特集 今こそ老健での作業療法—地域包括ケア時代にOTの可能性を広げよう
コラム:介護老人保健施設の作業療法に期待する介護老人保健施設にもの申す
中村 春基
1,2
1一般社団法人 日本作業療法士協会
2兵庫県立総合リハビリテーションセンター
pp.834-835
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200309
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このコラムは標記テーマで,国,介護支援専門員,作業療法士協会の立場から述べることになっている.しかし,私はある意味当事者であり,第三者的観点から「もの申す」というテーマには腰が引けてしまう.というより,そのような大上段から意見を述べる立場にはない.ここでは一作業療法士としての思いを述べさせていただく.
介護保険制度創設以前のことを思い起こすと,「寝かせきり」,「社会的入院」,「家族介護の疲弊」等,介護は大きな社会問題化していた.また,医療費,特に高齢者医療費の伸びは,社会保障の安定化という観点で大きな課題であった.その背景には,少子高齢化社会の到来があり,新たな保険制度の創設には日本社会の負の遺産からの脱却の道づくりという側面もあったと思う.そのような中で,2000年(平成12年)に介護保険制度がスタートし15年が経過する中で,はたして当初の目的は達成しつつあるのか…….「活動」,「参加」,「利用者主体」,「協働」,「バランスのとれたリハビリテーション」といった方向への転換は,すばらしいことである.あとはいかに現場が応えるかである.
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