Japanese
English
症例報告
注意障害を伴う脳卒中者に対する二重課題トレーニングの効果—介護老人保健施設における実践
Effect of dual task training on a stroke patient with attention deficits: Practice in the geriatric health services facility
太田 康介
1
,
成田 秀美
2
Kosuke Ota
1
,
Hidemi Narita
2
1介護老人保健施設ハートランド
2弘前医療福祉大学
キーワード:
二重課題トレーニング
,
注意障害
,
介護老人保健施設
Keyword:
二重課題トレーニング
,
注意障害
,
介護老人保健施設
pp.430-433
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203355
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Abstract:対象者は,右被殻出血により重度の左片麻痺を呈し,発症から3カ月で介護老人保健施設へ入所となった60代後半の女性である.在宅復帰の条件は車いすへの移乗とトイレ動作の自立であったが,左上下肢の管理不足や,ブレーキ,フットレスト操作の忘れが目立ち,介助を要していた.対象者の認知機能の特徴として,遂行機能や注意機能といった前頭葉機能を反映するFABとTMTの成績が低下しており,ADLで配分可能な注意資源が乏しい可能性があった.介護老人保健施設におけるリハは,制度や人員の制約により,提供時間が病院と比較して圧倒的に短く,機能訓練よりもADL訓練が重視されている.一方,対象者に対するADL訓練は十分な効果が期待できない可能性があったため,根本的な問題である注意資源の向上を図る目的で,運動課題と認知課題を同時に行う二重課題トレーニングを実施した結果,車いすへの移乗とトイレ動作が自立に至った.
Copyright © 2023, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.