特集 「息苦しい」が主訴の時
【総論】
息苦しさの正体―呼吸困難のメカニズム
金城 武士
1
,
藤田 次郎
1
1琉球大学大学院医学研究科,感染症・呼吸器・消化器内科学(第一内科)
キーワード:
呼吸困難
,
呼吸感覚中枢
,
大脳辺縁系
,
随伴発射
,
末梢受容体
Keyword:
呼吸困難
,
呼吸感覚中枢
,
大脳辺縁系
,
随伴発射
,
末梢受容体
pp.728-731
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102954
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Case
患者:71歳,男性.
現病歴:肺腺癌で多発骨転移があり,何度か抗がん化学療法を施行したが効果乏しく,骨転移に対する疼痛コントロールを中心に行っていた.経過中,左側胸水が出現,増加し,次第に呼吸困難を訴えるようになった.なお,この時の呼吸回数は20回/分,血液ガス所見は室内気でPaO2=84Torr, PaCO2=38Torrであった.胸水ドレナージ,胸膜癒着術を施行し,一時は呼吸困難の改善が見られたが,胸水は再貯留し,全身状態は徐々に悪化してきた.呼吸困難に対する薬物療法としてモルヒネの全身投与,また非薬物療法として扇風機,うちわを用いた顔面への送風を行ったところ,呼吸困難の緩和が得られた.
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