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Key Questions
Q1:老人保健施設で働くOTの役割とは?
Q2:認知症施策にどのようにOTが参画できるか?
Q3:地域づくりに対するアウトリーチとは?
はじめに
1987年(昭和62年)に創設された老人保健施設(以下,老健施設)が,在宅復帰や在宅支援のための重要な拠点とし,リハの提供により機能維持・改善を目指す施設であることは,2000年(平成12年)に介護保険法が施行され,介護老人保健施設と改称されてから現在も,変わりはない.しかし,介護や医療を巡る環境が変化し,住民のニーズも変わってきたため,従来の老健施設の役割について熟考すべき時期にきていると考える.そして国は2012年(平成24年)の介護保険法改正で,地域包括ケアシステムを2025年までに構築・強化していくことを提案した.地域包括ケアシステムとは,ニーズに応じた住宅が提供されることを基本としたうえで,生活上の安全・安心・健康を確保するために,医療や介護のみならず,福祉サービスを含めたさまざまな生活支援サービスが日常生活圏域,いわゆる30分以内に適切に提供できるような地域体制のことである.地域に社会資源が整ってきた中で,老健施設の機能は介護報酬上の「在宅強化型」を目指すだけでなく,より地域を意識した連携や新たな役割が求められているのではないだろうか.今こそ老健施設のもてる機能を発揮し,介護保険サービスの提供だけでなく,地域の人材育成や連携のためのセンター機能に向けて取り組むべきであろう.多くの取り組みを継続してきた老健施設1)だからこそできる,リハ職を活用したアウトリーチ,在宅生活のアセスメント機関,介護予防支援の拡充等,多くの可能性があると考える.ここでは,老健施設で働くOTの役割と可能性について考えてみたい.
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