは、日本の医療の特長である。本連載では、日常によくある疾患の典型例を挙げ、漢方の基本的考え方を学んでいきたい。

What's your diagnosis?[181]

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病歴

患者:60歳、女性。

主訴:繰り返す失神。

現病歴:

●X-5日:昼から右耳の下が腫れてきて、つばが飲み込めないほどの喉の痛みを自覚していた。食欲もなくなり、夕方には38℃の発熱・頭痛・倦怠感・悪寒を生じた。この頃から、家で日に1〜2回失神するようになってきた。

●X-3日:両上肢・両大腿・腹部前面に紅斑が出現した。瘙痒はなかった。

●X-2日:解熱は得られたものの、全身の皮疹・倦怠感・頭重感・食思不振が持続しており、当院総合内科・皮膚科を受診した。皮疹については、ウイルス疹疑いであった。内科的にもウイルス感染として帰宅となった。

●X-1日:自宅で失神を7回繰り返した。

●X日:失神を繰り返しており、食事もろくに食べられなくなってきたため、当院総合内科を再受診した。

●失神について:家で冷蔵庫を開けている時・座っている時などの、ふとした時に意識を失い、気づくと膝をついて倒れていたり、コップを落としてしまったりしていた。眼前暗黒感はなく、前兆もなかった。

既往歴:58歳;薬疹(バクタ®)。慢性膀胱炎。

内服:猪苓湯、八味地黄丸。

アレルギー歴:薬物ではバクタ®、セレコックス®、食物ではサバ、カニ、エビ。

生活歴:喫煙・飲酒なし。

I LOVE Urinalysis|シンプルだけどディープな尿検査の世界・10

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Case

患者:57歳、男性。

現病歴:2年前に大腸憩室穿孔、腹腔内膿瘍で手術歴があり、その後尿路感染を繰り返している。

尿路感染の時には尿が非常に臭う。尿グラム染色では、グラム陽性桿菌を含む多菌種を確認した。

 尿定性

比重 1.018

pH 6.0

蛋白 2+

糖 -

ケトン体 -

潜血 3+

ウロビリノゲン 正常

ビリルビン -

白血球 3+

亜硝酸塩 +

診察で使える!|急性期Point-of-Care超音波ベーシックス・10

急性肺塞栓症を疑った時 亀田 徹
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はじめに

急性肺塞栓症は予後に基づいて分類されます!

 急性肺塞栓症は多くの場合、下肢の深部静脈で形成された血栓が肺動脈に移動して発症します。肺循環の30%以上が塞栓で閉塞すると肺動脈圧が上昇すると言われていますが、低血圧・ショックの場合は、左右の主肺動脈のどちらかの完全閉塞、もしくは双方の部分的閉塞が造影CTで観察されます1)。もっとも肺血栓塞栓症の重症度の分類は、血栓の量や分布、形態ではなく、予後を反映する血圧低下・ショック、右室拡大・機能不全の有無に基づいて行われます1)。表1にAmerican Heart Association(AHA)1, 2)、表2にEuropean Society of Cardiology(ESC)の急性肺塞栓症の分類3)を提示します。表3は後者の指標の1つ、simplified pulmonary embolism severity index(simplified PESI)4)です。双方の分類からわかるように、血圧低下・ショックの有無と、超音波による右室評価は、予後を把握するうえで主要な指標であることがわかります。

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年12月31日まで)。

みるトレ Special・13

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患者:77歳、男性。

主訴:発熱、意識障害。

生活歴・既往歴:ADL自立、独居、生活保護受給者。高血圧・脂質異常症で他院かかりつけ。

海外渡航歴・ペット飼育歴・動物曝露歴などなし。

薬剤歴:ニフェジピン、アトルバスタチン、オロパタジン。

現病歴:2日前まで元気。1日前から全身の痛みと38.4℃の発熱が出現したため近医を受診。アジスロマイシンを処方され帰宅したが、入院当日たまたま来訪した友人が自宅の布団の中でぐったりしている患者を発見したため救急要請。

身体所見:血圧160/91mmHg、脈拍数90回/分、体温40.4℃、呼吸数30回/分、SpO2 98%(室内気)、GCS(Glasgow Coma Scale)E4V2M5(11点)。

項部硬直あり、下顎から前胸部まで3横指開大、胸腹部に明らかな所見なし。神経学的所見は従命できないため正確な把握は困難だが、瞳孔4mm/4mmで左右差なく対光反射も正常、腱反射亢進・減弱なく病的反射も認めない。

血液検査:WBC 12,400/μL、Hb 10.9g/dL、Plt 14×104/μL、PT-INR 1.16、APTT 50.2秒、TP 6.6g/dL、Alb 2.6g/dL、AST 39IU/L、ALT 15IU/L、BUN 14mg/dL、Cr 0.7mg/dL、Na 131mEq/L、K 3.3mEq/L、Cl 98mEq/L、CRP 29.6mg/dL。

血液ガス分析;pH 7.565、pCO2 17.5mmHg、pO2 84.1、HCO3- 15.6mmol/L、乳酸3.6mmol/L。

尿検査:尿定性;尿タンパク(2+)、尿潜血(3+)。尿沈渣;赤血球5〜9/HPF、白血球0/HPF。

脳脊髄液検査:グラム染色で図1のような所見が得られた。

こんなときオスラー|超訳『平静の心』・13

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CASE

❶-a

患者a:畑仕事を行う、元気な90代、男性。

前日から続く腹痛を主訴に来院した。来院時38℃台の発熱、右季肋部に圧痛を認め、採血で肝胆道系酵素上昇、腹部CTで総胆管の拡張および下部胆管に結石が疑われ、総胆管結石、急性化膿性胆管炎と診断。本人・家族へ、緊急で内視鏡的逆行性胆管ドレナージ術(ERBD)の説明を行ったところ……。

患者a「もう年なんだから、苦しいことはしないでくれ!」

CASE

❶-b

患者b:認知症のため発語はほとんどない、全介助の95歳、男性。

前日から続く腹痛を主訴に来院した。来院時38℃台の発熱、右季肋部に圧痛を認め、採血で肝胆道系酵素上昇、腹部CTで総胆管の拡張および下部胆管に結石が疑われ、総胆管結石、急性化膿性胆管炎と診断。本人・家族へ、緊急で内視鏡的逆行性胆管ドレナージ術(ERBD)の説明を行ったところ……。

家族b「先生、お任せします。なんとかしてください。とにかく助けてください!」

オール沖縄!カンファレンス・13

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CASE

患者:40歳、男性。

主訴:心窩部痛。

既往歴:5年前に健診にて高血圧と脂質異常症を指摘されたが、放置していた。

生活歴:機会飲酒・喫煙はなし。職業は会社員。

家族歴:父親が狭心症で、冠動脈狭窄に対する治療歴あり。

現病歴:1〜2カ月前より労作時呼吸困難が出現した。受診前日より間欠的な安静時心窩部痛を自覚していたが、病院受診はしていなかった。受診当日には冷汗を伴う持続性の強い心窩部痛となったため、自ら救急車を要請して当院へ搬送された。

苦手克服|野獣のリアル勉強法・13

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 Aくん、メールをありがとう。これまで、講演後、自分が教鞭をとる大学の学生さんから質問されることはあまりなかったので、とても嬉しくて少ししゃべりすぎてしまったかもしれない。

 僕は20世紀最後の年に医学部を卒業したけれど、学生時代に「医師の『勉強会』に出席する」という発想はまったくなかった。最近は、勉強会で熱心な学生さんたちを見かける機会が増え、当時とは隔世の感がある。

国試にたずねよ・13

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 春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

 『枕草子』第一段は、このような書き出しで始まる。そして、夏・秋に次いで、以下のように続く。

総合診療専門医(仮)セルフトレーニング問題・10

頻回受診の1歳6カ月男児 金子 惇
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セッティング

あなたは大都市郊外の無床診療所にて、3人体制で診療をしている。

尿検査(定性のみ)、X線・心電図検査などは診療所内で行うのですぐに結果がわかるが、血液検査はすべて外注である。CT・MRI・上部消化管内視鏡などの検査および入院は、車で30分の総合病院に依頼している。

55歳からの家庭医療|明日から地域で働く技術とエビデンス・13

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 前回、近年、英国で取り組まれている「社会的処方(social prescribing)」と、その専門職である「リンク・ワーカー」について紹介しました。

#総合診療

#今月の特集関連本

#今月の特集関連本

#今月の連載関連本

#今月の連載関連本

#今月の連載関連本

#今月の連載関連本

#今月の連載関連本

#医学書院の新刊

#編集室に届いた執筆者関連本

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 本書が類書と比較にならないほどの明らかな優位性は、筆者の圧倒的なフィジカル能力は別として2点ある。1つは「動画・音声コンテンツ」。もう1つは「温故知新」である。

 心音のみならず頸静脈などの動画を多く含んでいることに加え、筆者が「心尖拍動」といったかすかな視診・触診の所見を初学者にどう伝えるかを検討してきた末に到達した“ふせん”まで、過去にも動画・音声を含む書籍は多数あるが、それらと比較してもかなり豊富なコンテンツが盛り込まれている。

#参加者募集

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『総合診療』編集方針
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 1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。

2018年1月  『総合診療』編集委員会

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基本情報

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総合診療
28巻1号 (2018年1月)
電子版ISSN:2188-806X 印刷版ISSN:2188-8051 医学書院

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