Japanese
English
症例報告
身体図式の生成を促す介入により食事と対人交流が改善した半側空間無視症例
A case of unilateral spatial neglect where meals and human interactions are improved by intervention of encouraging body image formation
太田 康介
1,2
,
成田 秀美
3
Kosuke Ota
1,2
,
Hidemi Narita
3
1介護老人保健施設はくじゅ
2メディカルコート八戸西病院
3弘前医療福祉大学
キーワード:
半側空間無視
,
身体図式
,
ADL
Keyword:
半側空間無視
,
身体図式
,
ADL
pp.869-872
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200320
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Abstract:症例は,半側空間無視(USN)により,食事の食べ残しや左側の相手との交流に支障をきたした左片麻痺者である.USNに対する作業療法として,言語的な注意喚起訓練,ADL訓練,環境設定が一般的であるが,症例には左側からの声がけに対して右側ばかりを探索する知覚転移の症状があり,意識的に左側を向かせる訓練や代償手段を用いることは難しく,USNという機能障害そのものへの介入が必要と考えた.ADLに影響する身体周辺空間は,身体図式に基づいて規定されており,その生成には脳内における感覚情報の統合が必要とされる.そのため,症例のUSNを身体図式の生成不全ととらえ,感覚情報の統合訓練を12週間実施した.結果,行動性無視検査の通常検査(49点から73点)と行動検査(6点から13点)の成績が向上し,食べ残しの軽減と左側の相手との交流に改善がみられた.身体図式の生成を促す介入は,USNを軽減させ,ADL改善に貢献することが示唆された.
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