特集 「息苦しい」が主訴の時
【慢性の息苦しさへの対応】
慢性の呼吸困難へのアプローチ
大嶋 康義
1
,
鈴木 涼子
2
,
鈴木 栄一
3
1新潟大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学分野/新潟大学医歯学総合病院生命科学医療センター
2新潟大学医歯学総合病院 第二内科
3新潟大学医歯学総合病院
キーワード:
呼吸器系の呼吸困難
,
ガス交換障害
,
換気障害
,
心血管系の呼吸困難
,
「呼吸困難=低酸素血症」では必ずしもない
Keyword:
呼吸器系の呼吸困難
,
ガス交換障害
,
換気障害
,
心血管系の呼吸困難
,
「呼吸困難=低酸素血症」では必ずしもない
pp.744-748
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102958
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Case
抗菌薬の反応が乏しい肺炎と紹介された慢性の呼吸困難を訴える1例
患者:68歳,男性.
現病歴:1年前の健診では胸部単純X線検査で異常なしと判断された.2カ月前から労作時の呼吸困難を自覚し,A医院を受診した.胸部単純X線検査にて右下葉肺炎と診断され,B病院に入院した.SBT/ABPCを1週間投与され,退院したが,その後も呼吸困難,乾性咳嗽が続いた.A医院にて,CAM,CFPN-PI,LVFXで追加治療されたが改善せず,B病院退院2週間後に当科を紹介受診した.安静時はSpO2 95%あり呼吸困難は認めないが,6分間歩行検査ではSpO2 86%まで低下し,呼吸困難を訴えた.聴診上,fine crackleを聴取し,胸部単純X線検査で両側下肺野にびまん性陰影,胸部CT検査で両側下葉に網状・すりガラス状陰影を認め,呼吸機能検査では拘束性障害,および拡散障害を認めた.問診上,粉塵吸入や特記すべき環境因子などなく,身体診察,血液検査から膠原病は否定的であり,気管支肺胞洗浄検査から感染などは否定的であった.最終的に,胸腔鏡下肺生検を行い,特発性間質性肺炎(Usual interstitial pneumonia pattern)と診断した.
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