JIM 23巻9号 (2013年9月)

特集 「息苦しい」が主訴の時

今月のQuestion & Keyword Index
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より早く,より的確に内容をとらえるために,QuestionとKeywordによるIndexをご利用ください.それぞれ各論文の要点を示す質問とキーワードで構成されています.

Question

Q1 呼吸困難は単に呼吸筋の疲労で生じるのではないのですか? 728

Q2 息苦しさにはどのような種類(病態)があるか? 732

Q3 高度な急性呼吸困難の診療の手順は? 736

Q4 急性の呼吸困難のピットフォールを回避するにはどうすればよいか? 741

Q5 慢性の呼吸困難へのアプローチの際に注意すべきことは何か? 744

Q6 COPDのケアで重要なことは? 749

Q7 COPDにおける喫煙の関与とCOPDのない喫煙者への対処は? 749

Q8 どうすればCOPDの診断ができるようになるか? 749

Q9 心因性の呼吸困難で考えられるものは? 752

Q10 訪問診療を行っている患者の家族から,「(患者が)“息苦しい”と言っている」と電話がきた時に,医学的な判断材料以外に,どのようなことを考慮してマネージメントすればよいですか? 756

Q11 在宅患者さんの終末期における呼吸苦緩和に有効な薬剤は? 760

Q12 睡眠時無呼吸症候群を疑い検査を行うべき患者について教えてください. 764

One more JIM
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Q:モルヒネの全身投与や顔面への送風を行うことで,呼吸困難が緩和されるメカニズムについて教えてください.

A:モルヒネは大脳皮質運動野から呼吸筋への自発的な神経出力を抑制し,同時に呼吸感覚中枢へ伝達される随伴発射を抑制することで呼吸困難を緩和すると考えられている.また,呼吸感覚中枢自体の活性化を抑制している可能性も示唆されている.モルヒネは空気飢餓感は軽減させるが,呼吸労作感は軽減させないことが報告されている.日本緩和医療学会による『がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン2011』では,モルヒネの全身投与は呼吸困難を緩和させる根拠があり,「行うとよいだろう」という表現で推奨されている.顔面への送風は顔面に分布する三叉神経を刺激すると同時に,上気道粘膜に分布する気流受容体を刺激することで呼吸困難を緩和していると考えられており,上記ガイドラインでも「有効である可能性がある」と記載されている.

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Case

患者:71歳,男性.

現病歴:肺腺癌で多発骨転移があり,何度か抗がん化学療法を施行したが効果乏しく,骨転移に対する疼痛コントロールを中心に行っていた.経過中,左側胸水が出現,増加し,次第に呼吸困難を訴えるようになった.なお,この時の呼吸回数は20回/分,血液ガス所見は室内気でPaO2=84Torr, PaCO2=38Torrであった.胸水ドレナージ,胸膜癒着術を施行し,一時は呼吸困難の改善が見られたが,胸水は再貯留し,全身状態は徐々に悪化してきた.呼吸困難に対する薬物療法としてモルヒネの全身投与,また非薬物療法として扇風機,うちわを用いた顔面への送風を行ったところ,呼吸困難の緩和が得られた.

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はじめに

 「息苦しい」と患者が訴えた場合,労作性に苦しい場合,吸っても空気が足りない場合,呼吸するのに絞扼感がある場合,死への恐怖を伴う場合など,さまざまな病態が含まれる.病歴を詳しく聴取し,どのような呼吸困難かを質的に明らかにし,タイミングや体位による変化,持続性か間欠性か,急性か慢性か,また増悪因子や寛解因子を聞き出して,評価することが重要である.

 本稿では,呼吸困難の定義や,呼吸困難の表現,さまざまな呼吸困難の種類について概説する.

【急性の息苦しさへの対応】

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Case

患者:19歳,男性.

受診前日,頸部痛に続いて悪寒,発熱あり.当日,唾液も飲めないほど頸部痛が増悪し,呼吸困難感が加わったため,ER受診した.

嗄声あり,呼吸数18回/分,脈拍87回/分,血圧112/76mmHg,SaPO2 99%(室内気).咽頭軽度発赤,扁桃腫大なし.前頸部に強い圧痛あり.呼吸音異常なし.胸部X線写真異常なし(図1).頸部側面写真(図2)にて喉頭蓋の腫脹が認められたため,急性喉頭蓋炎の診断にて緊急入院となった.

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Case 1

患者A:88歳,女性.

既往歴:脳梗塞後遺症と認知症で施設入所中.誤嚥性肺炎を繰り返している.

現病歴:施設職員が巡回した際に息苦しそうに見え,検温したところ37.5℃あったため,救急外来を受診.咳,痰を認めるが普段と同程度とのこと.本人からの訴えは特にない.

身体所見:JCSⅠ-3(いつもと変わらず),血圧118/58mmHg,脈拍95回/分,体温37.5℃,SpO2 97%(room air),呼吸数26回/分.肺野にラ音は認めない.

経過:既往歴から肺炎を疑い胸部X線と血液検査を施行したが,X線で浸潤影ははっきりせず,血液検査ではWBC 9,800/μl,CRP 2.0mg/dlを認めた他は大きな異常は認めなかった.急性上気道炎として鎮咳剤などを処方して帰宅とした.翌日,意識レベルが低下したため再度救急搬送された.尿検査で膿尿を認め,尿路感染による敗血症と診断された.

【慢性の息苦しさへの対応】

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Case

抗菌薬の反応が乏しい肺炎と紹介された慢性の呼吸困難を訴える1例

患者:68歳,男性.

現病歴:1年前の健診では胸部単純X線検査で異常なしと判断された.2カ月前から労作時の呼吸困難を自覚し,A医院を受診した.胸部単純X線検査にて右下葉肺炎と診断され,B病院に入院した.SBT/ABPCを1週間投与され,退院したが,その後も呼吸困難,乾性咳嗽が続いた.A医院にて,CAM,CFPN-PI,LVFXで追加治療されたが改善せず,B病院退院2週間後に当科を紹介受診した.安静時はSpO2 95%あり呼吸困難は認めないが,6分間歩行検査ではSpO2 86%まで低下し,呼吸困難を訴えた.聴診上,fine crackleを聴取し,胸部単純X線検査で両側下肺野にびまん性陰影,胸部CT検査で両側下葉に網状・すりガラス状陰影を認め,呼吸機能検査では拘束性障害,および拡散障害を認めた.問診上,粉塵吸入や特記すべき環境因子などなく,身体診察,血液検査から膠原病は否定的であり,気管支肺胞洗浄検査から感染などは否定的であった.最終的に,胸腔鏡下肺生検を行い,特発性間質性肺炎(Usual interstitial pneumonia pattern)と診断した.

COPDの慢性期ケアのコツ 髙野 義久
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COPD(慢性閉塞性肺疾患)の息苦しさを見出す  息苦しさは,呼吸に伴う苦しさや,さまざまな不快感を表現している自覚症状で,呼吸筋力,呼吸中枢における努力の強さと関係する.必ずしも低酸素血症と相関しない.

 COPDはタバコ煙の吸引による肺の慢性炎症が主因であり,緩徐進行性である.診断には診察の際,すべての受診者に喫煙歴を尋ね,過去または現喫煙者に対し,慢性の咳や痰,息切れに関する質問を行うことが必要である.喫煙歴の聴取は100%の受診者に行い,年齢,性,印象,症状などから質問したり,しなかったりすべきではない.

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Case

呼吸器症状に心理的要因が関与していると考えられた1例

症例:28歳,女性.

主訴:喘息と似た喘鳴,咳,息苦しさ.

現病歴:半年ほど前より喘息のような喘鳴と咳が続き,気管支拡張薬やステロイド吸入薬を使用するが症状改善せず.呼吸症状が悪化しER受診.喘息発作との診断のもと,経口ステロイド処方されて帰宅するも,完全に改善することはなし.問診により,家族内の心理的葛藤や職場でのストレスが症状と関連していることがわかり,漢方薬と抗不安薬頓服を処方し,心理療法を施行.半年ほどで症状は軽快した.

【在宅医療における息苦しさへの対応】

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Case

家族が「(患者が)息苦しそう」と電話してきた認知症患者の1例

症例:78歳,男性.

現病歴:認知症あり,現在は寝たきり状態.胃ろう造設されており,意思の疎通は困難な状況の方で,訪問診療を行っていた.介護者は長女であり,非常に熱心に介護していた.

 夜8時くらいに,「呼吸がはかはかしていて息苦しそうなんです.いつもと呼吸の仕方が違う気がします」と訪問診療の緊急用電話に連絡あり.本人が症状を訴えられないため,症状に対する医学的なアセスメントは困難であった.しかし,介護者の長女は,普段から患者の変化に機敏に気がつく方であり,かつ,医療者に相談する前にご自分で解決しようとすることも多く,緊急用電話に連絡することは稀な方であった.そのような介護者からの電話であったため,患者に身体的に何か起こっている可能性が高いのではと判断した.

 次に緊急往診するか受診させるかで悩んだ.これまでも長女の意向としては,本人に負担なく治療できて,改善できるものであれば,病院で検査や治療をしたいという希望であった.確認したところ,今回も同様の希望であったため,病院受診とした.病院での精査で貧血の進行とそれに伴う心不全を認め,同日入院となった.

呼吸困難の緩和ケア 西 智弘
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Case

患者:68歳,男性.直腸癌術後,局所再発・多発肺転移.

 6年前に直腸癌手術(人工肛門)し,3年前に局所および肺転移再発.化学療法を続けてきたが,効果が乏しくなり,3カ月前に緩和ケアに専念する方針となった.緩和ケア科は化学療法中から関わってきたが,肺転移に伴う呼吸苦があり,モルヒネ徐放剤を20mg/日から開始し,1カ月前には60mg/日へ増量.在宅酸素も導入.徐々に衰弱が進み通院困難となったが,「自宅で過ごしたい」という本人の希望もあり,当院から往診導入とした.内服も困難となり,座薬使用も旧肛門付近の腫瘍増大にて困難なため,モルヒネ皮下注を30mgで導入.エチゾラム0.5mgの舌下投与などを併用しながら自宅で過ごし,在宅導入2週間後に永眠された.

*    *    *

 呼吸困難は終末期の患者において頻度が高い症状のひとつであり,在宅ケアの継続を困難とするひとつの要因になっている.当院において2010年1月から2012年12月までの3年間で,在宅で診療した199例のがん終末期の患者のうち,120例が最終的に入院し亡くなっているが,その入院の契機となった身体的な要因のうち,最も多いのは「呼吸苦」であった(33例:28%).また,これまでの研究において,緩和ケアでセデーション(J1)の導入となる身体症状としても「呼吸苦」は上位(せん妄13.1%に次いで2位,11.5%)であり1),コントロールが難しい症状であることは,実臨床でも実感される.

 それでも,なるべく自宅で過ごしたい,という本人の思いを支えるには,適切なアセスメントに基づいた薬物療法ときめ細かいケア,本人・家族の不安への対応などが重要である.

【スペシャル・アーティクル】

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 現在,本邦において閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に対する持続陽圧呼吸(CPAP)療法を施行している患者数は20万人を超え,一般的な疾患として浸透した感がある.しかしながら,CPAP療法を必要とするような重症OSASの有病率は4%程度であるとの報告から見ると,その患者数は500万人近くいることになる.すなわち,まだ9割近くの患者が未治療である可能性があり,一般市民や医療関係者へのさらなる啓蒙活動が必要であると思われる.

 本稿では,睡眠時無呼吸症候群の最近の話題についていくつか紹介する.診療の参考にしていただきたいと思う.

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 東京でずっとプライマリ・ケアに従事していながら,大都市の健康問題の特徴とプライマリ・ケアの課題や特殊性についてあまり考える機会がなかったが,最近“Urban Health”という視点であらためて整理し直しはじめている.

 しかし,東京というのは実に不思議な都市である.たとえば東京は鉄道依存の街である.単純に鉄道の乗り換えの関係で,本来近い場所が遠い場所として機能しているし,その逆もある.押井守(注:アニメや実写映画を中心に活動している映画監督)が「東京は時間と距離が置きかわっている」と発言した所以である.このことは実は,東京内部の医療へのアクセスの問題を考える時に,きわめて重要なファクターである.

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病歴

患者:子宮頸癌の既往がある58歳,女性.

主訴:下腹部痛.

現病歴:2日前の夕食時にマグロとエビの刺身を食べた.来院当日の朝4時前に起床し,排尿のためトイレに行こうとして立ち上がった.その際,突然,右下腹部の痛みが出現したため,救急車を要請した.痛みは持続的で,放散痛なし.歩くと響き,痛みのためにじっとしていた.

既往歴:子宮頸癌に対して,10年前,子宮・付属器全摘術ならびに術後放射線療法・化学療法を施行.甲状腺機能亢進症に対して10年前にチアマゾールを内服していた.内服薬:なし.嗜好歴:タバコ20本/日×40年,ビール500ml/日.陰性所見:下痢,便秘,血便,黒色便,嘔吐,排尿時痛,頻尿,血尿,残尿感,性器出血,悪寒,戦慄,発熱,寝汗,腰痛,皮疹,外傷歴.

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 外来患者の主訴や症状はそれぞれきわめて多彩であり,限られた時間のなかで,適切に診断・治療するのは簡単なことではない.ありふれた症状のなかに重篤な疾患が隠れていることも少なくなく,すべての患者について,「帰してよいか」あるいは「帰してはいけないのか」という臨床判断を下す外来診療医には,きわめて高度な診療能力が求められているといえる.

 本誌では,外来診療の最前線に立つジェネラリストにとって永遠のテーマである「帰してはいけない外来患者」をテーマに,本年2月に公開収録セミナーを実施した.講師は,書籍『帰してはいけない外来患者』がベストセラーとなっている前野哲博氏と松村真司氏,大ヒット書籍『ジェネラリストのための内科外来マニュアル』を今年出版した金城紀与史氏と金城光代氏にお願いした.3回にわたり白熱のディスカッションをお届けする.

慢性期の患者・家族とのコミュニケーション・6

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 患者や家族との長く深いつきあいになることの多い慢性期のコミュニケーションを考える時,「医療者自身がコミュニケーションの道具である」ととらえることは重要だ.ここから,道具としての自己のメンテンナンスを常に怠らず行うことの必要性も導かれる.

 今回は,それと関連して,医療者自身における陰性感情の扱い方について少し述べておきたい.

シネマ解題 映画は楽しい考える糧[75]

「プロデューサーズ」 浅井 篤
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「よし,自分も明日から頑張るぞ!」と感じさせてくれる傑作

 1968年アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞したメル・ブルックス監督・脚本による同名作品は,2000年代にブロードウェイでミュージカルとして舞台で上演されました.舞台の大ヒットを受け,ミュージカル作品として新たに映画化されたものがこの作品です.主なストーリーや主たる登場人物はほぼ同じで,台詞も8割以上踏襲されています.主人公たちが製作する舞台で歌われる『ヒトラーの春とドイツ』,『愛の囚人』等は,1968年版ですでに歌われたものでした.

 主人公のマックスは,往年の大プロデューサーで,何作もの傑作ブロードウェイ・ミュージカルで栄華を極めました.しかし最近はヒット作が全くなく,完全に落ちぶれています.彼に投資してくれるのは高齢女性のみ.彼女たちの老いらくの恋のお相手をすることで,小切手を手に入れるわけです.そこにレオという,小心でパニック障害を持つ若者の会計士が現れ,「作品が失敗した場合のほうがお金が儲かる場合がある」と洩らします.

米国ホスピタリストの「無知の知」・15

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 「“You nearly always get more information using chair than stethoscope.”(ほぼ必ず,聴診器より椅子に座ったほうが,より有効な情報を引き出せる.)」(引用不明)

 以前にどこかで目にして,自分の手帳にメモった言葉である(引用が思い出せないのが,誠に残念だが).病歴聴取がいかに診断にとって大切か,これほど的確にひと言で表した言葉を,私は他に知らない.今回は,完全に自己満足ではあるものの,この一文を思い出させる症例に出会ったため,それを紹介したい.無論,自慢話である.

みるトレ

Case 41 佐田 竜一
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Case 41

症例:70代,女性.

主訴:発熱,意識消失.

既往歴:Basedow病(ラジオアイソトープ後),発作性心房細動.

内服歴:チラーヂン,ワーファリン,ラニラピッド,降圧薬3種,プレドニゾロン2mg,MTX8mg/週,レミケードにて1年間治療継続中.

生活歴:ADL完全自立,過去に喫煙・飲酒歴あり,犬と猫を1匹ずつ飼育.

現病歴:関節リウマチにて他院で治療中の患者.朝から熱感を自覚し,38.3℃の発熱があったため近医を受診.採血時に意識消失を起こしたため救急搬送された.

身体所見:血圧142/84mmHg,脈拍数84回/分・整,呼吸数24回/分,体温38.3℃,SpO2 95%.意識清明,両下肺野にfine crackles,手指に明らかな腫脹疼痛なし.

検査所見:(血液検査)WBC 6,500/μl,Hb 10.5g/dl,PLT 12.0×104/μl,PT-INR 1.25,BUN 19.0mg/dl,Cre 0.6mg/dl,TP 6.4g/dl,Alb 3.5g/dl,LDH 359IU/l,CRP 1.4mg/dl,HbA1c 6.9%.(尿検査)U-WBC10~50/HPF,グラム染色→GNR-middle.

経過:急な発熱と尿混濁から尿路感染を疑い,CTRX 2g/日で治療開始.しかし第3病日朝から呼吸苦が出現し,呼吸数24回/分,SpO2 82%に至った.

追加検査:KL-6 271U/ml,β-D glucan(Wako法)17.7pg/ml.経過中の胸部X線写真(図1,2)・CT画像(図3)を示す.

Case 42 忽那 賢志
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Case 42

患者:2歳,女児.

主訴:発熱,嘔吐.

病歴:本日の朝から39℃の発熱を認め,嘔吐を数回繰り返した.食事も摂れず,朝からぐったりしている状態が続くため,夕方になって救急外来を受診した.

既往歴:特記事項なし.

予防接種歴:DPT3種混合ワクチン,BCG,経口ポリオ,麻疹風疹混合ワクチンは接種済み.

身体所見:血圧64/40mmHg,脈拍数140回/分,呼吸数35回/分,体温39.5℃,SpO2 96%(室内気).質問には答えられるが活気がなくぼんやりしている.顔色不良,呼吸音異常なし,腹部は平坦,軟で圧痛なし,腋窩は乾燥している.

臨床経過:経過から細菌性髄膜炎が疑われたため,血液培養を採取した後に腰椎穿刺を行った.髄液は外観上混濁しており,直ちに細菌検査室にグラム染色を依頼した.髄液グラム染色の所見を図1に示す.

メンタルクリニック便り・15

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 前回まで今どきの「うつ」の女性への精神療法と薬物療法のお話をしてきました.ここでお詫びですが,本来第12回に入るべき原稿が抜け落ちていました.今回はその日常生活におけるアドバイスをご紹介して,これで女性編を終わらせていただこうと思います.

JIM Lecture プライマリ・ケア医だからできる臨床研究入門・2

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◆日常診療で通り過ぎていく傍らに研究テーマがある:Practice based researchとは?

 「あれ,これはどういうことだろう?」,「自分の思っていることと何か違うなあ」など,日常診療でふと気づいた疑問や仮説についてその現場で解明していくことを,「Practice based research(PBR)」といいます.本連載では筆者が地域医療の現場(山村の診療所)で行った,PBRの経験から作り上げた研究手法と,その実践方法(Inoue Methods)について紹介します.Inoue Methodsの基本要素は,単純明快であること,応用性があること,(多忙な現場で)実行可能であること,そして一番大事ですが,楽しいことです.このシリーズの読後には,「自分にもできそうだからやってみよう!」という読者の方々が増えることを目標にしています.

臨床の勘と画像診断力を鍛える コレクション呼吸器疾患[31]

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本連載では,沖縄県臨床呼吸器同好会の症例検討会をもとに,実況中継形式で読者のみなさんに呼吸器内科疾患を診る際のポイントとアプローチ方法を伝授したいと思います.宮城征四郎先生の豊富な臨床経験に基づいたコメントに注目しながら読み進めてください.画像診断のポイントと文献学的考察も押さえています.それでは早速始めましょう.今月のテーマは,「肺非結核性抗酸菌症の経過中に急速に増大した空洞性病変を呈した60歳男性に対するアプローチ」です.

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◆生活習慣改善は治療成果に多大な影響を与える.しかし,その動機づけに欠ける(もしくは,そう見なされがちな)患者も多く,対応は困難である.米国の医師の継続研修にも取り入れられつつあるMotivational Interviewing(MI)は,これらの患者について,患者が全く動機づけに欠けている場合は少なく,ほとんどの場合,行動変容についてアンビバレントであることに注目する.医師がコミュニケーションの方略を工夫することで,患者の自らの動機づけを引き出すことができるというのである.英語圏で発展してきたMIを日本語らしい表現で紹介し,日本の一般診療場面への普及の可能性について,日本の医師が判断する資料を提供する.生活習慣改善に向けた肯定的な見方や態度を引き出す方法として,開放型の質問の利用,共感を示すターゲットの意図的な選択,さらには,重要性尺度というツールの利用について,診察室でありがちな対話の具体例を用いて考察する.

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助成の趣旨:次に定める研究をさらに積極的に推進するために,海外研修に必要な援助助成を行う.

(1)医学および看護の臨床教育に関する研究,(2)臨床疫学,医療の質ならびに病院管理に関する研究,(3)予防医学に関する研究,(4)看護に関する研究

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日時:2013年11月30日(土),12月1日(日)

会場:アクロス福岡(イベントホール・大会議室・セミナールーム)

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助成の趣旨:次に定める研究をさらに積極的に推進するために必要な援助助成を行う.

(1)医学および看護の臨床教育に関する研究,(2)臨床疫学,医療の質ならびに病院管理に関する研究,(3)予防医学に関する研究,(4)看護に関する研究

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 これまで,胸部や骨軟部の単純X線写真の本は多数刊行されてきたが,全身の単純X線写真をカバーする本は刊行されて久しい.

 現在でも優れた基本的診断法である単純X線検査では,1枚のフィルム上で全体像を概観できる最初に行われる検査の1つであり,経過観察においてもその簡便性・再現性などの点で優れている.さらに,1枚のフィルムから得られる全体的な情報量の多さから診療の現場で最も多く施行されている.医療経済および患者への負担という観点からも,このような検査を最大限に活用することは大切なことである.しかし,CT・MRI検査の普及により,やや影が薄くなっているのも否めない.単純X線写真の所見を十分に評価しないで安易にCT検査が行われている現状もある.初心に返って単純X線検査の役割と限界を再認識する必要がある.そのような背景の元,本書は刊行されたと思われる.

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次号予告

基本情報

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JIM
23巻9号 (2013年9月)
電子版ISSN:1882-1197 印刷版ISSN:0917-138X 医学書院

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