特集 シン・フィジカル改革宣言!—私の“神技”伝授します。
【疾患別“神技”!—コモンの診断・フォローアップはどうする?】
—髄膜炎—首だけ診ていては辿りつけない髄膜炎診察の神髄
矢吹 拓
1
1独立行政法人国立病院機構 栃木医療センター 内科
キーワード:
起因微生物の推測
,
合併症
,
全身性感染症の1症状
Keyword:
起因微生物の推測
,
合併症
,
全身性感染症の1症状
pp.73-78
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201308
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Case
お腹が痛くなってきた髄膜炎の一例
患者:24歳、男性。
主訴:頭痛、発熱。
既往歴:特記事項なし。
内服薬:なし。
現病歴:2日前からの「頭痛」「発熱」を主訴に外来受診。意識は清明で歩行も可能だったが、「過去に経験したことのない頭痛」でグッタリしていた。「嘔気」もあり経口摂取できないとのことで、そのまま入院された。
体温38.7℃、血圧112/65mmHg、脈拍数76回/分、呼吸数20回/分、意識清明。項部硬直あり、jolt accentuation陽性、そのほか神経学的には異常所見を認めなかった。
髄液検査で単核球優位の細胞数増多を認め、「無菌性髄膜炎」と診断して入院となった。入院後、解熱傾向だったが、「下腹部痛」を訴えるようになり、「排尿困難」も出現した。
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