総合外来
やる気がないと見なされがちな患者の動機づけを目指したMotivational Interviewing
近本 洋介
1
,
中村 延江
2
1Physician Education & Development, The Permanente Medical Group, Kaiser Permanente
2桜美林大学臨床心理学
pp.804-808
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102978
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◆生活習慣改善は治療成果に多大な影響を与える.しかし,その動機づけに欠ける(もしくは,そう見なされがちな)患者も多く,対応は困難である.米国の医師の継続研修にも取り入れられつつあるMotivational Interviewing(MI)は,これらの患者について,患者が全く動機づけに欠けている場合は少なく,ほとんどの場合,行動変容についてアンビバレントであることに注目する.医師がコミュニケーションの方略を工夫することで,患者の自らの動機づけを引き出すことができるというのである.英語圏で発展してきたMIを日本語らしい表現で紹介し,日本の一般診療場面への普及の可能性について,日本の医師が判断する資料を提供する.生活習慣改善に向けた肯定的な見方や態度を引き出す方法として,開放型の質問の利用,共感を示すターゲットの意図的な選択,さらには,重要性尺度というツールの利用について,診察室でありがちな対話の具体例を用いて考察する.
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