作業療法ジャーナル 49巻8号 (2015年7月)

特集 今こそ老健での作業療法—地域包括ケア時代にOTの可能性を広げよう

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特集にあたって

 介護老人保健施設(老健)は全国に3,998施設が開設され,入所定員は37万人を超える状況にあります1).通所リハビリテーション(デイケア)や短期入所療養介護(医療型ショートステイ)事業を展開し,在宅生活を支えてきました.昨今では訪問リハビリテーションを併設する老健も増え,地域の高齢者リハセンターとしての機能が期待されています.

 介護予防・認知症リハ・ターミナル期の生活支援の最前線です.チームリハ・チームケアを紡いで発展してきました.そして今こそ老健は最前線で困難な課題に向き合っています.日本作業療法士協会が推進するMTDLP(Management Tool for Daily Life Performance)“ひとは作業で健康になれる”.この研究モデルが施策モデルとなり,今現場で実践モデル“生活行為向上リハビリテーション”として展開されようとしています.これは,作業療法自体のリハビリテーション(再び,ぴったりしたものになること)にも思える課題です.困難ですが,わくわくするミッションです.“今こそ老健での作業療法! 老健から作業療法の可能性を広げたい”

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Key Questions

Q1:老人保健施設で働くOTの役割とは?

Q2:認知症施策にどのようにOTが参画できるか?

Q3:地域づくりに対するアウトリーチとは?

はじめに

 1987年(昭和62年)に創設された老人保健施設(以下,老健施設)が,在宅復帰や在宅支援のための重要な拠点とし,リハの提供により機能維持・改善を目指す施設であることは,2000年(平成12年)に介護保険法が施行され,介護老人保健施設と改称されてから現在も,変わりはない.しかし,介護や医療を巡る環境が変化し,住民のニーズも変わってきたため,従来の老健施設の役割について熟考すべき時期にきていると考える.そして国は2012年(平成24年)の介護保険法改正で,地域包括ケアシステムを2025年までに構築・強化していくことを提案した.地域包括ケアシステムとは,ニーズに応じた住宅が提供されることを基本としたうえで,生活上の安全・安心・健康を確保するために,医療や介護のみならず,福祉サービスを含めたさまざまな生活支援サービスが日常生活圏域,いわゆる30分以内に適切に提供できるような地域体制のことである.地域に社会資源が整ってきた中で,老健施設の機能は介護報酬上の「在宅強化型」を目指すだけでなく,より地域を意識した連携や新たな役割が求められているのではないだろうか.今こそ老健施設のもてる機能を発揮し,介護保険サービスの提供だけでなく,地域の人材育成や連携のためのセンター機能に向けて取り組むべきであろう.多くの取り組みを継続してきた老健施設1)だからこそできる,リハ職を活用したアウトリーチ,在宅生活のアセスメント機関,介護予防支援の拡充等,多くの可能性があると考える.ここでは,老健施設で働くOTの役割と可能性について考えてみたい.

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Key Questions

Q1:老健における在宅復帰支援・在宅生活支援とは?

Q2:OTが行う機能訓練の意義とは?

Q3:OTのアイデンティティとは?

はじめに

 介護老人保健施設(以下,老健)は,医療と介護,病院から在宅の中間施設として,また地域の中核施設として位置づけられており,在宅復帰支援のみならず在宅生活支援施設としての役割が期待されている.そして,厚生労働省が打ち立てた地域包括ケアシステムの構築に向けて,2015年度(平成27年度)の介護報酬改定では生活行為向上リハビリテーション実施加算の新設等,ICFにおける「活動」,「参加」に対するリハビリテーション(以下,リハ)にさらに注目が集まっており,今まさに老健のOTの出番といったところである.

 しかしその一方で,まだまだ老健で働く多くの若いOTが「リハビリ」=「機能訓練」という誤った図式のもと,日々プラットフォーム上での機能訓練に追われ,OTとしてのアイデンティティを失いつつあるのではないかと筆者は危惧している.

 このような背景の中,老健同様在宅復帰を目的とした回復期リハ病棟と老健との違いは何であろうか? そして,老健のOTの果たすべき役割とは? 筆者の経験を踏まえ,5つの視点からこれらをひもといていく.

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Key Questions

Q1:認知症者を支援する,暮らしを守るとはどういうことか?

Q2:老健の認知症作業療法を取り巻く現状は?

Q3:あなたはどんなアクションを起こしますか?

はじめに

 認知症者は400万人を超えたといわれ,認知症者へのリハ専門職種の治療的支援の効果と支援チームへの貢献が問われている.作業療法提供の費用対効果を明示していかなければ,われわれOTの存在価値は危うい.

 介護老人保健施設(以下,老健)は地域包括ケアの高齢者リハビリテーションセンターとしての資源だ.認知症を生きる人とその暮らしをどう支援できるか,今,OTの専門性の核が問われ,老健の存在意義が試されている.

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Key Questions

Q1:介護老人保健施設における活動と参加に焦点を当てた支援とは?

Q2:介護老人保健施設におけるOTの役割とは?

Q3:多職種協働のための視点とは?

はじめに

 介護老人保健施設の役割として,①包括的ケアサービス施設,②リハビリテーション施設,③在宅復帰施設,④在宅生活支援施設,⑤地域に根ざした施設,の5つが示されている1).また地域包括ケア研究会「地域包括ケアシステム構築における今後の検討のための論点」では,「介護老人保健施設はリハビリテーションの職員を擁しており,機能的にも在宅復帰を担ってきたことから,その機能を地域包括ケアシステムにおいて活用し,在宅生活の継続や拡大を具体的に支援することが可能であろう」と述べられている2)

 在宅生活の継続や拡大に向けた具体的な支援では,心身機能のみならず,活動や参加に対する支援が重要といわれているものの,介護老人保健施設におけるリハに関するプログラム内容の実情としては,基礎練習(関節可動域訓練,高次脳機能訓練等)や基本練習(起居移動練習,巧緻性や両手の協調の模擬作業等)の割合が多く,応用練習(生活場面でのADL,趣味的活動等)や適応練習(買い物等への生活拡大等)の支援が十分に行われていない3)という課題が挙げられている.

 2008年(平成20年),日本作業療法士協会は,作業療法の見える化のツールとして,また個々の対象者にとって意味のある作業を実現するためのツールとして,生活行為向上マネジメント4)を開発した.これはOTの思考過程を整理したものであり,このマネジメントツールを活用することにより,心身機能に偏ることなく,生活行為に焦点を当てた応用的および社会適応プログラムをバランスよく組み合わせた支援計画を立てることができる.その介入効果に関しても介護老人保健施設の入所・通所利用者に対して,ADL・IADLやQOLの向上等の効果が報告されている5)

 一方,介護報酬改定において,2012年度(平成24年度)には通所リハで個別リハビリテーション実施加算を算定するための必要条件となるリハビリテーションマネジメント加算を算定するうえで,通所開始時から1カ月以内の居宅訪問が義務化され,実際の生活場面における対象者の課題や強み等を評価することの重要性が示された.さらに「平成27年度介護報酬改定の概要(案):介護給付費分科会資料(平成27年2月6日)」には「活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進」が明記され,新たな報酬体系として,居宅等の実際の生活場面における具体的な指導の際に訪問と通所の組み合わせが可能な「生活行為向上リハビリテーション実施加算」が導入された.今後,ますます活動・参加に対する支援の強化が期待されている.

 本論では,筆者が介護老人保健施設なとり(以下,当施設)においてOTの視点を活かしながらかかわってきた,活動と参加に焦点を当てた入所および通所サービスに関する具体的取り組みを紹介するとともに,介護老人保健施設やOTの役割について,私見を述べる.

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Key Questions

Q1:食事に課題のある高齢者の介入ポイントとは?

Q2:食事支援における多職種連携とは?

Q3:これからの老健での食事支援でOTが求められる働きは?

はじめに

 「口から食べること」は生活行為において価値観の高い作業として挙げられることが多い.2015年(平成27年)の介護報酬改定では経口移行加算が見直され,栄養管理以外の口腔嚥下機能や食事介助方法等の機能面への支援の必要性があらためて認められている.認知症高齢者においても,食欲に支えられて維持できるADLであり,できることを支援することで対象者が主体性を発揮できる大切な場面である1)

 今回,口から食べることを多職種と共に支援した事例を通して,介護老人保健施設(以下,老健)に勤務する作業療法士(以下,OT)に求められる食事支援について考察する.

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Key Questions

Q1:老健における排尿リハ・ケアとは?

Q2:尿失禁の評価の視点とは?

Q3:排尿障害に対するOTの介入とは?

はじめに

 社会医療法人敬和会 大分豊寿苑(以下,当老健)は定員90名の在宅強化型老健である.入所担当のリハスタッフは4名(PT 1名,OT 2名,ST 1名)在職し,“利用者とご家族が安心安全な在宅生活が送れるよう支援する”を基本理念としている.特にOTは介護士・看護師と協働して,入所者が安全な在宅生活が送れるよう,常に生活をイメージしたADL・IADL訓練を行うことに力を入れている.また,高齢化が進む中で尊厳ある排泄をテーマにかかわっている.

 今回,私たちが力を入れている排尿リハ・ケアについて述べる.

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Key Questions

Q1:認知症高齢者が自宅退所するためにOTが果たす役割とは?

Q2:BPSDに対応するために老健でできる他職種連携とは?

Q3:認知症高齢者が安心して施設で生活するためには何が重要であるか?

はじめに

 認知症介護の現場ではたびたび,認知症の行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)に遭遇する.このBPSDは時に介護現場の職員の負担となり,認知症高齢者にとっては施設で安心して生活することや在宅復帰を阻害する要因となることがある.

 今回,介護老人保健施設(以下,老健)入所によりBPSDが顕著に出現した対象者に対し,生活歴から聴取した作業を用いて介入を行った.その結果,BPSDが改善し自宅退所に至った.以下に,その経過を報告する.

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 介護老人保健施設(以下,老健施設)は,リハをはじめとする医療や介護等を提供することにより,入所者が自立した日常生活を営むことができるようにする施設である.地域包括ケアシステムにおいては,在宅復帰,在宅療養支援の拠点となる重要な施設であると考えられている.

 老健施設は,全国で約4,000あり,約35万床のケアを提供している.2012年度(平成24年度)介護報酬改定では,在宅復帰率50%以上等の要件を満たす施設が算定できる在宅強化型基本施設サービス費(在宅強化型以外の通常型基本施設サービス費と比べて5%程度高い)と,在宅復帰率30%以上等の要件を満たす施設が算定できる在宅復帰・在宅療養支援機能加算(21単位)が設定された.算定の状況は,在宅強化型が8.7%,加算を取得した施設(加算型)が16.7%にとどまっているが,その割合は増加傾向を示している.老健施設の在宅復帰支援機能は徐々に高まっており,地域包括ケアシステムにおいて,必要不可欠な役割を担いつつあるといえる.

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 人々が生き生きと暮らすためには,本人が「希望している生活」を周囲と折り合いをつけながら,実現しようとする気持ちをもち続けることに加え,制度や社会から支えられている実感をもてることが大切です.また,専門職から,その方がもつ「価値」に合った支援が提供され,家族もまたその手応えを感じ,本人と家族双方が支えられます.

 昨年度から,「生活行為向上マネジメントの効果検証」事業に参加させていただき,あらためて利用者に寄り添うことの難しさと大切さを感じました.介護支援専門員に対する利用者評価は,制度上の成果として現れにくい「一緒に考えてくれる専門職」というところですが,このプロジェクトから,介護支援専門員の仕事と生活行為向上マネジメントの本質がとてもよく似ていると感じました.

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 このコラムは標記テーマで,国,介護支援専門員,作業療法士協会の立場から述べることになっている.しかし,私はある意味当事者であり,第三者的観点から「もの申す」というテーマには腰が引けてしまう.というより,そのような大上段から意見を述べる立場にはない.ここでは一作業療法士としての思いを述べさせていただく.

 介護保険制度創設以前のことを思い起こすと,「寝かせきり」,「社会的入院」,「家族介護の疲弊」等,介護は大きな社会問題化していた.また,医療費,特に高齢者医療費の伸びは,社会保障の安定化という観点で大きな課題であった.その背景には,少子高齢化社会の到来があり,新たな保険制度の創設には日本社会の負の遺産からの脱却の道づくりという側面もあったと思う.そのような中で,2000年(平成12年)に介護保険制度がスタートし15年が経過する中で,はたして当初の目的は達成しつつあるのか…….「活動」,「参加」,「利用者主体」,「協働」,「バランスのとれたリハビリテーション」といった方向への転換は,すばらしいことである.あとはいかに現場が応えるかである.

提言

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 ふと思い立って自室の整理をしていたら,茶色に変色したわら半紙が綴じてある古い紙ファイルがでてきた.わら半紙に刷られたものは,今のように作業療法の教科書や参考書がほとんどなかった時代,私たち学生のために,金子 翼先生がつくってくださった手書きの「職業前訓練学」の教科書だった.物を大事にせず,何でも後先を考えずに捨てるので,夫の持ち物に触ることさえ禁止されている私だが,さすがに尊敬する恩師の癖のある文字で書かれたそれは捨てられなかったらしい.そこには,日本における障害者雇用の困難さと,OTが「職業」にかかわることの大切さが書いてあった.

 あれから約35年…….「職業前訓練学」の科目名は「職業関連活動学」へと変わったが,OTの養成カリキュラムにはずっと入っている.日本の作業療法において,職業復帰への取り組みはどのくらいなされていたのだろうか.

あなたにとって作業療法とは何ですか?・第7回

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 それは私の半世紀の人生を支えてくれた生業(なりわい).この道を歩んできて多くの出逢いがあり,いろいろな困難や苦しいときがありました.長く歩むと,どうしてもOTとしての視点に偏ってものごとを見てしまう業(ごう)のようなものが宿ってしまっている自分を感じます.“作業療法”その対価と効果……他の職種や国民の視点からはどう見えているのでしょうか.

 恩師である金子 翼先生が“病む人,苦しみや困難とともに生きる人”の存在の上に成り立っている作業療法という仕事の責任をいつも胸に忘れないようにとおっしゃいました.「作業療法士」は私の職業です.対価に見合うだけのサービスを対象者に提供し,力量を増していい仕事をしたいです.縁あっての出逢い“あなたに出逢ってよかった,あなたが担当の作業療法士でよかった”と思っていただきたい.“涼風苑を選んでよかった”と言っていただけるようにと仲間と一緒にこれからも歩みたいです.

講座 IT機器・ICTとリハビリテーション・第2回

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 情報通信技術(information and communication technology:ICT)に関する社会的インフラの拡充,ハードやソフトの充実により,教育分野へのICTの活用は2000年(平成12年)ころから活発化している.教育機関が教育・学習方法の改善を目的とするファカルティ・デベロップメントを推進していることもあって1),ICTを活用して新たな教授・学習方法を開発する取り組みは世界的に進みつつある.それは,ICTの利用が,より多彩で効率的,効果的な教育・学習を可能にする可能性があるからである.本稿では,ICTを活用した教育・学習方法のうち,特にeラーニング(electronic learning)について述べる.さらに,高等教育およびOT等の医療専門職教育(学内教育,卒後教育)への活用の現状と今後の課題について述べることとする.

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Q1:川モデルをもっと学ぶにはどうしたらいいですか?

A1:いくつかの方法があります.

  ご自分に合ったものを選んでください.

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はじめに

 本校作業療法学科では,スウェーデンのマルメ市にて毎年海外研修を実施している.2014年度は3年生7名(稲守知恵梨,内村 俊,佐藤光砂,辻永友香,髙橋咲絵,南山こずえ,守屋 真)と教員1名が参加し,2014年9月29日から5日間で9カ所の施設を見学した.そのうち特に印象に残った施設について紹介する.

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Abstract:介護予防における一次予防事業として行われているサロンへの参加女性を対象に,軽度認知機能低下の有無と健康情報ニーズとの関連を明らかにすることを目的に,調査(自記式認知機能検査,健康情報ニーズ等)と体力測定を実施した.対象者の平均年齢は73.8±5.5歳,軽度認知機能低下者は全体の34.4%(22/64)であった.厚生労働省の基本チェックリスト20項目中10項目以上で二次予防事業対象となる者が22.8%(13/57人)だった.対象者が知りたい健康情報は,認知症67.2%(43/64人),物忘れ50.0%(32/64人),筋力低下45.3%(29/64人),骨粗鬆症40.6%(26/64人),転倒35.9%(23/64人)の順で多く,軽度認知機能低下の有無による健康情報ニーズの違いは認められなかった.今後,一次予防事業においては,二次予防事業対象者が一定数含まれていることを認識したプログラムの立案や,健康増進と予防,支援に関する情報発信の方法を考慮する必要がある.

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Abstract:症例は,半側空間無視(USN)により,食事の食べ残しや左側の相手との交流に支障をきたした左片麻痺者である.USNに対する作業療法として,言語的な注意喚起訓練,ADL訓練,環境設定が一般的であるが,症例には左側からの声がけに対して右側ばかりを探索する知覚転移の症状があり,意識的に左側を向かせる訓練や代償手段を用いることは難しく,USNという機能障害そのものへの介入が必要と考えた.ADLに影響する身体周辺空間は,身体図式に基づいて規定されており,その生成には脳内における感覚情報の統合が必要とされる.そのため,症例のUSNを身体図式の生成不全ととらえ,感覚情報の統合訓練を12週間実施した.結果,行動性無視検査の通常検査(49点から73点)と行動検査(6点から13点)の成績が向上し,食べ残しの軽減と左側の相手との交流に改善がみられた.身体図式の生成を促す介入は,USNを軽減させ,ADL改善に貢献することが示唆された. 

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表紙のことば/今月の作品

編集室から

次号予告

学会・研修会案内

研究助成テーマ募集

編集後記 澤 俊二
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 天変地異が地球を覆う時代に入ったと思われる.地球の温暖化は止まらない.台風が多発し,局地的豪雨が見舞う.巨大地震が多発し,火山の噴火があちこちで始まった.その上に,東京一極集中,地方の人口急減が進む.増田寛也氏によると,2040年までに800近い自治体が消滅するという予測もある.認知症もその予備軍も大幅に増加している.この国は,世界は,どこに行くのだろう.障がいを負った人たちが,長く,安楽に,郷土を愛して生きていけるのだろうか.そのような状況下で応戦のための具体化が問われている.

 一つの応戦施策として,2025年までの構築を目指す地域包括ケアシステムがある.今,各自治体はその計画づくりに余念がない.その計画の中に入れ込む地域資源の有力候補に介護老人保健施設(老健)がある.厚生労働省の森岡氏は,老健は,在宅復帰,在宅療養支援の拠点として重要であると期待を示す.なぜならば,老健施設は全国で4,000,約35万床でケアを提供し,リハ専門職は3.75人(常勤換算),そのうちOTは1.51人であるという.ちなみに回復期リハ病棟は,約7万床である.桁が違う.

基本情報

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作業療法ジャーナル
49巻8号 (2015年7月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0915-1354 三輪書店

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