特集 シン・フィジカル改革宣言!—私の“神技”伝授します。
【疾患別“神技”!—コモンの診断・フォローアップはどうする?】
—腸閉塞—画像検査をする前にできる、これだけのこと
山岸 文範
1
1厚生連糸魚川総合病院 外科
キーワード:
嘔吐
,
腹部膨満
,
脱水
,
イレウス管
Keyword:
嘔吐
,
腹部膨満
,
脱水
,
イレウス管
pp.59-62
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201305
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Case
患者:70歳代、女性。
現病歴:数日前から、「腹部膨満」と軽度の「嘔気」、「便秘」。腹部全体に軽度の「腹痛」を認めた。症状はいずれも強くないが、改善しなかったため救急外来を受診した。
身体所見:バイタルサインに特に異常を認めず。腹部聴診では、やや高調な蠕動音を聴取。身体診察にて鼠径部まで確認したところ、右下腹部に膨隆を認め、右鼠径ヘルニア嵌頓(図1)とそれによる「腸閉塞」と判断した。経過時間が長いことから整復はせず。
治療:細胞外液を輸液しながら、緊急手術を施行した。回腸が嵌頓しており、鼠径管から引き出したところ、Richter型のヘルニアを認めた(図2)。口側腸管は軽度の拡張。患部を切除し、回腸回腸吻合を施行。術後経過は良好であった。
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