特集 「息苦しい」が主訴の時
【急性の息苦しさへの対応】
急性の呼吸困難のピットフォール
入江 仁
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科総合医療・医学教育学
キーワード:
呼吸困難
,
ピットフォール
,
呼吸回数
,
過換気症候群
,
敗血症
Keyword:
呼吸困難
,
ピットフォール
,
呼吸回数
,
過換気症候群
,
敗血症
pp.741-743
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102957
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Case 1
患者A:88歳,女性.
既往歴:脳梗塞後遺症と認知症で施設入所中.誤嚥性肺炎を繰り返している.
現病歴:施設職員が巡回した際に息苦しそうに見え,検温したところ37.5℃あったため,救急外来を受診.咳,痰を認めるが普段と同程度とのこと.本人からの訴えは特にない.
身体所見:JCSⅠ-3(いつもと変わらず),血圧118/58mmHg,脈拍95回/分,体温37.5℃,SpO2 97%(room air),呼吸数26回/分.肺野にラ音は認めない.
経過:既往歴から肺炎を疑い胸部X線と血液検査を施行したが,X線で浸潤影ははっきりせず,血液検査ではWBC 9,800/μl,CRP 2.0mg/dlを認めた他は大きな異常は認めなかった.急性上気道炎として鎮咳剤などを処方して帰宅とした.翌日,意識レベルが低下したため再度救急搬送された.尿検査で膿尿を認め,尿路感染による敗血症と診断された.
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