シネマ解題 映画は楽しい考える糧[75]
「プロデューサーズ」
浅井 篤
1
1熊本大学大学院生命科学研究部生命倫理学分野
pp.781
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102969
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「よし,自分も明日から頑張るぞ!」と感じさせてくれる傑作
1968年アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞したメル・ブルックス監督・脚本による同名作品は,2000年代にブロードウェイでミュージカルとして舞台で上演されました.舞台の大ヒットを受け,ミュージカル作品として新たに映画化されたものがこの作品です.主なストーリーや主たる登場人物はほぼ同じで,台詞も8割以上踏襲されています.主人公たちが製作する舞台で歌われる『ヒトラーの春とドイツ』,『愛の囚人』等は,1968年版ですでに歌われたものでした.
主人公のマックスは,往年の大プロデューサーで,何作もの傑作ブロードウェイ・ミュージカルで栄華を極めました.しかし最近はヒット作が全くなく,完全に落ちぶれています.彼に投資してくれるのは高齢女性のみ.彼女たちの老いらくの恋のお相手をすることで,小切手を手に入れるわけです.そこにレオという,小心でパニック障害を持つ若者の会計士が現れ,「作品が失敗した場合のほうがお金が儲かる場合がある」と洩らします.
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