特集 「息苦しい」が主訴の時
【在宅医療における息苦しさへの対応】
在宅医療における呼吸困難への対応―電話対応
今永 光彦
1
1国立病院機構東埼玉病院総合診療科
キーワード:
在宅医療
,
電話対応
,
緊急往診
,
救急受診の指示
Keyword:
在宅医療
,
電話対応
,
緊急往診
,
救急受診の指示
pp.756-759
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102962
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
家族が「(患者が)息苦しそう」と電話してきた認知症患者の1例
症例:78歳,男性.
現病歴:認知症あり,現在は寝たきり状態.胃ろう造設されており,意思の疎通は困難な状況の方で,訪問診療を行っていた.介護者は長女であり,非常に熱心に介護していた.
夜8時くらいに,「呼吸がはかはかしていて息苦しそうなんです.いつもと呼吸の仕方が違う気がします」と訪問診療の緊急用電話に連絡あり.本人が症状を訴えられないため,症状に対する医学的なアセスメントは困難であった.しかし,介護者の長女は,普段から患者の変化に機敏に気がつく方であり,かつ,医療者に相談する前にご自分で解決しようとすることも多く,緊急用電話に連絡することは稀な方であった.そのような介護者からの電話であったため,患者に身体的に何か起こっている可能性が高いのではと判断した.
次に緊急往診するか受診させるかで悩んだ.これまでも長女の意向としては,本人に負担なく治療できて,改善できるものであれば,病院で検査や治療をしたいという希望であった.確認したところ,今回も同様の希望であったため,病院受診とした.病院での精査で貧血の進行とそれに伴う心不全を認め,同日入院となった.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.