特集 パーキンソン病大全—あなたのギモンに答えます!
【治療編】
❶パーキンソン病の典型的な経過と薬物療法の変遷
澤村 正典
1,2
1前・京都大学医学部附属病院 脳神経内科
2University of California, San Diego
キーワード:
パーキンソン病
,
薬物治療
,
予後
Keyword:
パーキンソン病
,
薬物治療
,
予後
pp.900-903
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350080900
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パーキンソン病はアルツハイマー病に次いで多い神経変性疾患であり、主に運動症状と呼ばれる寡動、筋強剛、安静時振戦といった症状を特徴とする。病理学的には、レヴィ小体と呼ばれるα-シヌクレインを主な構成成分とする異常な蛋白質の凝集体が、神経細胞内に蓄積することで生じる。運動症状は、主に黒質のドパミン細胞がレヴィ小体の蓄積により細胞死を生じることで出現すると考えられている。現時点では神経細胞内に蓄積した異常な蛋白質を除去する方法はなく、徐々に神経細胞が変性・細胞死を生じるため、根本的な治療法は残念ながら存在しない。しかしながら、レボドパ(L-ドパ)をはじめとしたさまざまな治療を組み合わせることで症状のコントロールが可能である。また、人によって症状の進行速度が異なることが知られており、長期間にわたり症状の進行が緩やかなケースも存在する。

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